おもしろ飼育コラム

ヘビ小考
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ヘビ小考

先日ご紹介しましたシロマダラですが、無事エサも食べて、元気にしております。 (スタッフの自宅庭にいたニホンカナヘビをエサにしました。展示しているカナヘビじゃないですよ。) さて、次は展示をどうするかという話ですが、いかんせん、小さな個体です。 おそらくみえないだろうし・・・。来年かなぁ。 とりあえず、検討中ということでお願いいたします。   それにしても、ヘビの展示は、いろいろと気を使うことが多いです。 ちょっとした隙間があれば脱走しますし、神経質な個体はストレスで拒食することもよくあることです。 何より、一番の悩みは、ヘビが苦手という方がダントツに多い点です。 当館のスタッフにもヘビ嫌いはチラホラいますし、そういえば私の母もそうでした。 その昔、自慢げに捕まえたシマヘビを母に見せたら、 絶叫に近い悲鳴と、バカ息子への怒号が、近所中に響き渡りました。 まぁ、これは良い思い出です。   常設展示しているアオダイショウや、エメラルドツリーボアの種名板の写真をみるだけで、 「気持ち悪い」と目をそむける人も中にはいます。 「気持ち悪い」とアクリル面を持っているステッキでこづいている お客様を見たこともあります。(これは悲しかった)   また、ほとんど動かない生物です。 ちょっとでも動かそうとアクリル面をたたかれることは、本当によくあること。 (もちろん、じっくりと観察してくれる人が大多数です。嫌いな人も多いですが、人気が高いのも特徴です。)   ゴールデンウィークには、毎年コーンスネークを使って、ヘビのふれあいを行っていますが、 こちらは本当に大人気。 苦手な方は、恐る恐る触るところからスタートしますが、だんだん平気になって、 いろいろ質問してくれるようになります。 ヘビと来館者の間に、「インタープリター」が介在するとまったく問題ありません。 しかし、常に水槽の前にたっているわけにもいきませんからね・・・。   ヘビは、もう全てが洗練された素晴らしい生物だと思っています。 全員とまではいかないまでも、嫌いな人も好きな人も、展示しているヘビに興味を持って 観察していただけるように、まだまだ工夫が足りないということ。頑張らねば。   と、シロマダラを見ながら、思ったことをつらつらと・・・。

チビっこのサワガニ
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チビっこのサワガニ

サワガニの子どもが産まれました。 大きさは甲幅(こうらの横幅)5mmぐらいです。 親に比べるとなんだか少し、あしが長くてスレンダーなスタイルな気がします。 そしてすばらしい脚力の持ち主!垂直の壁でもぐんぐんよじ登っていきます。 20匹ほどの稚ガニたち、無事に育ってくれればいいんですけど。   さて、話はさかのぼり、ちょうど1年前のこと。サワガニを繁殖させてみようと思いたちました。 その以前から、たま~にサワガニが交尾しているのは知っていました。 そして、お腹に卵を抱いた母ガニの姿を見かけたこともあります。 ですが、稚ガニが誕生することはありませんでした。 というわけで、サワガニ専用の繁殖槽をせっせと作り、 体が大きくて立派なオスとメスを選んで繁殖槽へと移しました。 冬が過ぎ、 春が来て、 5月になった頃、 繁殖槽のメスたちが一斉にお腹に卵を抱いていました。 「よーし!!」と喜んだのもつかの間、 私に見られた母サワガニはポイポイと卵を捨ててしまったのです。 どうやら、私に見られる=多大なストレスだったようです。 そのことに気づき、繁殖槽のサワガニを見ないようにしました。 朝、照明をつけて、夕方消す。 たったそれだけにしました。 その結果、稚ガニが誕生したのです。 飼育係としては、実に寂しい繁殖技ではありますが…。 来年は、なんとかもう少し観察できるように工夫してみます。 この写真は、先日、野外で見つけたサワガニ誕生の瞬間です。 こんなふうに観察できるといいんだけどなぁ。  

珍しいお客様
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珍しいお客様

夏休みもほぼ終わりに近づいた8月30日。 ちょっとびっくりなお客様が水族館に来館されました。 そのお方とは・・・。     シロマダラ(幼蛇)さんです!!! なんと水族館のバックヤード廊下をピョロピョロ這っていたのです。 何故そんなところに・・・。 もちろん嬉々としてゲット。   水族館のある公園内には、3種のヘビがいるのは知っていましたが、 まさかシロマダラまでいたとはびっくりしました。 このシロマダラが餌としている生物は、トカゲ・カナヘビ・ヘビです。 よくよく考えてみると、餌としている生物は公園内にたくさんいます。 とくに今年の夏はニホンカナヘビの当たり年。 アシカショーの最中、小道具を箱から取り出そうとしたら、カナヘビさんこんにちは。 ステージの床の上でも、カナヘビさんこんにちは。 そして、マリンよ。カナヘビは餌ではないので、ショーに集中しなさい。 ということが何度もありました。   おっと、カナヘビの話ではありませんでしたね、シロマダラの話に戻りましょう。 とまぁ、公園内にいてもおかしくないなということです。   さて、先ほども書いたとおり、餌は爬虫類ですので、 飼うためにはこれらを捕まえなくてはなりません。   ふっふっふ。 こんなこともあろうかと、私はね、ちゃんと準備していたんですよ。 過去に、展示しているニホンカナヘビが尾を自切してしまった時が何度かあり、 その「尾」をこんな時のためにラップにくるんで、冷凍していたのです! なんという準備の良さ!さぁ、今こそ出番だ。カナヘビのしっぽよ!       ・・・。 すっ、捨てられてる・・・ (´;ω;`)ブワッ     つづく(のか?)

