淡水魚の餌にアジ?~餌としての海水魚利用法~
2011.06.11 (土)
「私も餌をあげたい!」
「美味しそうですね!」
館内の魚たちに「給餌」をしていると、
必ずこんな声が聞こえてきます!
アクア・トトぎふでは、毎週月曜日と金曜日に、
館内の魚類たちに「生餌」と呼ばれている魚の切り身をメインにしたものを給餌します。
ちなみに「生餌」の原材料は…「マス」「アジ」「タラ」「オキアミ」「アミエビ」などなど…
お気づきの方はいらっしゃるかと思いますが、
全部「海産」です。
ちなみに、これらの餌はコストが安く、
供給が安定していますので、
「餌」として使用するにはとても便利です。
私たち飼育スタッフは普通に「餌」として使用していますが、
初めて見る方にはかなり違和感があると思います。
おそらく、皆様は体内に含まれている「塩分」を心配されているのではないかと
思われますが、実は「海水魚」の体内にはほとんど「塩分」は含まれていません。
むしろ海水魚は「塩分」を積極的に排出しています。
なので、淡水魚に普通に「餌」として与えても問題ない訳ですが…
実は問題もあります…「アジ」や「マス」は脂肪分が多いので、
たくさん与えると内蔵脂肪が蓄積する可能性があります。そこで、
比較的脂肪分の少ない「タラ」をバランス良く給餌します。
さらには魚の健康を考えて栄養が偏らないように「ビタミン剤」も混ぜます。
最後に余談ですが、私が小学生の時に、図書室で読んで未だに忘れられない本があります。こんな内容でした。
~昔、船乗りが航海に出て、船内の水が無くなった時に「魚」を布の中に入れて、
「体液」を絞り出して「飲料水」として利用した。~
当時、かなり衝撃を受け、親には内緒で冷蔵庫の中の「アジの干物」をタオルに包んで、
実行した記憶があります。(もちろん干物なので失敗)
理屈を考えれば納得がいきますし、先人の知恵に驚かされますね!
ちなみに「生餌」を調餌して給餌すると、風呂に入るまで「匂い」が取れませんので、
車の中や自宅までもが「生臭く」なります…