おもしろ飼育コラム

トビハゼのおやつ
  • 日本の淡水魚

トビハゼのおやつ

こんにちは。クリスマスが終わり、もう2017年も今日が最後です。 寒さの真っただ中ではありますが、 「冬じゃないよ、冬じゃないよ。気のせい気のせい。」と語りかけながら 世話をしている生き物がいます。 それは、本来なら冬眠しているはずのトビハゼです。 土に潜って冬眠してしまうと、 砂と水だけの「空っぽな水槽」になってしまいますからね。 展示水槽内を温かくし、冬じゃないよと語りかけて冬眠しないようにしています。 でも食欲はいまひとつ。冬眠していないので食べないとやせてしまうのに、 夏場のようにモリモリ食べようとしません。   そこで、週に2回ほどですが活きた「コオロギ」を与えるようにしています。 ふだんは冷凍のアカムシや、配合餌料、魚肉などをあたえていて、 一応は食べるものの、グズグズ食べ。 そんなときにコオロギを与えると、 勢いよく近づいてきてコオロギにとびかかります。 コオロギが植物や岩の上に上がっていくと、 トビハゼが見事にジャンプをして食べることもありますが、 残念ながら撮影時はご覧のように地味な食べ方でした。   野生のトビハゼは、ゴカイや虫など小さくて動くものなら、 貪欲に何でも食べるようです。 夏の夜、干潟近くの岸壁には、小さいコオロギが無数にはりついているので、 きっとコオロギも食べていることでしょう。   トビハゼのいる「河口の生き物」水槽には、 もう1種類アベハゼというハゼも展示しています。 石のすき間などに隠れているため、気付かずスルーしてしまうかもしれませんが、 とてもきれいな色と模様をしています。 こちらのアベハゼも、ピンチの時などには陸の上をぴょこぴょこと 移動する水陸両用タイプのハゼです。 (まだ移動するところを見たことはありません) それではみなさま、今年1年ハゼともどもお世話になりまして、 ありがとうございました。よいお年をお迎えください。       Tweet

Kiva!ゴライアスタイガーフィッシュ展示開始
  • 新しい展示

Kiva!ゴライアスタイガーフィッシュ展示開始

皆様お待たせしました。 アクア・トトぎふの2Fコンゴ川中流水槽に、 いよいよ、とうとう、ようやく、 ゴライアスタイガーフィッシュ(Hydrocynus goliath)を展示しました!Kiva(牙)! わずか10㎝程度から育てあげること6年半。 約80㎝まで育て上げることができました。 大きく育てることができてよかったねぇ、、、と喜びつつも、 皆、(これ、どうやって移動させるよ…)と一抹の不安を感じていました。   いかつい牙で輸送バッグや捕獲担当者がボロボロに、という想像も恐ろしいですが、 何より怖いのはタイガーフィッシュの仲間の遊泳力。 例えば、すでに展示水槽にいるタイガーフィッシュ(H. vittatus)は、 水面を飛行しているツバメを水中から勢いよく泳ぎジャンプして 捕まえることが知られています。 水面で浮かんでいる鳥を襲う淡水魚はいくつかいますが、 飛行中の鳥を襲うことが報告されている淡水魚は タイガーフィッシュだけです。どんだけ瞬発力あんねんと。   しかも、見た目とは違い臆病な魚なので 捕獲に際しパニックになって暴れたら、と想像するだけで気後れしてしまいます。。。 さらに、同種同士で激しく闘争するので、 近縁なゴライアスタイガーフィッシュとも、もしかしたら…と 嫌な想像ばかり頭に浮かびます。   しかし、このままずっと予備槽で飼育するわけにもいきませんし、 何よりどんどん大きくなって、移動できないとなってしまっては 元も子もありません。移動日は12月11日、休館日の朝と決まりました。   入念に準備とシミュレーションを繰り返し、 傷つけぬよう脅かさぬよう、そっと近づいていき、輸送袋に入れたかと思った瞬間、 ビョーーーーン!   いきなり、飛び出し防止の樹脂ネットに突進! さらに突き破って隣の区画に入っていきました。 そこにはあまりの気性の荒さから単独飼育している1.5m以上の巨大ナマズ、 ジャウーがいます。 ゴライアスタイガーよりパニックな我々。 すぐにジャウー側へ向かい、救出しようとすると、またもや ビョーーーン!   もとの区画に戻っていきました。なんというやつ…。 その後、なんとか展示水槽に収容し、 タイガーフィッシュともお互いかなり気にはしつつも争うことなく、 展示がスタートしました。 当初はネットに突進したせいで、頭部に男塾の伊達臣人みたいな傷が入り、 いかつい面構えが5割増しになっていましたが、 今はかなり目立たなくなっています。 トゥーシャイシャイボーイ(もしかしたらガール)なので、 いまだ水槽の奥のほうでウロチョロしていますが、迫力満点な素敵な魚です。 もともといたタイガーフィッシュともども、観察に来ていただければうれしいです。 あ、水槽は叩かないでくださいね。もう、ビョーーーンは嫌です。       Tweet

