おもしろ飼育コラム

雨上がりの木曽川
  • 研究・調査

雨上がりの木曽川

みなさんこんにちは。  GWには沢山のみなさまにお越し頂き、本当にありがとうございました。  GWも終わり、水族館でも通常業務に戻り、一段落といったところです。    その業務の中には、定期的に木曽川を調査するというものもあります。    今の時期は気候も良く、鼻歌混じりに調査にでかけます。 ええ、でも実際には河川敷がジャングルのようになっており、 これからの季節、暑さと相まってなかなかのものです、はい。    こちらが木曽川の河川敷といいますか、川岸。     水族館より下流の河川敷では、河畔林とよばれる木々に覆われ、既にうっそうとしています。 木曽川では、この河川敷に氾濫原(ハンランゲン)と呼ばれる、 増水時に水に浸かる部分があります。 この氾濫原、実は、魚たちの産卵にはとても重要な場所で、 水に浸かった草木に卵を産みつけ、稚魚はそこで育ちます。   つまりこの時期に降る雨はとても重要なのです。 こちら雨の後の木曽川河川敷。 そして雨上がり。   そしてそしてもっと雨が降った翌日には・・・。     こんなに水に浸かる部分があるんですね。 もう水の中、どうなちゃっているのでしょう。   そして先日の調査の日。 天気も良く、いつものように木曽川に赴くと・・・。 何かニオウな。 何か分からず歩みを進めると。       大量の魚が息絶えておりました。 おそらく雨が降り、氾濫原となった場所に産卵のためにやってきたのでしょう。 しかし、その後、急激に水が引き、取り残されたのだと思います。   正しく同定した訳ではありませんが、ゲンゴロウブナ(飼育型がヘラブナ)かなと思います。 ゲンゴロウブナは、琵琶湖・淀川水系がもともとの生息地で、 人為的に各地に放流されています。   何れにせよ、氾濫原は魚にとって重要な場所でもあるのですが、 同時に非常に厳しい環境でもあることが分かります。   今日の雨上がりの木曽川ではどのような光景が待っているのでしょうか。    ツイート

またまた骨展紹介
  • 企画展・特別展示

またまた骨展紹介

こんにちは。   またまた骨展のご紹介です。もうご覧になりましたか?   いや、骨の展示っていいですよね~。 餌がいらない。掃除もいらない。脱走したりけんかしたり死んだりしない。 なんて手がかからないんだろう!!   特別展の担当になると、生き物の維持に非常に気を使うんですよ。 普段飼育してない生物を入れることも多いので、 状態が安定するまで気が抜けないんです。 朝出社して「・・・死んでないよね?」と様子を見に行く毎日。   でも骨ならそんな心配ナッシング。いいぞ骨。ブラボー骨。     さてさて、今回ご紹介するのはこちら。 ちょっと奥まったスペースになっているので、気づかない方も多いんですが、 「骨ってなに?」コーナー。 骨の成分や役割など、骨について学べるスペースです。   ここで写真右下にご注目。   骨の現物が壁に取り付けてあります。 これ本物です。触っていいです。触り放題です。 何の骨かというと、シカの大腿骨(太ももの骨)です。     なんで水族館でシカ?と思われるかも知れませんが。   この展示を企画するとき、せっかくの骨の展示だし、 何か触れるものを用意したいなあ、と思ったのです。 でも魚やヘビの骨は大変繊細で、 タッチング用に提供するとあっという間に壊れてしまうのが目に見えている。   ので、水族館にはいないんですが、 丈夫で手に入りやすいニホンジカの骨をここに使っているのです。  ニホンジカも、岐阜にすむ仲間の一員ですしね!   で、このシカ骨、展示位置の関係上人の骨を置いているように見えるので、 もしかしたら気持ち悪がられるかなあ、と思ったのですが、 「あれ、これ人の骨??」 と言いながら触りに行くお客様が多く、意外と人骨への抵抗ってないんだ? とびっくり。     人骨ではありませんが、シカの骨も、なかなか触る機会ってありませんから、 おいでの際はぜひ、これに触ってみてくださいね。   ツイート