カエルだけのナイトツアー☆
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カエルだけのナイトツアー☆

夜中の12時。夜の見回りスタート! 今日はカエルを観察しながら見回ることにしました♪ まずはこちらアクリルに張り付いているのは、カジカガエル×2です。 夜はとても活発なようで、朝の開館前のアクリル掃除は必須です。 つぎは隣の水槽のナガレヒキガエル ま、昼間とたいして変わりませんでした。   今度はバックヤードのモリアオガエルです。 扉をこっそり開けたら、「エサくれるの!?」ってみんなで一斉にこちらを見ましたが、 この写真はそうなるほんの数秒前。 樹上性といわれるだけあって、枝にのっています。 それにしても立派な吸盤だこと…。 まだまだ続きます。次はトノサマガエルです。    ほっぺが「こぶとりじいさん」みたいになってます。 近づいた時は鳴き声は聞こえませんでしたが、きっと直前まで鳴いてたんでしょう。 「めいのう」=「鳴嚢」=「鳴くためのふくろ」 しまいわすれてるよー!    いかがでしたか?カエルだけのナイトツアー。 さて、無事に見まわり終了です。 夜行性のカエルたちとは違い、昼行性の私はそろそろ寝ることにします。  おやすみなさい。

マミズクラゲ
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マミズクラゲ

9月13日より、日本で唯一淡水にすむクラゲ、 「マミズクラゲ」を展示しています。   これは、愛知県内の池で水族館スタッフが発見し、採集したもので アクア・トトぎふでは、初めての展示となります。 神出鬼没のクラゲで、夏の終わりごろに 各地の池や防火用水槽に突然発生したかと思うと、 その翌年にはまったく発生しないというようなこともあります。 いつどこに発生するのか、 この次は、いつ展示できるのかもわかりません。   この不思議なマミズクラゲ、いつまで展示できるかわかりませんので、 興味のある方は、お早めにご覧ください。      

レンゲ
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レンゲ

久しぶりのコツメカワウソについてです。   当館には4頭のコツメカワウソがいますが、今は3頭しか展示していません。 広いところにいるのはナガラとミナミ。 となりのスペースにいるのがエナ。 これがエナ。衣装用ケースのプールに、よくこんな感じで浸かっています。   もう一頭は…?   もう一頭の名前はレンゲ。エナの姉妹です。   以前はエナとレンゲは仲良しで一緒にいたんですが、 ある時、何の前触れもなく大喧嘩をするようになりました。 実はこの喧嘩は、縄張り争いのようなもの。 大人になったってことですね。 互角の勝負で、両者傷だらけになってしまい、引き離しました。 今ではもうすっかり傷も癒え、元気でやってます。   そうだ!レンゲをブログ記事にしよう!と思って、 カメラを構えると… カメラに興味しんしん。これじゃ写せません。 はいもう一枚。  今度はカメラについてる、ひもが気になった様子。 はいもう一枚。 撮れました。レンゲです。結構整った顔つきです。   展示はしていませんが、元気でやってます。皆様、ご安心ください。 それでは今日はこのへんで。 

今日からスタート!
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今日からスタート!

特別企画展『よみがえれ!日本の水辺』が今日からスタートしました! 魚の名前を当てはめてみるブースがあったり・・・ 水草や貝をさわって観察しながら見分けるブースがあったり・・・ 奥には緑がまぶしいこんな水そうも!! この特別企画展は11月29日(月)まで!!みなさんぜひ見に来てくださいね!!

着々と準備中!
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着々と準備中!

さて、先日終了したサンショウウオ展。撤収の様子は田上氏がお伝えしたとおりですが・・・。 今日も朝から作業は進行中です。 ではまず今朝の様子です。 手前には水そう、そして奥には何やら筒状のものがありますね。これがいったいどうなったかというと・・・。 こちらは18:00の様子です。水そうには水が入り、すでに魚も入っています。奥の筒状の設置物にも何か貼り付けてありますが、これはみなさん会場でご確認ください。 そして、奥のブースでは・・・。 大きな写真パネルの前に、台が置いてあります。ちなみにこちらも今朝の様子です。 そして現在は・・・。 おぉっと!!台の上に水そうが設置されています。水そう上部には流木もレイアウトされていますね。このあとどうなるのでしょうか。次回特別企画展「よみがえれ日本の水辺」は9月10日(金)から始まります。会場の仕上がり具合をぜひ見に来てくださいね(^-^)

<サンショウウオ日記 vol.27>サンショウウオ展、撤収!
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<サンショウウオ日記 vol.27>サンショウウオ展、撤収!