つぼみショーデビュー日決定!(つぼみ成長期6)
  • アシカショー

つぼみショーデビュー日決定!(つぼみ成長期6)

みなさん、こんにちは! タイトルにもあるように・・・ ついに・・・ デビュー日がきまりました!! 前回のブログでは、立ち稽古を本番同様に行っているところまで お知らせしました。 その後ですが、着々と準備を進め、 12月5日に水族館スタッフへのお披露目会を行いました。 (アシカショーでおなじみの散歩、つぼみもします!!!) 多少の改善点はありましたが、 ついにデビューできることになったんです!!! そして、 12月23日(祝)にデビュー決定です! クリスマスイブの前の日ですね。 でも実は、その前の12月14・15日に、プレデビューとして お客様がいらっしゃる状態でパフォーマンスをさせていただきました。 今まで、スタッフの前でしかショーをしたことがなかったので、 いきなり大勢のお客様が見ている休日のショーに出るには 不安があったためです。 初!!お客様の前でのショーということで、スタッフもドキドキでした。 「つぼみ・・・うまくショーできるかな・・・」 緊張したままステージに出て、ショーが始まったわけですが・・・ 14日は、 落ち着かず、勝手にどこかに行ったりと、 バタバタとしたショーになってしまいました。 ・・・まあでも、なんだかんだ最後までできたので良しとしましょう!!!! 15日は・・・ 多少落ち着かない感じはありましたが、 一通りショーをスムーズに行うことができました!!!!!!!!! なんとか、23日のショーデビューに間に合いそうで、ホッとしています。 まだ少し時間はあるので 引き続き「つぼみの立ち稽古」を行っていきます。 そして、12月23日に皆様の前で堂々とショーができるよう あと少し頑張ります!!!! (デビューしてからも頑張りますが・・・笑) 是非とも、つぼみの晴れ舞台見に来てくださいね!!!!!   Tweet

ここに注目
  • 日本の淡水魚

ここに注目

トウカイコガタスジシマドジョウ。 一度聞いただけではなかなか覚えていただけないかもしれませんが、 おもしろい特徴がある魚です。 体の模様が変化することが一つの特徴で、 普段は上の写真のように点列の模様が並んでいます。 繁殖期になると、オスの個体の模様は縦帯になります。 一番上の写真はメスの個体ですが、基本的にメスは点列のままです。 繁殖期であれば、模様の違いでオスとメスを見分けることができます。 このほかにもオスとメスの違いとして、胸ビレに注目。 メスの胸ビレに比べるとオスの胸ビレ大きく、先がとがっています。 そして、付け根のところに丸いものが見えるでしょうか? オスの胸ビレの付け根には、骨質盤と呼ばれるものがあります。 小さいですが、しっかりと肉眼でも確認できるものです。 一方で、上の写真のメスの胸ビレをみても骨質盤はなく、 少し丸みのある形になっています。 ちなみに、今年繁殖したトウカイコガタスジシマドジョウの 稚魚の胸ビレはどうでしょうか? 現在で体長3cmほどに成長しました。 写真の個体がオスかメスかわかりませんが、 ヒレの形からするとオスのような気もします。 肝心の胸ビレはまだまだ小さく、骨質盤を肉眼でみるには難しいようです。 そして、ヒレに注目していると、 ある個体ではヒレの発育が通常ではないものが見受けられました。 本来であれば砂があるような環境に生息していますが、 砂もなにもない水槽と、わずかに砂が入れてある水槽とでは、 ヒレの発達状況が異なりました。 砂がないと水槽の底でヒレが擦れてしまっているのではないかと考えています。 遊泳魚であれば特に砂はなくても大丈夫ですが、 ドジョウのような底物にはちゃんと砂が必要なのでしょう。 話はそれましたが、 岐阜県にいるドジョウの仲間でいえば、 ドジョウ、ニシシマドジョウ、トウカイコガタスジシマドジョウの それぞれで骨質盤の形が違います。 ぜひ注目してみてください。   Tweet

