おもしろ飼育コラム

分水嶺
  • 研究・調査

分水嶺

みなさまはじめまして、飼育の立川です。 コンピューターやらケイタイやらが大の苦手で大嫌いな私ですが、 やっとブログを書いてみました。   先日鷲ヶ岳を登ってきました。 山中では、ササノコが顔を出し、カナヘビやアオダイショウが日向ぼっこをし、 ウグイスが鳴いておりました。 別の山ではギフチョウも舞っていましたね。 ということで、奥美濃の山々も遅ればせながら春本番となっています。   ちなみに私、アクア・トトに就職して2年間、休日は専ら山に入っています。 数えてみたら2年間で岐阜県内だけでも45座は登っていました。   山から下り、ひるがの高原にある分水嶺公園に、ふと立ち寄ってみました。 私は学生時代に野生動物の調査に携わっていて、 飛騨地方への移動でそれは何度も何度も横目で見ながら通り過ぎていた公園。 そんな分水嶺公園へ。   みなさんは「分水嶺(ぶんすいれい)」という言葉を御存知でしょうか? 雨が地面に落ちると、低い方そして最終的に海へ流れていきます。 しかし雨の着地した地点によっては、 太平洋へ流れるのか、はたまた日本海へ流れるのか異なります。 この、流れ着く先を分かつ峰々が「分水嶺(中央分水嶺)」です。   その分水嶺が主要国道の脇にあるのが、ここ分水嶺公園なのです。     この写真のように石のある場所を境に、左は太平洋へ、右は日本海へ流れていきます。 そしてこの左の太平洋へと注ぐ川が長良川です。 (ちなみに右の日本海へ注ぐのが庄川です。)   長良川はひるがの高原のある、大日ヶ岳の叺谷(カマスダニ)を源にする川なのです。 ちなみに叺谷は分水嶺公園の奥にありますから、長良川の源流はもっと奥になります。 分水嶺公園より車で5分ほどで源流の碑に着きますし、 さらに奥へ奥へと叺谷を遡っていくと川の始まりである雨水の滲み出しに達します。 (自然保護や所有地等の関係もありますので、むやみに入られませんように)     雨が降り、地下水となりやがて地表へ滲み出す、川となり、はるか海へと流れる。 なんだかロマンを感じますね。   実はアクア・トトぎふの4~3階では、長良川の源流から河口までを再現しておりますので、 みなさまもそんなロマンに思いを馳せながらご覧になれば、 さらに深く展示に興味をもっていただけると思います。 そしてひるがの高原を通られましたら、分水嶺公園へ。   ここからは私個人の思い。 中央分水嶺が都府県内を貫いて走っていると、 その都府県では中央分水嶺を境に性格の全く異なる気候区分を併せ持つことになります。 その数少ない都府県として福島県、長野県、そして岐阜県があるのです。 岐阜県の中央分水嶺は、若干ずれてはいるものの 美濃地方と飛騨地方の境界に沿うような走り方をしています。 たしかに美濃地方と飛騨地方の気温変動や、雨や雪の降り方は大きく違いますよね。 この全く異なる気候区分を併せ持つこと、 そして中央分水嶺となるような高い山々を有することが 岐阜県の自然環境の豊かさの根幹の1つなんだなぁ、と感じる次第です。   今後もこんなことを思いながら岐阜の山々を楽しませてもらいます。     写真左の山が大日ヶ岳、右側の山々は白山や別山です。(鷲ヶ岳山頂直下より)     たちかわ     ツイート

夜の水族館を見学?!
  • イベント

夜の水族館を見学?!

みなさんこんにちは。   突然ですが、皆さんは水族館の夜の様子ってどんな風だと思います?   真っ暗な館内、眠っている生き物、活発になっている生き物… ちょっとワクワクしませんか??    そんな夜の水族館を見学できる人気のプログラムがあるんです。 その名も「ナイトツアー」。    意外に知らない方もいらっしゃると思うので、少し皆さまにお伝えしようと 先日開催されたツアーに同行してきました!    4月某日 16:30 多目的ホールに集合。  今日の参加者は14名。 まずはワークシート片手に、昼の生き物の様子を観察します。  みなさん真剣に観察していますねえ。      18:00  館内見学が終わったら、ナイトツアー前にまずは腹ごしらえ! ということで、次は夕食タイムです。 こちらでは飼育スタッフも同席して、いろんなお話をしながら楽しくお食事します。    楽しい食事が終わると、外はすっかり暗くなっていました。   閉館した館内には、スタッフと参加者以外、誰もいません。   今度はホールに集まって、お昼の様子の発表や、夜の様子の予想なんかを話します。   そして、いよいよナイトツアーに出発です!   ワクワク、ドキドキ!!     あれ?真っ暗…。     おかしいな、暗くてうまく写真に写らない…。   …。 というわけで、ナイトツアーの内容は参加してからのお楽しみ!!   この日もみなさんとても喜んで、帰られました。ありがとうございました。   ちなみに、このナイトツアーの参加対象は、 小学生のお子様と保護者の方のみとなっております。 「誰でも参加OK! ナイトツアー」も限定開催することもありますので、 またの機会をお待ちください。   ナイトツアー、気になった方は6月開催の募集もしていますので 詳しくはこちらをご覧ください☆   それでは、また!   ツイート