とうとうこの日がやってきてしまいました。 いよいよサンショウウオ展もおしまいです・・・。 そして、次の企画展「よみがえれ!日本の水辺」への切り替え作業がスタートです。 ほんと準備・設営は大変ですが、撤収は一瞬なんですね・・・。 思い入れも強い企画展だっただけに、名残惜しいことこの上ない。 そんなしんみりした気分の中、パチリパチリと撤収の様子を撮影していると、 次の企画展担当波多野氏がピリピリした雰囲気で「早く仕事しろ!」私のことを見てきます・・・。 感傷につつまれたマイハートに、追い出し太鼓を叩きまくるこの男に、心の中で舌打ちしつつ作業にもどります。   展示ブースをのぞいてもサンショウウオの水槽はなく、インパクトドライバーをもつスタッフしか見えませんね。   これはお借りしていたサンショウウオたち。 今までありがと―!君たちと離れるのはとても辛い・・・。 (翌日にはさっそく、無事到着しましたとの連絡がありました。ほっと一安心)    そして、特別展示室はこのとおり、サンショウウオのサの字もなくなりました。 9月10日(金)からは「よみがえれ!日本の水辺」がスタートます。 そしてこの飼育日記でも、水辺ブログがはじまるとかはじまらないとか・・・。 波多野先生の次回作にご期待ください!というやつです。   サンショウウオ日記? もちろん、ときどき書きますよ。 そして、サンショウウオ展Ⅱの計画をひっそりと練りつつね・・・フフフ。

<サンショウウオ日記 vol.26>オキサンショウウオ&ツシマサンショウウオ
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<サンショウウオ日記 vol.26>オキサンショウウオ&ツシマサンショウウオ

さて、今回はオキサンショウウオとツシマサンショウウオをご紹介! これで生体展示している種はすべて紹介したことになります。 (種の紹介になっていないものが、ほとんどですが、そこは笑顔でスル―してください)     この2種も同じ水槽で飼育展示しています。 左側がオキサンショウウオ、右側がツシマサンショウウオです。 どちらも隠岐・対馬にしか生息していない、まさに世界でここだけの種です。 オキサンショウウオは宍道湖自然館の寺岡誠二さん、 ツシマサンショウウオは埼玉県立川の博物館の藤田宏之さんに譲っていただきました。 どうもありがとうございます!   本当は隠岐も対馬も、自分で生息地に足を運ぶつもりだったのですが、諸般の事情により断念。 オキサンショウウオは、地元の方による保全活動も、積極的に行われているそうです。 サンショウウオ展が終わっても、機会があれば絶対足を運んでみたいと思っています。 それに隠岐と対馬はサンショウウオだけではないですからね、 オキタゴガエルとかツシマアカガエルとか、アカマダラとか!!!ムフー!(鼻息)   ちょっと落ち着きましょう。 展示水槽の様子ですが、オキサンショウウオはいつも見える場所に出ていて、 どちらかというと愛嬌をふりまいてくれている部類(カスミ・イシヅチ・エゾなど。もちろん種の特徴ではないですよ。 個体差の話です。)なんですが、ツシマは決まってレイアウトしたコケの下に隠れています。 ※じゃあ写真はヤラセ?と思われたアナタ・・・・・・・・・・・・・・・・・・正解です。 でも、できれば演出と言ってあげて・・・。   ほんとはツシマは2匹飼育しているので、もう一匹も展示すれば、もう少し見えたんでしょうが、 展示できない理由がありました。 当館に搬入された時には右前肢が無かったんです。 なんで右前肢がなかったかというと、土壌生物の調査の際に発見したものを、 今回の企画展のためにキープしてもらったんですが、土を掘る調査ですから、 運悪くスコップなんかで傷つけてしまったんでしょう。   でもご安心ください。 ちゃんと再生するんですよ。すごいでしょ。 (ちょっとずつですけどね。ピッコロ大魔王的な再生を思い浮かべたアナタ。それは無理というものです)     ご覧の通り、搬入時は少し骨が残っているくらいで、肢の付け根からなかったものも、 ここまで再生してきました。 展示には間に合いませんでしたが、傷口からの感染症などで死ぬこともなく、 元気にいてくれることは喜ばしいことです。   さて、これで生体展示16種は、飼育日記でとりあげたのですが、 残り4種は写真展示です。 アカイシサンショウウオは、飯田市美術博物館様、 ベッコウサンショウウオは、わんぱーくこうちアニマルランド様、 キタサンショウウオは、おたる水族館様、 オオダイガハラサンショウウオは、藤田宏之様、からお借りしています。 ご協力ほんとうにありがとうございました。   全種を生体展示したかったのですが、今回はこの4種だけは写真のみ。 でも、別の機会で展示できればと思っています。「サンショウウオ展Ⅱ」とか(笑)

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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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