おもしろ飼育コラム

<サンショウウオ日記 vol.12>サイエンスカフェ開催!
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<サンショウウオ日記 vol.12>サイエンスカフェ開催!

いやいや、暑い日が続きますね。 それにしても、今年はセミの声が少ない気がするのですが、 皆さんのところではいかがでしょうか? 毎年耳をつんざくほど聞こえるはずなんですが、今年はそれが全然ないんですよね。 うーむ・・・。   さて、話をサンショウウオに戻します。 さる7月31日に第1回サンショウウオdeサイエンスカフェが開催されました! 当館で行われるのは、約2年ぶりになります。 今回は講師として、京都大学大学院 人間・環境学研究科の西川完途先生をお迎えして、 「日本のサンショウウオの多様性」というテーマでお話していただきました。   開催前の会場をパチリ。 普通(?)の講演会と違って、「気軽に」参加してもらって、「気軽に」研究者に質問してもらって、知識を深めていただきたい! というのが、趣旨ですので、会場のムードを和やかにするのも我々の役目。 当館のスタッフが、手始めにサンショウウオクイズで場を盛り上げました。   やはり参加されている方は、少なからずもサンショウウオに興味をお持ちの方が多く、 準備していたクイズは「サンショウウオは両生類?」とか、そういった簡単な問題でしたので、 まず全員が正解するわけです。 こんな問題が何問か続いても、「そんなんわかるよー・・・。」みたいな雰囲気になりますよね。   そこが狙い目。ふっふっふ・・・。 最後の問題は、6枚のサンショウウオの写真の中で、同じ種を当てろという問題。 難易度急上昇。今まで静かだったフロアも少し騒然とし、参加者同士での会話が 一気に見られるようになりました。 なかなか憎い演出ですな・・・。   さて、その後はいよいよ西川先生の講演がスタートしました。 両生類の進化やサンショウウオについての概論から、 「生物多様性」や「種って?」というような内容を、サンショウウオを例にとてもわかりやすく教えていただきました。 本来、スタッフとして参加しているわけですから、周囲の状況に目を配り、先読みして動かなくてはいけない立場なのですが、すみません、もう講演に夢中でした・・・。最後に「サンショウウオのような目立たない、身近な生物こそ、大事にしていかなくてはいけない。」というメッセージは、非常に心に残りました。今回、サンショウウオ展を企画した意図はまさしくこのメッセージにあることです。展示を通じて、皆様にもこのメッセージが伝わるよう、まだまだ改善する点があるなと強く思いました。さて、講演の後は質問タイムです。 こんな機会はめったにありません。私も正直手を挙げたくて仕方がありませんでしたが、ここはぐっと我慢です。 質問は時間いっぱいまで続き、終了後も先生の前には質問の人が並んでいました。 どうやら、今回のサイエンスカフェ、大成功のようです。   西川先生、本当にどうもありがとうございました!     次回は8月21日です。 ご興味をもたれた方は、ぜひご参加ください。 https://aquatotto.com/event/schedule/detail.php?id=170   さてさて、片づけをしていると、なんとケーキが余っているじゃないですか・・。 でも、西川先生に会うなり、「太られましたね(笑)」と言われてしまったので、、、、、いただきます。

<サンショウウオ日記 vol.11>カスミサンショウウオ
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<サンショウウオ日記 vol.11>カスミサンショウウオ

さて、サンショウウオ紹介も6種目。 岐阜県に生息するサンショウウオ、最後の1種です。 それは、こちら。   カスミサンショウウオです。 今回はイラストのアップ!   カスミサンショウウオについては、いろいろな取り組みなど過去の記事でも紹介しております。 (何よりサンショウウオ日記の一発目はカスミ幼生の放流についてでした) 当館から一番近くの場所に生息地があるサンショウウオですし、 最初に繁殖に成功したサンショウウオでもあります。 いろんな意味で、このサンショウウオに教えられたことは多い気がします。   というわけで、今回の特別展では、カスミサンショウウオがいろんなところに出没しています。 たとえば、   生態解説ブースのフィギュアもそう。他にも・・・   この写真の中にも実は、隠れていたりするのです。   さて、良いか悪いか別にして、展示個体はよくなついているので、 水槽をのぞきこめば、必ず人の方を向いてくれます。被写体には最高です。 良い写真がとれたら、またご紹介します! 

