おもしろ飼育コラム

ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った  ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6
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ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6

前回のリレーブログ にて「ペープサート監督 堀江(真)」から バトンを受け取ったロンギ(中野)です。 開催中(※8/18で終了です)の「わくわくシクリッド劇場」では、 ロンギが目立つ場面がありますので、みなさん必見です。 そのおかげもあり今はとっても有名で、 恐らく人気投票をしたらロンギが一位になるでしょう。 劇場終了後には、オールキャストが描かれた紹介資料も配っていますよ。 少しでも多くの人に楽しんでいただけたらと思い、 人形に命を吹き込み、皆様のお越しをお待ちしています。     さて、夏の特別企画展はご覧になりましたか?   タンガニーカ湖水槽には多種多様なシクリッドが、 マラウィ湖水槽には 淡水魚とは思えない色鮮やかなシクリッドが展示してありますが、 ビクトリア湖のシクリッドはどうでしょう・・・。   ここではビクトリア湖に生息するシクリッドをご紹介しようかと思います。 どんな種類がいて、どんな姿をしているのか知っていますか?   ビクトリア湖のシクリッドは、人が食用などに利用する為に放流された ナイルパーチという巨大な魚食性の魚によって食べられてしまい、 数・種類ともに激減し、大量絶滅が起きたことで有名です。 しかしどんな種類が生存しているのかはあまり知られておらず、 情報不足のため、魚を調達することは困難を極めました。   このような中、非常に貴重なビクトリアシクリッドを日本で研究している 二人の研究者の方々からお話を伺い、展示協力していただくことができました。   ここで少しだけ紹介させて頂きます。   まずはこちらの写真のシクリッドは  「ハプロクロミス・キロテス」です。 東京工業大学の二階堂先生から譲って頂いたのですが、 唇をよく見てください。  このシクリッドは「唇が肥大化」するのです。 不思議なことに、実は3つの湖それぞれに唇が厚くなるシクリッドがいるのですが、 環境に適応して唇が厚くなると考えられてはいるものの、 何のために共通してこの特徴が現れるのかは、はっきりとわかっていません。 二階堂先生はこのシクリッドを用いて、 「唇の肥大化」に関わる進化のメカニズムなどについて研究を進めています。   こちらは、国際科学振興財団の相原先生にお借りしたシクリッドです。  相原先生は、かなり混沌としているビクトリア湖シクリッドの  分類を研究しています。  ビクトリア湖のシクリッドたちはとても似ているうえ、 参考となる野生標本が絶滅などで不足していることもあり 分類がとても難しいそうです。 大絶滅がおきてから、現在シクリッドの数は少しずつ増えてきているそうですが 残念ながら一度崩壊してしまった生態系は元にもどることはないでしょう。   今回の展示水槽で、種を見つける難易度をつけたら ビクトリア湖>>>>>>タンガニーカ湖>>マラウィ湖 こんな感じになるかと思います。 正直飼育している私たちでも四苦八苦しながらやっと、といったところです。 ですが、こんなにも多くの種類が混泳するシクリッド水槽は なかなか見ることができないと思います。 ちなみにビクトリア湖水槽では、 あちらこちらで口に卵を含み育てているシクリッドの姿が見られますよ。    最後に、今回の企画展のキーワードである「進化」は わかりやすそうですが奥が深く、難しいテーマです。  子どもから大人まで幅広い世代のお客様に伝えられるよう、 色々と工夫することに努めました。 ペーパーキャップ、シクリッド劇場など、 一人でも多くの人が興味をもち 楽しく学んでいただければと思っています。 ぜひ皆さんで遊びにきてください。   次のリレーブログは「食」の達人、いや 仕事人こてこてせいじさんに語ってもらいます。     ツイート
ペープサートやりますよー ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.5~ 