高揚感
  • 日本の淡水魚

高揚感

こんにちは。 皆さんはどんな魚がお好きでしょうか? 色々あるかと思いますが、私はこのシマドジョウ類が好きです。 この魚を採集するときは、川の中流からやや上流あたりに 行くわけですが、捕まえるには少しコツがあります。 シマドジョウ類は、このような 少し流れが緩やかで、砂が堆積してるような場所にいます。 砂のなかに潜ったりしているので、 この砂ごとすくいあげるようなイメージでガサガサするとうまく採れます。 網の中をのぞいてみると、砂の中から力強く現れるこの瞬間がたまりません。 そして、水もきれいで冷たいので清々しい気持ちになります。 魚の体も、その水にふさわしいきれいな体をしているように思います。 先日、これらのシマドジョウ類よりも上流に生息する アジメドジョウを採りにいく機会がありました。 アジメドジョウは岐阜県では比較的多く見かける魚で、 郷土料理にも使われたりするほど味が良い魚としても知られています。 このアジメドジョウは、太平洋側の個体と日本海側の個体で 体の大きさや模様に違いがあるようです。 太平洋側の個体は岐阜県で何度も採ったことがあり、 水族館でも展示しているので見慣れていますが、 今回初めて日本海側の個体を採ったときには正直驚きました。 実際に生でみると全然違いました。 日本海側のものは大きくて、太い。 模様もより細やかな印象をうけました。 上が太平洋側の個体、下が日本海側の個体です。 もちろん、同じ生息地においても個体ごとにわずかな差はあったりしますが、 ここまでの差はないように思います。 同じ種であっても地域によって体の模様や大きさ、 婚姻色など色々な違いがあることは、多くの種において知られています。 例えば、タナゴの仲間であるアブラボテ。 上の写真が九州でみたアブラボテ、 下の写真が東海地方でみたアブラボテです。 これもまた色々な違いがあるのがお分かりいただけるでしょうか。 その場所でしかみることができないもの、 それはまさにその土地の宝物であるように感じます。 その場所で見てこそ本当の価値があるのでしょう。 これからも色々な魚との出会いを通じて、 その素晴らしさを感じることができる感覚をもっと養っていきたいものです。   Tweet

パスファインダー
  • 企画展・特別展示

パスファインダー

現在開催している企画展「世界のナマズ大紀行」ですが、 以前にブログで紹介したアストロブレプス、覚えていただいているでしょうか? 元気かどうか心配で冷や冷やの毎日ですが、 ある朝様子を確認したところ、こんな状態になっていました。 なんと、産卵していました。 残念ながらオスがいなかったので、この卵は未受精卵になります。 非常に悔やまれます。 以前のブログでもお伝えしましたが、 この魚に関する情報はほとんど見当たりません。 アクア・トト ぎふにおいても今回が初めての飼育、 初めての産卵の記録であったわけですが、 産卵についていえば国内外探しても、恐らくないのではないでしょうか。 どのような水温で維持すれば良いのか、 どのようなエサをあげれば良いのか、ずっと手探りな状態で、 どうにかこうにか道を切り開いていくような感じでしたが、 産卵してくれたということは飼育方法として間違っていなかったようです。 卵の大きさは約3ミリ、卵数は59個でした。 体長が約5cmであり、その小さな体からこれだけの卵数を この大きさのまま産卵するとは考えにくいので、 最初はもっと小さい状態で産卵された卵が、水を吸って大きくなるのでしょうか。 また、卵の粘着性についていえば、アクリル面に付着したり、 卵の表面に砂利が付着したりしている状況でした。 本来の生息地では、川の上流の流れのある場所に生息しているようなので、 卵が流されないように石にくっつけるようにして産卵するのでしょうか。 このように色々想像を掻き立てられます。 親の様子を観察していても たまたま卵の近くにいるものの、保護している様子ではありませんでした。 未知な魚とともに過ごしたその日々は初物尽くしでしたが、 最高の贈り物をもらったように思えます。 Tweet

