みなさま こんにちは。 現在、3階の「用水路の生き物」水槽の隣で青いメダカを展示しています。 青いメダカはペット用の改良品種で、観賞魚売り場に行くと、青いメダカの他にも、白いメダカや赤いメダカ、黒いメダカなど、いろいろと売られています。 家に水槽を置いて、それらのメダカを飼ってながめるのは私も好きです。 でも、そんなメダカを野外の川で見つけた時は、ぞっとしました。 去る2021年11月、岐阜県内の、とある用水路で生き物観察をしようかな。と水に入ったとたん、水面にいるたくさんの青いメダカを見つけました。 背側が青白く光る特徴を持つ「幹之メダカ」もいました。 初めて行く場所だったので、何がいるかなぁ~とわくわくしていたのにこれです…。残念でなりませんでした。 ここは、野生の生き物たちがくらす場所。ペット用のメダカがいるべき場所ではありません。 きっと、飼っている人が、(このメダカはいらないな)と思って、この場所に捨てたんだと思います。ざっと50匹以上はいました。 もし、ここに野生のミナミメダカがいたら… ペット用メダカと野生のメダカは容易に繁殖するので、子孫を残す可能性があります。そうなると、遺伝子が撹乱され、この地域固有の遺伝子をもつ野生のミナミメダカはいなくなってしまいます。一度失われてしまうと、もう元には戻せません。 これまで、野生のメダカは開発による生息地の消失や、農薬や生活排水による水質汚濁、そして、国外外来種のオオクチバスやブルーギルに捕食され、また、カダヤシにすみかを奪われるなどして、大幅に数が減っています。 そして、またここにきて、ペット用メダカによる遺伝子の攪乱というあらたな脅威にさらされています。 飼っているメダカが増えすぎて飼えなくなったとしても、野外の川に捨てるのは絶対にやめましょう 青いメダカを見つけたこの用水路は、近所の人曰く、小学生もよく来て魚捕りを楽しんでいく場所だそうです。小学生には、その地域で世代を重ねてきた本物の地元の魚だけを捕らせてあげたいと心から思います。 川にペット用のメダカがいるのが当たりまえ、なんて事態にならないよう、自分にできることが何かを考えた結果が、青いメダカを展示することでした。 展示しているのは、今年の8月に同じ用水路で捕まえた個体です。 去年に続き、今年も青いメダカがたくさんいました。 ペット用メダカを川に放したらなぜダメなのか、しっかりとパネルで解説したつもりです。 ぜひ読んでいただけたらなと思います。 Tweet