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ペープサートやりますよー ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.5~ 

こんにちは。暑い日が続きますがみなさま夏バテしてないですか? インテリ長身の野口氏からバトンを受け継ぎました。 ここでブログを書くのはちょうど1年ぶりの堀江(真)です。 その間、カエルやアシカやカワウソを飼育していた動物担当から 魚や水草、そしてエビ・カニを飼育する魚類担当に異動になりました。 以後、魚類担当の堀江(真)としてよろしくお願いします! さてさて、企画展の設営やペーパーキャップの準備・運営が 軌道にのってほっとするのも束の間、 また、新たな催し物の準備をしています。 8月10日(月)からは、ペープサート、いわゆる紙人形劇が始まります。 その名も「わくわくシクリッド劇場」。 ペープサートは過去にも一度開催していて、 その時担当させてもらったのが縁で、 今回もやらせていただくことになりました。 まずは台本作りからとりかかりましたが、 魚に対する知識がまだまだ浅いこともあり、 「これだ!!」と思う構想がなかなか浮かばず、 筆を執るまでにずいぶん日数を要してしまいました…。 さらに、 ① 難しくしない ② ウソやいい加減なことはやらない ③ お客様が途中でいやにならない この3点、非常にむずかしい。 それでもなんとか書けましたよ! ほかのスタッフにも 「こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないか」 の肉づけもしてもらい、納得の台本ができました。 キャラクターのイラストや背景の絵は ショップ「フィッシュタンク」のスタッフにお願いして、 すごくいい感じに仕上がってます。 音声は、何日間もかけて台詞の読み合わせをした後、録音しました。 今は担当するスタッフたちで、 吹き込んだ音声に合わせて練習しています。 それと、本番用の人形作りも。 (練習用の人形は慣れない動作であっちこっちぶつけまくってもうボロボロですから。) こんな感じで練習しています↓    ビデオ撮影をしてもっといい動かし方はないかと模索中↓  こうした長い道のりを経て、ついに本番を迎えようとしています。 お客様がどんな反応してくださるのか 楽しみでもあり不安でもあります。 わくわくしていただけるといいんですけど…。 開催日時は 8月10日(月)~8月18日(火) 11:00~、12:30~、14:30~ です。 ぜひ見に来てください。 楽しげな雰囲気を作ってみなさまをお待ちしています。 さて、次回のブログは わたしがペープサートのシナリオを書くうえで、こちら        ネオランプロローグス・ロンギオール(※1)のキャラクター「ロンギ君」 のモデルにさせてもらった中野氏にバトンをたくします! イケメンですよ。 (※1) タンガニーカ湖にすむシクリッドの仲間。群れで生活し岩のすき間などに産卵します。   ツイート
アフリカの淡水魚 時々 日本の淡水魚。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.4~ 
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アフリカの淡水魚 時々 日本の淡水魚。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.4~ 

さてさて、魚卵・魚糞が大好きな須田さんからバトンを引き継いで、 第4弾を担当するのは野口です。 いつも須田さんとは机を並べて隣同士で仕事をしていますが、 隣から魚卵や魚糞の香りが漂って・・・・・はきません!! 気のせいです。   種類は関係なく、とにかく魚卵・魚糞が大好きで、見つけるとそれに一直線! 写真も撮りまくります!!パパラッチ須田です。 だいたいはこの魚が好き!とかありますけど・・・ かなり偏ってますよね(笑) ところで、皆さんはどんな魚が好きでしょうか? 自分の好きな魚はこんな感じのです。   タナゴの仲間やシマドジョウの仲間です。 タナゴの仲間はなんといっても婚姻色! そして、二枚貝の鰓の中に卵を産むという 不思議な生態を持っていることも魅力的。 タナゴの仲間は結構好きな方も多いですけど、 シマドジョウの仲間はかなりマニアックな世界なので 好きな人という以前に知らない人も多いかもしれません。 