みなさんは、新幹線に乗ったことがありますか? 今や我が国において、新幹線は重要な交通手段のひとつと言えます。 そして、車両のデザインやカラーリングは、多くの鉄道ファンを魅了していることでしょう。 現在、新幹線は、そのスピードの追求より、静粛性が追求されています。 やはり近隣住民にとっては、騒音問題は重篤な環境問題でもあります。 そんな中、1997年デビュー(営業運転開始)を果たしたのが、この500系新幹線です。 すごい形をしていますね?ときんときんです。 実は、この形には理由があるのです。 それまで、新幹線は、高速でトンネルに突入した時、 その衝撃波が、トンネル内を伝わり、 その反対側(出口側)でドーンという音や振動を発生させていました。(これ、トンネルドン現象というそうです) これを解消すべく開発陣は、さまざまな実験を繰り返し、結果、この形にたどりついたそうです。 でも、この形って、何かに似ていると思いませんか? そう!カワセミです!! 並べてみると一目瞭然!! カワセミは、水中の魚をダイブして捕えて食べます。 しかし、そのダイブの瞬間、ほとんど水しぶきが立ちません。 カワセミのくちばしは、上下合わせると鋭い四角錘形をしています。 これにより空気から水へという急激な抵抗の変化にも対応できているのです。 トンネルに突っ込む新幹線と水中に突っ込むカワセミの形状が似ていたのは、偶然ではなく、 科学的検証から導かれた答えが自然界にすでに存在していたことを示します。 この500系新幹線は、今は山陽新幹線区間での営業に限られていますが、 ぜひ、乗ってこの「カワセミ新幹線」を体感していただきたいと思います。 さらに、このシリーズの第2弾でご紹介したハニカム構造が、 この車両の外板に利用されているとのことです。 まさに今回のテーマにぴったりの新幹線です! 今回、500系新幹線の特大サイズの模型をお貸し下さいました大阪の交通科学博物館様、 ならびにカワセミの剥製をお貸し下さいました岐阜県博物館様には、 この場をお借りして御礼申し上げます。 この新幹線で、水中へダイブしてみたいなぁ・・・