<サンショウウオ日記 vol.10>コガタブチサンショウウオ
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<サンショウウオ日記 vol.10>コガタブチサンショウウオ

さあ、岐阜県に生息するサンショウウオ紹介もあと2種です。 次はコガタブチサンショウウオをご紹介。     コガタブチサンショウウオ(通称:コブチ)は、昨年より常設展示しました。 そのあたりは、昨年のブログに書きました。(下記リンクを参照) http://blog.goo.ne.jp/aquatotto_staff/e/e49d84b4b82c5cb82108f94cf5da2d55   なかなか出合えなかったので、そういった意味でも、非常に思い入れのあるサンショウウオであります。 さて、このコブチが産卵する場所は、伏流水のしみだす岩などの奥の奥の奥~の方ですので、 卵のうは、普通に見れるものではございません。 見つけるためには、根気と勇気と体力と愛が必要です。   ここだけの話、、、 実は当館のサンショウウオ展で見れるんですよ。   カスミサンショウウオと比べると卵の大きさが全然違いますね。 産卵する場所は地中深くですから、餌となる生物がほとんどいないんでしょう。 そのため、卵の栄養だけで変態できるそうです。すなわち、栄養たっぷりなわけですね。大きいはずだわ。   ちなみに、この卵のう、当館で産卵したものです(ちょっと自慢)。 産卵場所の環境をイメージし、ホームセンターにて資材をセレクトし、繁殖水槽をハンドメイドした結果! 4対の産卵が見られました。   しかし、すべて未授精卵という悲しい結果が、上記の標本展示につながっております。 標本ビンの中に入っている保存液には、私の涙もちょっぴり含まれているとか、いないとか・・・。 来年こそ!!!

<サンショウウオ日記 vol.9>夏のイベント準備
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<サンショウウオ日記 vol.9>夏のイベント準備

もうすぐ夏休みです。 学生のみなさんにとっては、もう今の時期がワクワクでたまらんでしょうね。 そんな感覚、おぢさんはとうに忘れてしまったのだよ・・・   と、感傷にひたる間もおしいくらいに、今はとても大変です。 なんたって、夏のイベントの準備があります。 (これは楽しく学んでいただけるに違いない、喜んでいただけるに違いない! と考えながらの準備なので、ワクワク感はかなりあります。)   GWの時もやりましたが、先日、イベントのデモンストレーションを実施しました。 場所は多目的ホール。   なんかずいぶん雰囲気が変わっておりますね。 ここは、なんとキッズルームに進化し、サンショウウオについて、 遊びながら学べるキットがたくさん用意されています。 それぞれのキットは、ちょっとづつ小出しに紹介します(ネタに困るからね)。   それでは、明日からイベントは始まりますので、ぜひ皆さん遊びに来てください。 サンショウウオが盛りだくさんでございます。 サンショウウオエプロンをつけたスタッフがお待ちしております。   一応言っておきますが、これは私では無いですよ。 

<サンショウウオ日記 vol.8>ハコネサンショウウオ
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<サンショウウオ日記 vol.8>ハコネサンショウウオ