シマドジョウの仲間も色々いますが、とにかく見た目がそっくり。 なかなか見分けることが難しいです。 今まで同じ種類だと思われていたものを改めてしっかりと調べてみると、 実は別の種類のものでしたということで、 最近でもタンゴスジシマドジョウやオオヨドシマドジョウなどが 新たに発見されています。 下の写真はタンゴスジシマドジョウです。    見た目がそっくりということで同じだと思うことは、 魚からしたら結構失礼な話でしょう。 個人的に思い入れの強い魚の話をしてしまいましたが、 水族館ではこの夏からスタートした「アフリカ 進化の湖」ということで、 アフリカの湖に生息するシクリッドを展示しています。   このシクリッドもさまざまな環境に適応して進化してきた 多種多様なものがいます。 タナゴの仲間のように変わった生態をもつものや、 シマドジョウの仲間のように、 見た目がそっくりでも全く別の種類のものもいます。   全部の種類を見つけることができるでしょうか? 私は自信ないですね…(笑) 魚の見た目がカッコイイ、カワイイっていうのもヨシ! 一歩踏み込んで生態や進化的に面白いって思うのもヨシ! シクリッドはそのどちらも満たしてくれる この暑い夏にふさわしい熱い魚たちです。   タナゴやシマドジョウは その辺の川に行って自分で採って楽しむこともできますが、 アフリカのシクリッドはそうはいきませんよね。 去年は車で行ける「アマゾン」をお楽しみいただきましたが、 今年は「アフリカの湖」にも車で行けるということで、 この暑い夏は涼しい水族館で大小さまざまな水槽で泳ぐ 多種多様なシクリッドを思う存分お楽しみください。   (でも、日本の淡水魚もお忘れなく…)   次回のリレーブログは、今月の10日からスタートする ペープサート(紙人形劇)について この水族館のNo.1ペープサーター堀江(真)さんがお届してくれます。 乞うご期待!     ツイート
ちょっと覗きますよ。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.3~
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ちょっと覗きますよ。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.3~

魚類チームのラーメンリーダーこと波多野さんからバトンタッチ! “魚卵と魚糞を愛する”と紹介して頂きました須田がお送りします! 魚糞についても熱く語りたいところですが、 今回のお話では置いときましょうかね…! アフリカ進化の湖、私が担当することになったのは 「ネオランプロローグス・ブレヴィス」の展示でした。 ※以降ブレヴィスと表記します。  ブレヴィスはタンガニーカ湖の貝殻が集まる「シェルベッド」に生息する シクリッドの仲間です。繁殖も貝殻の中で行います。 特別展に向けて、 なんとかして「貝の中で子育てする姿」を展示することができないかと、 予備水槽での試行錯誤が始まりました。 ①とりあえず貝を入れてみよう! 加工せず、ありのままの巻貝を水槽に入れてみました。  入ってくれました! しかし、これでは中の様子はわかりません。 いったい中ではどのように過ごしているのか?気になります。 ②スケスケの貝を入れてみよう!!   この巻貝、ガラス製でなかなかオシャレなんですが、 一向にブレヴィスはお気に召さない! 全然入ろうとしません! 一度だけ、しっかり入りこんでいる姿を真田さんが目撃し、写真を撮ってくれました。 こんなふうに納まっているんですね… このまま展示出来たら分かりやすいのですが、 ほとんど利用しないため断念。 ③貝にのぞき穴をつけてみよう!!! 貝を切って、のぞくための穴をあけてみました。 貝には入るものの、すぐに通り抜けてしまい居心地が悪そうです。 風通しもとい水通りが良すぎるのかもしれません。   ちなみに、無茶しやがって…と言いたくなるような、 こんな個体もいました。      ④のぞき穴に透明の窓をつけてみよう!   これは気に入ってくれました!そしてなんと 卵を生んでくれました!!!! 感動です!体に対して卵は大きいんだなぁと感心しました。 しかしこのブレヴィス、意外と力持ちだったのです。 頻繁に貝をつついて移動させてしまうため、 この方法では観察に向かなさそう… 悩んでいたところ田上さんからアドバイスを頂きました。 