皆さまこんにちは。 体験学習班の河合です。 今月の活動内容は、「魚の解剖 ~魚の体のつくりを知る~」です。 今回は、当館で餌料としても使用しているアユを選びました。 これは岐阜県の魚であるアユが、ニュースなどで耳にする機会が多かったり、スーパーなどでも販売されたり目にすることが多い身近な魚だからです。 まずは、アユの生態についてスライドで説明。 その後、外部形態の観察に移りました。 実物を手元に置き、鰭(ひれ)や鼻孔、側線などを観察し、それぞれの役割について解説しました。 スイカのようなにおいがするのも特徴の1つなのでにおいも嗅いでもらいました。 歯の観察では、コイやピラニアなどの標本を用いてほかの魚との違いを比較してもらい、アユの歯の形と食性についても解説しました。 身近な魚でもじっくり見ることがないと思いますので、これを読んでいただいている皆様にもアユの歯を紹介します。 これがアユの歯で、石につく付着藻類を食べるため櫛(くし)状の歯が並んでいます。 次に鰓(えら)や消化器官、心臓の観察に移り、魚の生命を維持する働きについて理解してもらうためにヒトの体のつくりと比較しながら解説をしました。 また、消化器官の1つである幽門垂(ゆうもんすい)や浮力調整などおこなう器官である鰾(うきぶくろ)など、ヒトにはない魚類特有の器官があることも知ってもらいました。 最後に眼球と脳の観察をしてプログラムが終了。 写真は、眼球内から取り出した水晶体(左:アユ、右:アジ)です。 最初は、こわごわと指先やピンセットでしか触ることが出来ず、外部形態を観察するのがやっとでしたが、観察を続けるうちにアユを手で持てるようになり、消化器官や心臓などアユの細部までじっくり観察することができるようになりました。 参加した子どもたちからは「これは何?」とか「心臓はどこにあるの?」「これが幽門垂だよね?」など自発的な発言もあり、今まで以上に魚に興味を持って観察してくれたことと思います。 そしてじっくり実物を観察したことで新たな発見や学びがあり、魚の体のつくりについて理解を深めることができました。 もちろん、アユについてもしっかり学ぶことができました。 今回の活動を機に川の生物だけではなく、その生態や生息環境などにも目を向けてくれれば嬉しいです。 また、今後も魅力的なプログラムが提供できるように頑張ります。 では Tweet