さあ、どんどんまいりましょう お次はハコネサンショウウオ!   このハコネサンショウウオ、日本にすむ両生類で唯一、肺を持っていないんですね。 皮膚や粘膜を使って呼吸しています。 他のサンショウウオと比べても、なんだか雰囲気が違います。 ちなみに、展示しているのは幼生なのですが、これまた他種と比べてデカい!   ちなみに、ハコネサンショウウオは変態するのに、2~3年かかります。 他種はだいたいが、その年に変態します。 なかには、越冬幼生と呼ばれ、冬の間は幼生のままで、翌年に変態するものもいますが、 それでも倍以上の期間ですね。 どこまでも個性的。素敵です。   先日、高知県の動物園の方(サンショウウオ大好き仲間です)と一緒に所用で滋賀県に行ったのですが、 休憩のため立ち寄ったサービスエリアのテレビで、このハコネサンショウウオが取り上げられていました。 私も含めサンショウウオ大好き仲間が集まっているわけですから、テンションも急上昇! 「奇跡!」だの、「我々は何か持っている」だの異常に喜んでいたのもつかの間、 なんとその映像は、ハコネサンショウウオ漁を取り上げたものでした・・・。   ワナで捕まえられた大量のハコネサンショウウオたち・・、ああ、あんなにたくさん。 ああ、串にささって炭火で焼かれてしまって、、、、。   ハコネサンショウウオは川の最上流域、山の奥にすんでいますので、 昔の人々にとっては貴重な蛋白源だったんでしょうね。 食文化として残っているのですから、否定するつもりは毛頭ないですが、 その場にいた3人のテンションは急下降。   もそもそとカレーを食べて、早々にサービスエリアを後にしました。   また、ネガティブな終わり方になってしまった!!! 

マリモのような
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マリモのような

7月のマンスリー水槽のテーマは 「 水中HANABI 」、 水の中を彩る生きものたちを花火に見立てて展示しています。 その中でひと際歓声が上がる生きものが・・・、「あっマリモだ」と。     でもこの本種、実はマリモではないのです! では何なのかと申しますと、本州中部以南の湖沼や水田、河川などにみられるアオミソウ属の一種に属する緑藻なのです。 しかし、このように大きく丸くまーるくまん丸くなることは珍しく、やはりその姿はあたかもマリモ似。 それもそのはず、マリモを含む幾つかの藻類はマリモ・クレードと呼ばれる新規の生物群であることが近年の研究で分かり、アオミソウ属の藻類もこの生物群に含まれるているのです。 つまりマリモの近縁種(仲間)ってことです。 本種は、一宮市のご夫婦が大切に育てられてきたものをご厚意により展示をさせて頂いています。 私も本種を見た時にあまりのインパクトに驚きました。 ちなみに展示ではエアレーションにより水の中を踊っていますが、エアレーションの無い状態ではこのようになっています。     案外、沈んでいる姿もかわいいですね。 マンスリー水槽では他の展示を圧倒して、横の水槽なんかはかすんでいます。 みなさま、この珍しい藻に会いに来て下さいね。 今月中の期間限定の展示なのでお見逃しなく!

<サンショウウオ日記 vol.7>クロサンショウウオ
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<サンショウウオ日記 vol.7>クロサンショウウオ

次はこちらクロサンショウウオ。           クロサンショウウオといえば、当館が日本動物園水族館協会の繁殖賞を受賞した種です。 日本の水族館・動物園で初めて繁殖に成功したんですよ。   ※繁殖賞とは?→https://aquatotto.com/about/news/detail.php?id=146   そして、今年も繁殖期をむかえ、オスの体も水生型に変化し、いよいよだぞ! というのは、過去の飼育日記でお伝えしました。 ※これ→https://aquatotto.com/blog-diary/2010/03/post477.html   それでは、結果をご報告いたしましょう! 今年は・・・・・・・・、繁殖しませんでした・・・。 「お楽しみに」的な書き方しておいて、この有様。 ちっとも産卵がみられないまま、オスが水から上がりだしたのを見たときは、 もう、ショックすぎて、心労で痩せそうになりました。 まだまだ飼育環境で足りない要因があるんでしょうね。燃えてきました、来年こそ!   さて、このクロサンショウウオも、前に紹介したハクバサンショウウオ同様、 岐阜県ではかなり危機的な状況に陥っている生息地があります。 繁殖のために使われていた湿地に、水がたまらなくなっているのです。   そのためシートを埋めて、一部に水がたまるようにしているのですが、 もともとの湿地の面積に比べるとかなり小さいので、 クロサンショウウオの幼生を食べるアカハライモリが大集合したり、 イノシシが泥浴びして、ぐっちゃぐちゃになってしまったりと、悲惨な状況です。   詳しくは、サンショウウオ展で解説していますので、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思います。   でも、ほんとネガティブな現状報告ばかりで、ヘコみますね・・・。