その方法はというと、 ⑤透明の板に、貝をくっつけてみよう! ちょっとしたマンション感覚。   こちらも気に入って、すぐに入ってくれました。 そして 卵も生んでくれました!!! 安定感もバッチリ! 展示方法はこれに決定です!   念願の「貝の中で子育てする様子」はビデオに収め、特別展にて放映しています! ブレヴィスのおもしろい生態をぜひ、ご覧くださいね!   ブレヴィスが実際に貝に入る様子も、この小窓から覗くことができますよ! ぜひ、こっそりと覗いてみてください♪     そしてなんと今! 展示槽でブレヴィスが子育てする様子を実際にご覧いただけます!!!! 7月24日に産卵、27日にふ化を確認しています。 これまでの観察から、 産卵から10日程すると稚魚が貝殻から出てくると予想されますので、 ご覧になる方はお早めにお越しください!!   赤ちゃんブレヴィスの成長については、 改めてブログでお伝えできればと思っております! それではまた!   お次のリレーブログは、 日本淡水魚を愛してやまない長身インテリ野口さんです! お楽しみに!     ツイート
目からウロコの「ペリソーダス・ミクロレピス」~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.2~
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目からウロコの「ペリソーダス・ミクロレピス」~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.2~

数ある麺類というカテゴリーの中で、 種分化的に独自の発展を遂げてきたラーメンという食べ物。 そして各地に根差し進化してきた、まさに適応放散的なご当地ラーメン、 そして今なお進化の途中であり続ける。 ラーメン、それはまさにシクリッド的ではありませんか・・・。 自分で書いていて嫌になりますが、 前回の田上氏のくだりを受けて、こんな出だしに。 ラーメンの進化に興味を示し、魚の変化に心を配る波多野です。   特別企画展「アフリカ 進化の湖」が始まって、1週間が経ちました。 すでに多くのお客さまにご覧いただき、ありがとうございます。 さて今回ご紹介するのは、 「Perissodus microlepis ペリソーダス・ミクロレピス」(以下 P.ミクロレピス) というシクリッドです。     元々は、富山大学の竹内勇一先生からの共同研究の申し出があり、 当館で去年の4月から飼育を開始した魚です。 そのころは、展示して皆さまにご紹介できるようになるとは 思ってもいなかったので、感慨深いですね。 そしてこの魚、おもしろいのです。 何がおもしろいかと言いますと、 この魚は、なんとウロコを食べて生活をしているのです! ウロコですよ、ウ・ロ・コ。 詳しく言いますと、他の魚のウロコを口ではぎ取って食べているのです。 しかもほぼウロコのみを食べて生活しているという変わりもの。 そのため「鱗食魚」と呼ばれたりもします。 ウロコは元々、 ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)とコラーゲン繊維(タンパク質) が主成分であり、 消化さえできれば良質な餌となるのです。 まさに生息環境をめぐる競争の中で、 他の魚にはない特徴を獲得して、生き延びてきたのですね。 さらに、このP. ミクロレピスには左右の利きがあるのです。     私たちにも、右利きや左利きといった、利き手や利き足がありますよね。 このP. ミクロレピス、ウロコを剥ぎ取るのに、 体の右側からアタックするもの(右利き)と 左側からアタッタクするもの(左利き)がおり、 アタックをする方向つまり「利き」で口の傾きが異なってくるのです。   これは顎の発達具合にも関係しており、 捕食行動と頭部形態が密接に関係しているようです。     まさにスゴワザ。 スゴ過ぎますこのP. ミクロレピス。 このP. ミクロレピスをモデルとしたシクッリッド帽子も ちゃんと口が曲がっているのにはこんな訳があるのです。     さらにさらに、このP. ミクロレピスは一般的に流通しているような魚ではなく、 ほとんど日本でお目にかかることはないと思います。 だって他の魚のウロコを食べてしまうので、混泳できないですし、 同種間でも激しく争う気性の荒さ。 そんなユニークで貴重なこのP. ミクロレピスが、当館でご覧いただけます! さらにさらにさらに、ちょうど去年の7月に工夫を凝らして繁殖に成功し、 稚魚を得ることができました。   稚魚を保護する親       稚魚   竹内先生は、 生物の持つ左右性を行動科学や神経行動学的に研究をされており、 このP. ミクロレピスをモデルにその解明に努められています。 共同研究というとおこがましいのですが、 水族館でもその一助を担えればと思っています。 そして、このP. ミクロレピスのもつ素晴らしさやおもしろさ、 これまでに分かった知見を多くの方々に伝えていくのも、 当館が担える仕事の一つではないでしょうか。 今回は、特別企画展を通して、P. ミクロレピスを紹介させていただきました。 シクリッドの多様性すごいですね、本当に。 こんなおもしろい魚、いつ見られるの? 今だけでしょ! リレーブログ、次は 魚卵と魚糞をこよなく愛す、少し偏った感性をお持ちの須田さんです!     ツイート
アフリカンシクリッド大集合~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.1~
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アフリカンシクリッド大集合~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.1~

いよいよ夏休みが始まりました。 アクア・トトぎふの今年の夏の企画展は「アフリカ進化の湖」と題し、 アフリカ大地溝帯の三大湖、マラウィ湖・タンガニーカ湖・ビクトリア湖にすむ シクリッドの仲間を中心にご紹介いたします。   シクリッドとはシクリッド(カワスズメ)科に属する魚のことで、 アフリカ大陸やアメリカ大陸などに広く分布しています。 特にアフリカ三大湖のシクリッドは、 少数の祖先から爆発的に種分化を繰り返し、 一つの湖で数百種(!)ものシクリッドが生息しています。   また、生態や見た目もとてもユニークで、 知れば知るほど面白い魚たちです。     詳細や見どころは、この飼育日記でおいおいご紹介していきますね。 とにかく! 現在、アクア・トトぎふでは、常設展示も含めると、 なんと約65種ものアフリカンシクリッドを観察することが出来ます。 この機会にぜひ見に来てください!  さて、このシクリッド達にちょっとでも愛着を持っていただこうと、 こんなイベントも開催中です。 その名も「シクリッド帽子を作ろう!」。    毎日12:00から16:00まで開催しています。 帽子になったシクリッドはタンガニーカ湖にすむ6種。    右から順番に、 トロフェウス・モーリー キフォティラピア・フロントーサ ネオランプロローグス・ロンギオール ジュリドクロミス・レガニ ペリソーダス・ミクロレピス(右利き) ネオランプロローグス・ブリシャルディ なかなかのクオリティです。 本物と並んで比べてみてもいいかも!    夏休み最初の3日間、一番人気はこのキフォティラピア・フロントーサでした。 このイベントは普段裏で働いている展示飼育スタッフが対応しますので、 何か聞きたいことがあったら、気軽にお声掛けください。 こんな名札をつけた人が目印!    今年の夏、館内や水族館がある公園内に、シクリッド帽子をかぶった シクリッド人間がたくさんうまれるといいなぁ…。 あ、このシクリッド帽子、作成難易度は結構高めなので、 大人の方でも十分楽しめる出来栄えです。 持って帰ってお家でもどうぞ。 さてさて、タイトルはVol.1とある通り、この「アフリカ進化の湖」日記は、 久々のリレーブログ形式でやります! 次は魚担当のリーダー、岐阜・愛知のラーメンを食べつくす波多野氏が、 ペリソーダス・ミクロレピスについて語ります。 こうご期待。     ツイート
土用の丑の日を前に…。
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土用の丑の日を前に…。