企画展「世界のナマズ大紀行」 ラストスパート
  • 企画展・特別展示

企画展「世界のナマズ大紀行」 ラストスパート

早いもので、企画展「世界のナマズ大紀行」も 少しずつ終りの時期が近づいてきました。 7月から始まったこの企画展も、最初の頃とは展示種が入れ替わっています。 ナマズ類はとにかく種数が多いので、 少しでも多くの種を皆様に見ていただきたく 展示種の入れ替えをしてきました。 最初のほうに企画展をご覧になられた方は、 もう一度ご覧いただければ幸いであります。 長い期間展示していると、当然水槽も少しずつ汚れてきます。 例えば、今回の企画展で一番大きな水槽である ブルーカンディルの水槽は、 ここまで大きな水槽だと掃除をするのも少し時間がかかります。 他の水槽では上から手を伸ばせば掃除できますが、 この水槽ではそうはいかないので、こんな感じで掃除しています。 カンディルというと獰猛な肉食魚のイメージがあり、 中に入ったら襲われたりするのでは?と心配していました。 しかし、掃除しているとコツコツぶつかってはきますが、 襲いにきている感じではないようです。 カンディルにも色々種類がいますので、 もっと獰猛なカンディルだと状況も変わってくるかもしれませんが。 ブルーカンディルは、とにかく忙しなく泳ぎまわるので、 印象に残っている方も多いかと思います。 印象に残ると言えば、 “ハトを丸のみする”といわれているヨーロッパオオナマズ。 こちらの個体は2009年に秋篠宮殿下より下賜された個体で、 満を持してこの企画展で登場しました。 まだまだ成長の途中なので迫力ある大きさはお伝えできませんが、 ナショナルジオグラフィック様のご協力により、 衝撃的な映像とともに展示しておりますので、こちらも見逃せません。 一方でこの企画展の開催中に、同じくナマズの一種である コリドラスの仲間が繁殖しました。 バックヤードツアーに参加されたことがある方は 繁殖の様子をご存知かもしれませんが、 卵から少しずつ成長していく過程をご覧ください。 まだ体の模様はぼんやりとした感じで、親の個体と比べても コリドラスらしさは足りないですが、およそ半月で一気に大きくなりました。 約3か月経過した先日、繁殖した個体を展示に出しました。 このあたりのコリドラスの仲間は、 ピラニアの展示している水槽で一緒に展示しています。 よく見ると水槽の底のほうを泳ぐ小さな個体が観察できるので、 ぜひ探してみてください。 常設水槽で展示している個体は、 どうしても成魚だけに偏るところがあります。 その理由としては、小さい個体では展示しても見えにくい、 物陰に隠れてしまう、他の魚に襲われる危険がある、 まだ餌をしっかりと取るための力がない、など色々です。 ただ、色々な魚が色々な大きさで観察できるのが、 自然の川のありのままの姿に思います。 体の大きさによって利用する環境が少しずつ違ったりするので、 成魚や未成魚、さまざまな成長段階の魚をみることができる、 そのような光景を水槽の中でも表現できると 展示にも深みが出るような気がします。 アクア・トト ぎふで繁殖した魚は、 ある程度大きくなった段階で、皆様にご覧いただけるように なんとか工夫をしていきたいと思います。 Tweet

つぼみ、ショーデビューに向けて! (つぼみ成長期5)
  • アシカショー

つぼみ、ショーデビューに向けて! (つぼみ成長期5)

みなさん、こんにちは! あっという間にもう11月中旬です。 今年も残り2ヶ月をきりましたが、、、 やっと、みなさんに報告ができます!!   4年前の3月、1歳の時にアクア・トト ぎふにやってきた カリフォルニアアシカのつぼみ、 今は、5歳になりました。 そして現在、 ショーデビューに向けての練習をしています!!!!!!!   この4年間、ショーデビューを目指し、 日々トレーニングに励んでまいりました。 アクア・トト ぎふにやってきた当初は、 こんなに体も小さく、周りの環境に敏感で 誰かが動いたり、車の音が聞こえたりしただけでも すぐに飼育舎に帰ってしまっていました。   慣れてきたかなー・・・と、思っても ちょっとしたきっかけ(何かが落ちる音がしたり、人の陰が横切ったり)で、 落ち着きがなくなり、トレーニングを中断することもありました。 ですが、4年かけて少しずつ環境にも人にも慣れていきました。   今では体も大きくなり、 人が通っても、大きな音がしても、驚くことはほとんどなくなり ずいぶんたくましく成長してくれました。 私と比べると成長したのがよくわかりますよね!!   アシカショーを見に来ていただいたお客様に 「つぼみちゃんはショーに出ないの?」 と、気にかけてくださる方がたくさんいらっしゃいました。 ありがとうございます。 やっと、デビューの兆しが見えてきました!!!   ということで、今日は少しだけですが デビューに向けての準備の様子をお届けしたいと思います。   ショーの準備って、 やらなくてはいけないことがたくさんあって結構大変なんです。 (4年かかっているわけですから、お分かりいただけるとは思いますが。笑)   まずは、ショーの台本が必要です。 どんなショーにするのかを考えなくてはいけません。 (この時に、トレーニングする種目も考えながら作ります。) 文字にするとA4用紙4.5枚分くらいあります。 これで大体15~20分くらいのショーができます。 そして、台本どおりのショーができるように つぼみのトレーニングが始まります。   健康管理をする上で必要な種目は この4年である程度できるようになっていたので、 それを応用してショーの中に取り入れたり、 マリンのショーでもおなじみのスポーツなどもできるよう、 トレーニングをしていました。 ボール乗せのトレーニング。 サッカーのトレーニング。   今回のショーで新たにトレーニングするのは11種目でした。 ダンベル持ち上げのトレーニング。 算数のトレーニング。 かぶりものトレーニング。 これが一番時間がかかりました。なにをかぶるかはお楽しみ!!   今年の夏前から開始して、10月に全てのトレーニングが終了! 3、4日でできてしまう種目もあれば、 3か月かけてやっとできるようになった種目もありました。   そして9~10月頃から、ショーでお見せする種目を通しでやってみたり、 トレーナーが喋りながらそれに合わせてつぼみが動いてみたり ・・・と、少しずつショーの雰囲気をつかんでもらう練習がはじまりました。   それから、どんなことがあってもびっくりしないようにするトレーニングも 同時にはじまりました。 例えば、 遠いところから飛んでくる輪、 近いところからくる輪もとれるようにしたり・・・   散歩中、カメラを近づけて撮ってみたり   観覧席で変なことしてても気にしないように・・・ いろんな場面を想定して、試せることはやってみました。 時には、こんなこともします。↓ トレーナーが走り回ったり、近づいたり、 大げさに目の前で手を振ったり、 触ったり(※ショーの途中でアシカに触れることはご遠慮いただいております)、 傘を広げたり・・・ だいぶ気にならなくなったようでした。   10月下旬からは、実際にトレーナーが喋りながら つぼみとショーを通しで行う練習を始めました。 この時点では、BGMやマイク、効果音はなしで練習します。 それができたら次は、BGMありで行い、 それもできたらマイクを付けて行い・・・ 順番に少しずつ慣らしていきました。 あと、ショーと練習ではトレーナーの着ている服も違うので、 ショーの衣装にも慣れさせなくてはいけません。   現在は、効果音ありの練習に入ったところです!   と、まあ、こんな感じで進めてきたわけですが、 これはつぼみの場合でして・・・   ショーの準備は、トレーナーの練習も必要なんです。 まず、ボール乗せや逆立ちといったパフォーマンスの種目を つくるところから始まりますが、できたら随時、 他のトレーナーに教えていかなくてはいけません。 (アクア・トト ぎふでは)1つの種目をつくるのは一人で行いますが、 トレーナー全員がその種目を つぼみとできるようにしなくては、ショーはできませんからね!! 次に台本を覚えて、つぼみがいない状態で立ち稽古を行います。 ショーをイメージして、「ここでこのサインを出して、ここで移動して・・・」 といった感じで台本を見ながら練習をし、覚えたら台本は見ずに練習をします。 そして、やっとつぼみと一緒に全体を通しで練習をしていきます。   先程も書きましたが、流れができるようになったらBGMを流して、 マイクをつけて、衣装を着て・・・これをトレーナー4人全員が 順番にできるようにしていきます。 そして現在、4人がそれぞれがつぼみとショー練習の真っ最中です。 練習も笑顔で本番同様行います。 トレーナーがお客さん役です。 散歩の練習。つぼみの目の前でわざと手を振ってみたりします。 一通り終わったら、反省会をします。   いよいよつぼみがショーデビューする日が近付いてきました!! まだ、もう少し練習が必要ですので、あとちょっと待っていてくださいね!!!   近いうちにデビュー日の報告ができるかもです!!!! (毎日一生懸命練習していますので、 ショー以外の時間もアシカステージをちらっと覗いてみてください。 観覧席に入ることができませんが、ガラス越しでもつぼみのショー練習が 見られるかもしれません・・・!!)   Tweet

冷たい水の中で
  • アクア・トトの生き物
  • 日本の淡水魚

冷たい水の中で

こんにちは。秋真っ只中ですね。 冬になりさらに水温が下がると、魚によっては、じっとしている時間が増えて、 エサを食べる量も減ってきます。 ですが、春に産卵するタイプの魚にとっては、秋から冬にかけてこそ、 繁殖に備えた体づくりをする大切な季節でもあります。 ところで、こちらの写真ですが、これはふ化直前のビリンゴの卵です。 ビリンゴはウキゴリの仲間で、この地方では「ゴリの佃煮」として売られています。 ビリンゴも初春に産卵します。 昨年の秋から春にかけて、水温や照明の時間を操作するなど、 繁殖に備えた体づくりをサポートしたところ、3月7日に産卵しました。 3月?今さら?という感じもしますが、 先日ようやく育った若魚を展示水槽に入れることができましたので、 このタイミングでのお知らせとなりました。 ふだんのビリンゴはこんな感じで、 透きとおったような薄茶色の体に黒い背ビレが特徴です。 それが繁殖期を迎えたメスは大変身! 近くにオスがいないとここまで黒くはならないのと、 カメラを構えたりして人の気配を感じると、 色が薄れるので写真をとるのは苦労しました。 寒い冬が終わり、水温10℃以上になると繁殖行動を開始するそうで、 水槽内でも水温12℃のときに盛んにメスがオスにアピールしていました。 12℃というと、手を入れるとめっちゃ冷たい。 スイカだったらキンキンに冷える水温です。 オスは巣穴で待機していて、そこにメスがアピールするのがビリンゴの求愛です。 本来は川の泥底にある穴を利用して(あるいは穴をほって)、 それを巣穴とするのですが、 予備槽では細いパイプを巣穴として利用してくれました。 産卵が終わってもオスは巣穴に残り、 胸ビレを使って卵に新鮮な水を送るなど、ふ化するまで卵を守ります。 水温が低いこの時期ですから、ふ化まで約1カ月もかかります。 そして誕生したのが、こちらです。体長は6.5ミリ。 ふ化直後にしては、わりとしっかりとした体つきをしています。 数日たって遊泳力がついてくると、とにかく臆病で、 逃げて水槽にぶつかるため、 これ以降の写真は撮れませんでした。 ですが、ふ化したほとんどの個体が生き残り、今は展示水槽と、 来年の繁殖に向けた予備水槽とに分かれて元気にしています。 ビリンゴの繁殖は、当館ではこれが初めての試みでしたが、 奇跡的に成功しました。まぐれかもしれません。 そのため大事なのはこれからです。 当館で産まれた個体が育ち、やがて成魚となり、 うまく繁殖してくれるでしょうか? 水温だけでなく、日照時間、エサの量や種類、水質などなど、 気を遣うことが多すぎて、今年もひやひやな冬を送る予定です。 Tweet

セイメイ
  • 日本の淡水魚

セイメイ

みなさん、こんにちは。 少し前のブログでオイカワの話をさせていただきました。 その後、こまめにオイカワの様子を観察していたところ、 見事オイカワが産卵する瞬間を撮影することに成功しました。 ペアとなったオイカワが数分間に一回のペースで 産卵を繰り返しておりました。 今回の産卵は、お客様が帰られた後に 館内を見回りをしながら気づいたことでした。 飼育スタッフであれば朝から晩まで水族館にいるので、 じっくりと生き物の観察ができそうですが、 館内でいろいろな仕事があり あっちでうろうろ、こっちでうろうろしているので、 日中は時間をかけて観察はできません。 実はお客様のほうがじっくり観察できて、 色々な発見をされているかもしれません。 夜間の生き物の行動を観察するということであれば、 飼育スタッフのほうが色々な気づきもあるのでしょう。 生き物の生き物らしい姿は何度見ても飽きることのない、 人を惹きつける不思議な力をもっているように感じます。 水槽に生き物を入れて終わりの展示ではなく、 生き物のあらゆる本来の生態が観察できるような魅せる展示を 創出していきたいところです。 さて、産卵を確認してから何日か後に水槽を観察していると オイカワの稚魚が泳いでいました。 新しい命が確実に育っています。 通常、水槽の水はろ過器を通して循環しているので、 魚のエサとなるようなプランクトンなどは取り除かれてしまいます。 ただ、こちらの水槽は屋外にあり、落葉があったりコケもよくはえるので、 稚魚のエサとなるようなものが何かしらあるのかもしれません。 まさに自然のなせる業なんでしょう。 この水槽の中で世代交代が繰り返されるようになれば本望です。 Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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