春を感じて
  • アクア・トトの生き物

春を感じて

 皆さんこんにちは。   GWに入り、水族館も多くのお客さまで賑わっています。 今年の4月は例年より寒く、穏やかな春、という感じではなかったですね。 でも水族館の魚たちは、確実に春を感じているようです。 以前のブログでもご紹介した「追星(オイボシ)」について またお話したいと思います。 コイ科などのオスでは、繁殖期を迎えると 吻先に皮膚の一部が角質化して硬くなった 追星と呼ばれるものが現れます。 これを見て私たちは、「おっ、春を迎えて繁殖期」になったなぁと実感するのです。 ヌマムツではこのような感じに     拡大してみると       カワヒガイでは       イチモンジタナゴでは       シロヒレタビラでは       ヤリタナゴでは     ヤリタナゴを正面から見ると       そして個人的に好きなアブラボテでは     このアブラボテを正面から見ると       ムニッ。 どうですか!この正面からの感じが最高です。 この「ムニッ」を見ると春を感じますね。 可愛らしい姿、皆さんも見つけてみて下さい。     ツイート

オタマジャクシいっぱい
  • アクア・トトの生き物

オタマジャクシいっぱい

こんにちは。いよいよゴールデンウィークですね。 いつもこの時期は、カエルの繁殖とゴールデンウィークイベントの準備が重なって、 バタバタバタっとなってしまいます。 バタバタバタっとしながらも、ちゃっかりオタマジャクシ水槽を設置しました。 今年は、ナガレヒキガエルとカジカガエルとニホンアカガエルの3種類を展示しています。 全部バックヤードで繁殖したものです。 「オタマジャクシなんか、どれも同じじゃないか!」 と思われた方…。ちがうんですよ~。 ナガレヒキガエルのオタマジャクシは、渓流に卵が産みつけられるため、 流されないように、口が吸盤症だし、 カジカガエルのオタマジャクシは、水の抵抗を減らすため、流線形というか頭部が平べったくなっています。 写真では分かりにくいですが、体にはシマ模様が入りますし。   あ、こちらカジカガエルの卵です。プリップリでした。 水族館に入って、すぐのところに展示していますので、カピバラを眺めつつ、 オタマジャクシも見てやってください。   ところで、ゴールデンウィーク期間中は、飼育係がお気に入りの生き物やアイテムを紹介する 「トトワゴン」というイベントを開催しています。 先日、よく来てくださるお客様から「堀江さんは今年もカエルでしょ~?」って言われましたが、 No!!! 今年はなんとカワウソです。サツキ(享年7才)と一緒にみなさまをお出迎え致します。 スケジュールはコチラをご覧ください。 では、みなさま、よいゴールデンウィークを♪         ツイート

★GWイベント★ ふれあい水族館 『ポイントガイド』
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★GWイベント★ ふれあい水族館 『ポイントガイド』

みなさんこんにちは。 明日からゴールデンウィーク突入ですね!    アクア・トト ぎふは、明日からの準備で大忙しです。 こちらはポイントガイドのGW用看板。   毎日開催しているポイントガイドですが、GW期間中はパワーアップ! いつも見れないエサやりシーンや、ハンズオンも交えて行います。   それから、先日ご紹介したトトワゴンの練習風景。   なんだかおもしろそうですねえ~! こちらは、各日登場するスタッフとテーマが変わりますので、 お目当てのスタッフやテーマがある方は、タイムテーブルをご覧の上お越しください♪          ■ トトワゴン タイムテーブルはこちらをクリック! ■   アクア・トト ぎふのGWイベントは他にも、 人気のバックヤードツアーを回数を増やして開催したり、 アルダブラゾウガメのエサやり体験がスタートしたりと、ふれあいイベント盛りだくさん! 楽しいGWが過ごせるよう、スタッフ一同はりきって準備してお待ちしております!   それでは、また!       ツイート

こどもは天才!
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こどもは天才!

みなさんこんにちは。    最近、よく館内でこんな風景を見かけます。   はい、こちらただ今開催中の「第9回 春の写生大会」の為に 作品を描いてくださっているんですね。    お母さんにお話を伺ったところ、 年間パスポートを購入して、作品を描くために何度か水族館に来てくださってるそうです。 この写生大会なんですが、 優秀作品に選ばれると なんと、アクア・トト ぎふの館内に掲示されるんです! し・か・も! 今年はなんと、岐阜県図書館にも掲示されることが決まりました!    こちらは昨年の入選作品。        ほーんと!みなさん上手に、アクア・トト ぎふの生き物たちを描いてくださっています。 画力のまるでない私にはもちろん、大人ではマネできない 元気いっぱいでいきいきとした作品が集まりました。 今年も、たくさんのご応募を楽しみにしています。   締切は5月12日と、まだまだありますので、 ぜひ皆さまのお子さんも、ご参加してみてください!   それでは、また!     ツイート

★GWイベント★ 教えて!飼育員さん『トトワゴン』
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★GWイベント★ 教えて!飼育員さん『トトワゴン』

みなさん、こんにちは。 まだ、寒さが残る4月ですが来週末にはもうゴールデンウィーク!   お出かけの予定は決まりましたか?    もちろん!アクア・トト ぎふは、今年もイベントをたくさんご用意しております! そこで、今日はGWの一押しイベント「トトワゴン」について、ご紹介したいと思います。              飼育スタッフが気に入った生き物やアイテムを間近で紹介する「トトワゴン」。 誰が、どんなものを紹介するんでしょう??      【魚類チーム】  大島 (おおしま) すげ~魚卵~ンニング 「聞き流すだけでいいんです。」 魚の卵についてあれこれ。   波多野 (はたの) 緊急指令!スジエビを探せ いろんな種類がいる川エビの中から、スジエビを見つけよう!   国崎 (くにさき) キャットフィッシュのリーフな世界 まるで落葉みたいなナマズの仲間たちの世界へようこそ。    真田 (さなだ) のぞいてみよう!川の底 ~川虫と封入標本~ 川底にすんでいる生き物たちから、いろんなことが分かるんです。   【動物チーム】 堀江(俊) (ほりえ(しゅん)) 蛇の道はヘビ  ヘビって嫌われることが多いですが、実はとっても興味深い生き物ですよ。   田上 (たがみ) カメトーーク! ~トトワゴン編~ ぼくたちは…カメ大好き(学)芸員です!   堀江(真) (ほりえ(ちか)) カワウソってこんなふう 今回はカワウソに一肌脱いでもらいました。4頭の見分け方も紹介します。   尾崎 (おざき) アカハライモリにタッチング! ~ついでにイモリとヤモリの違いも覚えよう!~ イモリとヤモリ。どっちが両生類でどっちが爬虫類だっけ?確認してみよう!   立川 (たちかわ) 骨から学ぼう、生き物の神秘 骨をよく見てみよう。生き物の不思議や進化など、そのまま教えてくれるよ。   岩本 麻未 (いわもと まみ) 鳥とめのない話 水鳥の羽を使った鳥とめのない実験を行います。過度の期待は禁物です。    お子様でも分かりやすいよう、スタッフが工夫を凝らしてお待ちしております! また、時間や日にちによって、登場するスタッフが変わりますので、 このスタッフの、これが見たい! という方は、下のスケジュールをご確認ください♪           ■ トトワゴン タイムテーブルはこちらをクリック! ■    それでは、また!      ツイート

貝の中に
  • アクア・トトの生き物
  • バックヤード

貝の中に

みなさんこんにちは。 春の訪れとともに、生きものたちの活動も活発になっていますね。 サンショウウオやカナヘビ、カエルの産卵のお話が続いていますが、 もちろん魚たちも産卵シーズンを迎えています。   春に産卵する魚の中で、今回は「カワヒガイ」をご紹介したいと思います。 このカワヒガイ、春になるとオスは婚姻色が出て色づく様子から 岐阜の方では「サクラバエ」などと呼ばれています。   繁殖期を迎えた雄の吻先を見て下さい。 白い模様のようなものが。 これは追星と呼ばれる、コイ科のオスに見られる二次性徴です。     一方で雌はというと。    シリビレの辺りから、白い糸のようなものが。 これは産卵管と呼ばれるものです。 そう、ヒガイの仲間は、ヌマガイやタガイ、イシガイなどの淡水にすむ二枚貝の中に 卵を産みつけるのです。    そこで水族館では、二枚貝の殻を用いてカワヒガイの繁殖を行っています。 殻を輪ゴムでとめて、すき間を作るためにシリコンチューブを挟みます。 出来たものがこちら。         どうせならと貝の入水管や出水管風にチューブを付けてみました。 アサリみたい・・・。 イシガイやヌマガイなどこんな風に管を伸ばすことはないです。   で、結果はといいますと。  貝を開けると、真珠のような丸い卵が。   この卵、同じ貝に卵を産むタナゴの受精卵などと比べると、かなり大きいのです。 正確に言いますと、大きくなるのです。   ヒガイは貝の入水管に産卵管を差し込み、卵を産みつけます。 タナゴでは貝の出水管に産卵管を差し込んで、卵を産みつけるため、 貝の鰓の中に卵は差し込まれるのですが、ヒガイの卵は鰓の外に落ちてしまいます。 そのため、産みつけられた卵は吸水をして大きくなり、 貝が開いても落とされないように変化するのです。       左がシロヒレタビラの受精卵、右が吸水して大きくなったヒガイの受精卵。 もう一枚。     どうですか、かなり大きいことが分かりますね。 イクラ位の大きさですかね。 ヒガイの受精卵は、1~2週間ほどで孵化をして泳ぎ出します。 タナゴの場合は、孵化後に分化が進み、体が出来てきますが、 ヒガイの場合は体が出来あがったあとで孵化します。       ヒガイも二枚貝がないと子孫を残すことが出来ません。 水族館では貝殻を使っていますが、自然の中ではそうはいきません。 現状では、淡水性二枚貝は減少の一途をたどっています。 春のヒガイたちを見たら、そんなことも思い出して頂ければと思います。      ツイート

新人広報なつめ 「ホネ展」取材日記 Vol.2
  • 企画展・特別展示

新人広報なつめ 「ホネ展」取材日記 Vol.2

みなさんこんにちは。 春休み、アクア・トト ぎふにはたくさんのお子様が遊びに来てくださいました。   館内を巡回していると、ホネ展の一角に、子どもが群がるコーナーが…! 早速、取材をしてきました!   4月某日   ここが、子どもたちが群がっていたコーナーですね。 むむ?青い壁の裏側に、なにかあるようです! あれはなんでしょう??   ある男の子が遊んでいました。 上の骨の写真と、下の生き物の写真をみて、正しい組み合わせで押すと…     「ピンポーン!!」 ベルが鳴って、正解のランプがつきます!   そう、こちらは「骨クイズ」のコーナー。 生き物の姿と骨の姿の組み合わせを考えるクイズなんです。 もちろん、こちらのクイズもスタッフお手製!   ホネ展には、楽しみながら学べちゃう、そんなコーナーもあるんですね~。   こちらのコーナー、土日祝はお子様で賑わっていますので、 皆さん順番で楽しんでくださいね。   それでは、また!        ツイート

サンショウウオ日記~2013、春~
  • 企画展・特別展示

サンショウウオ日記~2013、春~

突然ですが、昨年、以下のブログ記事にて紹介した ブチサンショウウオとヒダサンショウウオの件。   実はうまくいきませんでした。 ブチの卵は未受精、ヒダにいたっては産卵すらせず…です。 某芸人さんの口真似で調子にのって、 ちゃーっと走り書きしたような記事に対する罰に違いありません。   でも、約一年間の後悔と反省の結果、今年はちょっと成果がでました。   ブチは今年も産卵し、受精しております。今のところ1個の胚しか成長していません。 相変わらずの受精率の低さに頭を痛めておりますが、 今私がやるべきことは、 この1つの新しい命の健やかな成長のために、持てる力をフルに発揮することです。 具体的に何をしているかというと、 「ちゃんと育ちますよ~に」と祈ってます。全力で。   2対産卵が見られ、後から産んだほうはまだ受精しているか分かりません。 そちらにも期待しています。   ヒダの方は昨年同様、卵を持っているのは見えるのですが、ここから先に進みません…。 流水性小型サンショウウオの飼育下繁殖例はあまりないのですが、 ヒダだけは京都市動物園と日本サンショウウオセンターの2つの施設で繁殖例があります。 そんなこともあり、割と簡単に考えていましたが、何か足りないようです。色々試行錯誤中。   コガタブチサンショウウオはそろそろ産む頃。 現在、飼育場所の一部を暗幕で覆っています。 (この暗幕は「夜行性動物展」で使用したものを再利用してます。 しかも大量にあったので、今年は贅沢なことですが二重にしています。 こういうささやかな配慮ができるかどうかが、成否のカギとなるのです。 切るのが面倒だったという説もあります。)   この中には小さい繁殖槽があり、横の飼育槽(トロブネ)とパイプでつなげてあります。 簡単な図にするとこんなの。   繁殖槽には水をちょびちょび注水することにより、 連結パイプから飼育槽に水がしみだしてきます。 コガタブチの繁殖場所である地下伏流水をこれで再現しています。   こうしないと産まないわけではないですが、 安定的に繁殖に成功しているので効果はあると思います。 今、繁殖行動を記録するべくビデオ撮影に取り組んでいるので(昨年は失敗)、 うまく撮れればご紹介したいと思います。   というわけで、 今年もなんともたとえようのない緊張感とソワソワした気分で春を過ごしています。  お後がよろしいようで。    ツイート

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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