      ニホンウナギ展の開催期間も残すところあと1週間。         少々、かたい解説が並んでいますが、  レプトセファルス幼生のキャラクター(通称:レプちゃん)と 素敵なデザインのおかげで、 居心地のよい空間になっております。 ぜひニホンウナギ展をご覧ください! そうそう。 6月18日から展示開始した生きたレプちゃん、 すなわちニホンウナギのレプトセファルス幼生もまだ元気に泳いでおります。 まだまだ、透明な美しい姿を見ることができますよ。 さて、以前のブログでも書きましたが、このレプトセファルス幼生は (株)いらご研究所様から分譲していただいた、養殖個体です。 ここでいう「養殖個体」と、皆さんが口にする いわゆる「養殖ウナギ」は全くもって違うことはご存じでしょうか? 「養殖ウナギ」はシラスウナギを川で捕まえて育てたものです。     厳密にいうと「天然ウナギ」なのです。 今回の特別展は、 ニホンウナギの興味深い生態について知ってもらうことももちろんですが、 一番の目的は、 ニホンウナギがおかれている現状について知っていただくことでした。 ニホンウナギは激減していることは間違いなく、 絶滅してしまうことも十分考えられるくらい危機的な状況なのです。 養殖のためにシラスウナギをどんどん捕まえていては、どうなるかは明白です。 (そもそも、昔とは比べ物にならないくらい獲れなくなっていますが…) じゃあ、その完全養殖したウナギを食べればいいんじゃない? いえいえ。 完全養殖に成功したとはいえ、 天然資源に負担をかけない本当の意味での「養殖ウナギ」を 私たちが食べられるようになるのは、まだもう少し先のようです。 (※養殖でもエサなど何かしら天然資源を利用はしますが、ここではおいといて。) 今回の特別展で標本等をお借りした、(独)水産総合研究センターや (株)いらご研究所の皆様の研究にとてもとても期待しています。 じゃあ、海外のウナギを輸入すればいいんじゃない? ちょっと待って。 ニホンウナギとは別種のヨーロッパウナギという種がいますが、 この種も絶滅危惧種に指定されています。 この原因の一つに、実は日本での消費があげられます。 ヨーロッパウナギのシラスウナギが養殖用に乱獲され、 色々な経路をたどって最終的にその多くが日本で消費されてきました。 結果として、ヨーロッパウナギも危機的な状況に陥ったのです。 また、つい最近インドネシアでウナギ養殖を盛りあげ、 その品質の高さを知ってもらおうと、 食べ放題イベントを開催するというニュースがありました。 これについて詳細はわかりませんが、大変いやな予感がします。 また、同じ過ちを繰り返すことになるのでしょうか? ニホンウナギとは別種の海外のウナギを、 さも救世主のように扱うことは、厳につつしむべきでしょう。 さいごに。 もうすぐ土用の丑の日がやってきます。 6月21日に日本大学教授の塚本勝巳先生を招いて、講演会を開催しました。 塚本先生はこうおっしゃられていました。 「ウナギは気軽に食べる魚ではなく、 貴重なウナギを一番おいしく料理できる専門店で、 特別な日にいただくハレの日の食べ物としましょう。」と。 最近、近所のスーパーやコンビニなどで、 予約受付中の紙がこれでもかと張り出されています。 確かに美味しそうです。 でも皆さん、買う前にちょっと考えてみてください。 今、ウナギを気軽に食べられる喜びより、私たちの次の世代、次の次、 いやもっと先の未来の人たちも、ウナギを捕まえ、観察し、 そして時には美味しく食べることができることの方が、喜びは大きくありませんか?           ツイート
柳の葉、いよいよ登場
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柳の葉、いよいよ登場

特別展「ニホンウナギ」にいよいよ彼らが登場しました。 車に揺られること3時間半、彼らは岐阜の地にやってきました。   こんな状態で。 本来なら2時間半くらいで着くはずなのに、おりしも高速道路は集中工事。 見事に渋滞に巻き込まれ、ヤキモキソワソワ、もうたまりません・・・。 到着するとすぐに準備していた水槽に移動させます。 このように青い照明で極力暗くしています。 さらにこの生物、透明すぎてさっぱり見えません。 暗い・超貴重・姿が見えないのトリプルパンチで、 ビンを持ち水合わせをする手は、ガガンボのように震えます。。 では、いよいよその生物を発表です。     ニホンウナギのレプトセファルス!!!   生きてます。本物です。感動です! あまり明るくできないので申し訳ないのですが、 よーく目をこらしてぜひご覧ください。 ニホンウナギのレプトセファルスは、 本来なら太平洋で海流にのっている状態です。 普通、見ることなんてできません。 今回展示している個体は (株)いらご研究所さまより分譲していただきました。 本当にありがとうございました! 展示期間はあまり長くないと思われます。ぜひお早めに。 あ、写真が得意な広報きたがわ氏が、 「ムリー!」って何度も椅子の上でのけぞりながら 小一時間チャレンジした写真がありますので、 最後に載せておきます。       美しいです。     ツイート
ニホンウナギ
  • 企画展・特別展示

ニホンウナギ

GWも無事終了。 今さらではありますが、 4月18日からは新しい企画展「ニホンウナギ」がはじまっています。      ウナギって誰でも知っている魚ですが、まだまだ分からないことばかりです。 この特別展の設営中にも、 ニホンウナギの成魚が産卵回遊時、昼と夜で遊泳深度を 規則的に変えていることが発見され、 ニュースで大きく取り上げられました。 → https://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr27/20150416/index.html   ウナギの親が産卵場所であるマリアナ海域までたどるルートは まだわかっていないんですね。 この発見は産卵回遊ルート解明を大きく前進させることと思われます。 一生を通じて数千キロも旅する魚ですから、 その生態を調べることはとてつもなく大変なことです。 また、海だけでなく川でのくらしについても、 まだわかっていないことが多いのです。 今回の特別展では、ふしぎな生態だけではなく 体の秘密、養殖など人との関わりなどについて、 狭いスペースですが、できる限り紹介しました。 (解説パネルが多くなってしまいましたが、省くわけにはいきません!)    貴重な標本なども多く展示しておりますので、ぜひ見に来てください! さて、ウナギといえば、やっぱり食べることが頭をよぎりますよね…。 私も大大大大好きなのですが、 数年前からウナギを食べることをやめてます。たぶん…(※) ニホンウナギは絶滅危惧種であり、その資源は本当に危険な状況です。 いつでもどこでも安価に食べることができるような利用の仕方は かなり問題があると思います。      ウナギは古くから愛されてきた魚で、これからの未来もそうあってほしいです。 ウナギとの付き合い方へのメッセージを込めた、今回の企画展。 ぜひごらんください。 ※某県に行った際、かなり酔っぱらった状況で、人に勧められた白焼きを一切れ食べた! と妻が言うのです。覚えてないのです(涙)   ツイート
チュラさん
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チュラさん

ご無沙汰ぶりのブログです。 アマゾン展ももう残りわずかの開催期間を残すのみ。 私は展示導入部分の魚以外の展示に関わっていましたが、 そういえば、一度も記事にしなかったので、今更ながら少しおつきあいを。 上に書いた魚以外の展示、先日の休館日に一部展示変更しました。 この一年、アマゾン展に足りなかったものは何か。 それはズバリ、「モフモフ感」。 今回展示した種は、この「感」を補って余りある、最高の生物です。       よく見ると、細か-い毛もモフモフ。 もうちょっと引いて撮影したものがこちら。     苦手な人はここまで! イケる人はスクロール。 ↓ ↓ ↓     そうです、チュラさんです。 世界最大のクモ、その名もゴライアスバードイーター! バードイータ―とありますが、鳥を主食にしているわけではないです。 当館では餌用コオロギを与えています。   普段はのそのそ動いていますが、 餌を見つけるやいなや、するどい牙でガッ!   私的「絶対に襲われたくない捕食者ランキング」、上位にランクインです。 (ちなみに堂々の1位はタガメ) こんなチュラさんですが、当館に来た当初は一回りちいさくて、 ちょっとケースのフタを開けるだけで、 お尻の刺激毛(たまらん痒い)をシビビビビと 私に向けて飛ばしてくる臆病者でしたが、 2回の脱皮を経て、最近はそういうことも少なくなりました。 私、クモはあまり得意ではなかったのですが、 最近ちょっとかわいいなと思うようになってます。 このアマゾン展唯一にして最強のモフモフを皆さんぜひご覧ください。 と、いう〆を考えて、ブログを書いていたら、 アマゾン展最強のモフモフはチュラさんではなかったということに今気づきました。 アマゾン展の案内人、     クニさん が一番でした。   ツイート
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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