世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

「準備出来ていますか?」~魚を飼う前にやるべきこと~

2012.01.20 (金)

嶋津

こんにちは!今年は「魚を飼育するに必要な事」をテーマに

いくつかシリーズ化してブログを書いていきたいと思います!

 

というのも…「魚の飼い方を教えて欲しい!」というお問い合わせが多いからです。

 

どんな問い合わせがあるのかと言うと…

「近所の川で魚を捕まえたけど飼育法が分からない!」

「川魚の飼い方を教えて!」

「どんな餌を食べるの?」

「魚を飼ったのは良いけど、すぐに死んでしまう。」

「水換えの仕方が分からない。」

「大きくなったから近くの川に放してもいいですか?」

「飼えなくなったので引き取って貰えませんか?」など…

様々な種類のお問い合わせがあります。

 

「魚」や「身近な河川」に興味を持ってもらう事は非常に嬉しいです。

また「飼育」を通じて、自然界では観察が難しい「魚」の

興味深い生態や理解が深まると思いますので、

機会があれば是非チャレンジしていただきたいとは思いますが…

 

「魚」を飼う前に必ずいくつか検討していただきたい事があります。

①「飼育する魚の知識」

②「飼育器具の検討」です。

 

①も②も「当たり前」の事ですが、

飼育相談をしていると

「思いつきで飼育」「数年後の事を考えないで飼育」という

内容が比較的多いからです。

中にはしっかりと知識を深めていらっしゃる方も多いのですが、

それでも上記に挙げた例がまだまだ多いのも事実です。

 

私が今まで体験した飼育相談の中で、非常に印象に残っているのは…

40代くらいの女性からの質問でした。

「イワナを飼っているのですが、次々と死んで行くのでどうしたらいいでしょうか?」

私は「基本的な飼育器材」や「魚の状態」などを必ず聞くようにしています。

話を進めていくと、とんでもない事が分かりました。

 

「水温は25℃あります。」 ちなみにこの質問を受けた日は7月の真夏日でした…

「水槽用のクーラーは付けていないのですか?」

「付けていません。」

 

イワナの仲間は河川上流域の水が冷たい環境に生息しています。

これではイワナが死んでしまうのも無理はありません。

 

また「近くの河川でコイやナマズの稚魚を採集してきたので、

飼育法や餌を教えて欲しい!」という種類の相談もありますが、

コイやナマズ類は比較的成長が早い上に、

飼育法に問題が無ければ少なくとも5年以上は生きます。

稚魚時は30cmくらいの小さな水槽でも飼育出来ますが、

最終的には90cm以上の大きな水槽を

用意しなければならなくなる可能性が非常に高くなります。

 

「メダカやタナゴの飼い方を教えて欲しい!」という、

 

小魚の飼育法についての問い合わせもあります。

 

メダカの寿命は自然下では「一年」とされていますが、

 

水槽の中で飼育すると「天敵がいない」

「毎日の給餌」のおかげで、1115 037.jpgのサムネール画像

上手に飼育すれば「3年前後」は

生きる個体がたくさんいますし、

タナゴの仲間も一部例外はありますが、

普通に飼育すれば2~3年くらいは生きます。

「小魚」とはいえども、

比較的長生きするものなのです。

 

「大きくなって飼育する事が出来ない。」

「飼育に飽きた。」「飼いきれない。」などの理由で、

「飼育放棄」をする事は絶対に許されない行為です。

もし飼育出来ないのであれば、「責任」を持って「飼い主」を探すのが最低限のマナーです。

 

「飼いきれなくなった魚」を身近な河川に放す、

「密放流」が後を絶たずに、全国的に大きな問題となっています。

 

逆にこんな事も…

「フナを飼っています!何年も生きています!」

「家で飼っているドジョウが5年以上生きているんです!」

「金魚すくいの金魚が6年も生きていて…」など、

館内を歩いているとお客さんから声を掛けられることもあります。

そういう報告を聞くと非常に嬉しくなります。

 

「準備出来ていますか?」 「天寿を全うするまで面倒見れますか?」

魚を飼う前に必ず確認しましょう!

 


 

 

記事URLを表示

カテゴリー  お知らせ
キーワード 嶋津
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー