みなさん、こんにちは。 10月13日(日)にルリコンゴウインコのイベント、『エンリッチメントってなあに?~ルリコンゴウインコの暮らしをよりよくしよう!~』を実施しました。 開館20周年の今年、新しく仲間入りしたルリコンゴウインコをテーマとした初めてのイベントで、内容はタイトルにもあるように「エンリッチメント」を通して、インコの暮らしをよりよくするというものです。 まず、エンリッチメントって、あまり聞き慣れない言葉ですよね。 簡単に言うと、「生き物の暮らしを豊かにそして幸せにすること」です。 みなさんは、どんな時に幸せだと感じるでしょうか? おいしいものを食べたり、友達と遊んだり、趣味を楽しんだり、考えれば色々と出てくるのではないでしょうか? 生き物たちも同じで、ごはんを探して食べたり、仲間と触れ合ったり、心惹かれる遊具で遊んだりすることで幸せを感じることができます。 このようなことができる環境をつくり、普段の生活に刺激をあたえることがエンリッチメントの一つとなります。 今回は、色々考えられるエンリッチメントの中から、「ごはんを食べる時間を伸ばして、幸せな時間を長くしたい!」ということを目標にして、フィーダーづくりのイベントを実施することとしました。 野生下では、食べるものを自分で時間をかけて探しながら食べるため、ごはんを食べることに多くの時間を費やします。ですが飼育下では、時間になるとごはんが運ばれてくるので、探すことなく食べることができます。そのため、ごはんに費やす時間が短くなり、ひまな時間が長くなってしまうんです。 そこでフィーダーを使い、食べ物を取りだしにくくすることで、ごはんにかける時間を長くし、ひまな時間を減らすことができます。しかも、「どうしたら中身が取りだせるのか?」と考えることもでき、取りだせたときには、達成感を得ることができます。 みなさんも、何かに挑戦し、達成できたときは、うれしいと感じることがありますよね?インコも同じで、自分で考え、挑戦し、達成できたときには、喜びを感じることができます。今回は、フィーダーの中の食べものを、どうしたら取りだせるのか考え、食べることで喜びを感じてもらえるようにしました。 (※フィーダーとは、ごはんをあげる容器のことです。少し考えて工夫することでごはんが取り出せる仕組みになっています。) 参加していただいた、12名の方にフィーダーを実際に作ってもらいました! フィーダーとして、利用したのはペットボトルです。 (一時的にはなりますが、インコの口に入るものなので、口に入っても害のないものを使用しました。) 中には、いつもごはんとしてあげているペレットとトウモロコシの実を入れ、これだけでは簡単に取り出して食べてしまい、ごはんの時間が早く終わってしまうので、木の枝やヤシ殻を混ぜて、少しだけ取り出しにくくしたものをあげてみることにしました。 みなさん、とても上手につくっていただきました。 つくっていただいたものを、スタッフが展示槽に置いてみると・・・ 2羽ともペットボトルをくちばしでくわえて、中のごはんをとりだそうと夢中になっていました。ペットボトルを壊すこともなく、上手にくわえて振ったり、木の上から落としたりと、考えて中身を取り出そうとしている様子を観察することができました。いつもの倍以上の時間をかけてごはんを食べてくれたので、「ごはんを食べる時間を伸ばして、幸せな時間を長くしたい!」という目標は、無事に達成です! 今回は、フィーダー作りのほかにも、ルリコンゴウインコのお話とハズバンダリートレーニングの見学も実施しました。 当館のスタッフが現地で撮ってきた写真をお見せしたり、抜けた羽を触ってもらったりしました。 体重当てクイズをして、実際に測定の様子を見学してもらいました。 予定時間を少しオーバーしてしまいましたが、無事に終了することができました。 イベント終了時には、フィーダーの中身はほぼなくなっており、インコたちは無事にごはんを食べることができたようでした。ちなみに、食べ終わったフィーダーは、いたずらをされないように全て回収し、きれいなものはまた次回使用させていただくことにしました。 今回のイベントを通して、エンリッチメントの大切さや水族館が取り組んでいる工夫・試みを知ってもらい、興味をもつきっかけとなっていただけたらうれしいです。 今後も、生きものたちへのエンリッチメントを考え、より幸せな暮らしができるよう目指していきます。そしてまた、イベントを実施し、多くの方に知ってもらうきっかけづくりをしていきたいと思います。 その際は、ぜひご参加くださいね!