<サンショウウオ日記 vol.6>ヒダサンショウウオその2
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<サンショウウオ日記 vol.6>ヒダサンショウウオその2

よく考えたら、バックヤードにちょうどヒダサンショウウオの幼生がいたので、 写真をとってきました。 上からの写真でわかりづらいかもしれませんが、こんな姿です。       右の個体は、変態完了しているので、エラは無くなっています。 同じ日、同じ場所で見つけた個体ですので、左の幼生ももうすぐ変態を迎えるものと思います。 ちなみに越冬幼生で、昨年誕生した個体です。 その年の秋には変態してしまうものもいれば、幼生のまま冬を越すものもいます。 ちなみに、この2匹でもよく見ると違いがありました。   まずこちらが変態がすんだ右の幼体の後肢の指です。       5本ありますね。 では、左の幼生はどうかというと・・・、       4本! よく見てみると、いろいろな発見があるものです。 皆さん、サンショウウオ展でも、要チェックやで!

<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 
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<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 

次にご紹介するサンショウウオはこちら。       ヒダサンショウウオです。 金粉をまぶしたような模様がとてもきれいです。 同じヒダサンショウウオでも、模様が全然違います。   2個体とも岐阜県産のヒダサンショウウオです。 うん、まことに美しい! <昨年の夏のイベントブログの、ネタと写真の使い回しだ!というツッコミはなしでお願いします>   さて、このヒダサンショウウオは、私が岐阜県に来て、初めて野外で見たサンショウウオです。 見つけた時は、いや、厳密にいうと同行者が見つけたのを、見せてもらった(泣)時は、 ちょっと言葉にできないくらい感動でした。 「ぉおー!、うーむ、むー、ほう♪」 奇声をつぶやきつつ、こねくり回されたヒダはさぞ迷惑だったことでしょう。 ごめんなさい。   さてこのヒダサンショウウオ。 岐阜県内には、比較的広範囲に生息しており、渓流でよく幼生が見つかるためか、 当館にかかってくるサンショウウオに関する電話問い合わせで、実は質問が一番多い種です。 山に遊びに行く機会が増えるこれからの季節、今年も問い合わせが増えてくることでしょう。

<サンショウウオ日記 vol.4>ハクバその3 
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<サンショウウオ日記 vol.4>ハクバその3 

その3です。   道路沿いのゴミを除去すると同時に、道路のたまり水を、繁殖池と間違えてメスを待っているオスや、 すでに産みつけられてしまった卵のうを救出したら、次の作業です。 次は繁殖池の造成です。これが、なかなかキツイ!   毎年同じ場所に池を掘っても、たった一年で落ち葉や植物で半分以上が埋まってしまいます。 もちろんその上にはこの写真のように雪がつもっていることも。 (この写真は当時のものではありませんが、同じ場所です)   でも、繁殖に集まった成体と卵のうが観察できると、体の疲れが癒えるとは言いませんが、 一瞬喜びで疲れを忘れてしまいました。 また、この作業から数カ月後、同じ場所でたくさんの幼生が確認できた時は、ほんとにホッとしました。   そしてこの年から、アクア・トトぎふでは、ハクバサンショウウオの飼育に取り組み始めました。 残念ながら、いまだ飼育下繁殖には成功していませんが、少しづつ進展しています。   もともとゴミと一緒に捨てられてしまっていたのは、何が問題だったかというと、 「みんなそんなところにハクバサンショウウオがいるなんて知らなかった」ということです。 そもそもサンショウウオ自体が知られていないわけですから、当然です。 飼育下繁殖技術などの確立も大事ですが、実物をみて、その生物のことを知ってもらうことも、 水族館の大切な使命です。   という熱い思いを込めての、ハクバサンショウウオの初展示なのです! 

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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