みなさまこんにちは。 最近少しサボっており、お久しぶりのコラムとなりました、山下です。 今回のコラムでは、先日より始まった特別展、『岐阜県とアジメドジョウ』に関してご紹介します。 最初にアジメドジョウとはどんな魚なのかをご紹介し、今回特別展をおこなうことになった理由、展示内容についても少しご紹介しようと思います。 アジメドジョウとは、中部地方と近畿地方の辺りに分布し、河川の上、中流域で見られることの多いドジョウです。 このような見た目をしています。普通のドジョウと比べると、少し複雑な模様をしているのがおわかりいただけるのではないでしょうか。実はこの模様が、アジメドジョウが生息している地域によっても少し異なることが知られています。 大きくは、太平洋流入河川と一部の日本海流入河川で見られる斑紋収束型、Gタイプと呼ばれる集団と、日本海側流入河川で見られる斑紋分散型、Sタイプと呼ばれる集団に分けられます。 上がGタイプ、下がSタイプです。 模様をじっくり見てみると、なんだか雰囲気が違うのがわかりますでしょうか? 具体的には、Gタイプは 〇体の側面中央の模様が直線的なことが多い 〇腹側に模様がないことが多い 〇尾ビレの模様は1~3列 Sタイプは 〇体の側面中央の模様は直線的な模様に加えて、さかさまのハートを並べたような模様になることが多い 〇腹側に模様があることが多い 〇尾ビレの模様は3~8列ほど といった違いがあります。 しかし、個体によって模様は異なり、全ての個体が必ずこれらの特徴に一致する、ということではありません。 どちらもかっこいい模様ですねぇ。 岐阜県には上でご紹介した2つのタイプがどちらも分布しています。 同じ種類なのに、ここまで見た目が違うというのはすごく面白いから、2つのタイプのアジメドジョウの比較展示がしたいなぁと思い、展示の提案をしてみました。最初は2つの水槽を並べるだけのちょっとした展示を想定していたのですが、せっかくならもっと詳しく解説する展示にしよう、ということで、あれよあれよという間に特別展の形で展示することとなりました。 そして始まった今回の特別展は、『岐阜県とアジメドジョウ』というタイトルです。 展示内容としては、岐阜県とアジメドジョウの繋がり、アジメドジョウの繁殖、アジメドジョウの食文化、アジメドジョウを対象とする漁業などのご紹介に加え、当初予定していたGタイプとSタイプの比較展示、さらには少し特殊な生体の展示もおこないます。 アジメドジョウを対象とした、非常に盛りだくさんな展示になっているのではないかと思います。 ボリューミーな展示になった分準備は大変でしたが、スタッフ総動員で準備をし… なんとか完成しました。 秋らしい雰囲気の本展示は、11月末までを予定しております。 会場は3階から2階へ降りるスロープの手前です。 この展示を見たらアジメドジョウのすべてがわかる…とまでは言いませんが、かなり詳しくなれること間違いありません。 ぜひ展示を見に来ていただき、アジメドジョウという魚への興味が深まると嬉しく思います。 今回ご紹介した以外の展示内容や今回の展示に反映しきれなかった詳細情報などについては、また別の飼育コラムに書くかもしれませんし、書かないかもしれません。 書くつもりではいますので、楽しみにお待ちください。 それではまた次のコラムでお会いしましょう!