マムシ
  • アクア・トトの生き物

マムシ

こんにちは。 GWが終わり、次は夏のイベントの準備だ! でも、その前にカエルたちの繁殖シーズン到来です!!  というわけで、昨日は岐阜県関市の休耕田や用水路、 ため池を見て回ってきました。      あいにく、天気がよすぎて、カエルいませんでしたが…。 やっぱりカエルに会いたければ、小雨の日や、夜に限りますね。   それでも、さすが岐阜県! 短時間でいろいろな生き物に出会うことができました。   ホトケドジョウ ↑ に、      ヨシノボリの大群 ↑、          それからクサガメ ↑、あとニホンイシガメもいました。     そしてなんといっても…    ニホンマムシ(有毒)!!   水族館の飼育係としては、「ヘビも生態系の一員です。嫌わないでね」と お伝えし続けていますが、 すぐ足もとに、でーーーん!!といるのを見ると、 「あ、ラッキー♪」と思いつつ、 「ひぇ~」とも思ってしまったのが正直なところです。    写真だけ撮って後退。    マムシ遭遇後は、枝や根っこがマムシに見えました。   あたたかくなり、いろいろなヘビが活動し始めます。   公園や民家の庭先にもヘビはいます。 ヘビの種類を見分けるのはけっこう簡単ですから、 ぜひチャレンジしてみてください。 毒のある蛇、攻撃的なヘビがどれなのかを判別できれば、 突然ヘビと遭遇しても、ちょっとゾクッとはするけど、 そんなに怖がることはありませんよ。     では、また。   ツイート

雨上がりの木曽川
  • 研究・調査

雨上がりの木曽川

みなさんこんにちは。  GWには沢山のみなさまにお越し頂き、本当にありがとうございました。  GWも終わり、水族館でも通常業務に戻り、一段落といったところです。    その業務の中には、定期的に木曽川を調査するというものもあります。    今の時期は気候も良く、鼻歌混じりに調査にでかけます。 ええ、でも実際には河川敷がジャングルのようになっており、 これからの季節、暑さと相まってなかなかのものです、はい。    こちらが木曽川の河川敷といいますか、川岸。     水族館より下流の河川敷では、河畔林とよばれる木々に覆われ、既にうっそうとしています。 木曽川では、この河川敷に氾濫原(ハンランゲン)と呼ばれる、 増水時に水に浸かる部分があります。 この氾濫原、実は、魚たちの産卵にはとても重要な場所で、 水に浸かった草木に卵を産みつけ、稚魚はそこで育ちます。   つまりこの時期に降る雨はとても重要なのです。 こちら雨の後の木曽川河川敷。 そして雨上がり。   そしてそしてもっと雨が降った翌日には・・・。     こんなに水に浸かる部分があるんですね。 もう水の中、どうなちゃっているのでしょう。   そして先日の調査の日。 天気も良く、いつものように木曽川に赴くと・・・。 何かニオウな。 何か分からず歩みを進めると。       大量の魚が息絶えておりました。 おそらく雨が降り、氾濫原となった場所に産卵のためにやってきたのでしょう。 しかし、その後、急激に水が引き、取り残されたのだと思います。   正しく同定した訳ではありませんが、ゲンゴロウブナ(飼育型がヘラブナ)かなと思います。 ゲンゴロウブナは、琵琶湖・淀川水系がもともとの生息地で、 人為的に各地に放流されています。   何れにせよ、氾濫原は魚にとって重要な場所でもあるのですが、 同時に非常に厳しい環境でもあることが分かります。   今日の雨上がりの木曽川ではどのような光景が待っているのでしょうか。    ツイート

またまた骨展紹介
  • 企画展・特別展示

またまた骨展紹介

こんにちは。   またまた骨展のご紹介です。もうご覧になりましたか?   いや、骨の展示っていいですよね~。 餌がいらない。掃除もいらない。脱走したりけんかしたり死んだりしない。 なんて手がかからないんだろう!!   特別展の担当になると、生き物の維持に非常に気を使うんですよ。 普段飼育してない生物を入れることも多いので、 状態が安定するまで気が抜けないんです。 朝出社して「・・・死んでないよね?」と様子を見に行く毎日。   でも骨ならそんな心配ナッシング。いいぞ骨。ブラボー骨。     さてさて、今回ご紹介するのはこちら。 ちょっと奥まったスペースになっているので、気づかない方も多いんですが、 「骨ってなに?」コーナー。 骨の成分や役割など、骨について学べるスペースです。   ここで写真右下にご注目。   骨の現物が壁に取り付けてあります。 これ本物です。触っていいです。触り放題です。 何の骨かというと、シカの大腿骨(太ももの骨)です。     なんで水族館でシカ?と思われるかも知れませんが。   この展示を企画するとき、せっかくの骨の展示だし、 何か触れるものを用意したいなあ、と思ったのです。 でも魚やヘビの骨は大変繊細で、 タッチング用に提供するとあっという間に壊れてしまうのが目に見えている。   ので、水族館にはいないんですが、 丈夫で手に入りやすいニホンジカの骨をここに使っているのです。  ニホンジカも、岐阜にすむ仲間の一員ですしね!   で、このシカ骨、展示位置の関係上人の骨を置いているように見えるので、 もしかしたら気持ち悪がられるかなあ、と思ったのですが、 「あれ、これ人の骨??」 と言いながら触りに行くお客様が多く、意外と人骨への抵抗ってないんだ? とびっくり。     人骨ではありませんが、シカの骨も、なかなか触る機会ってありませんから、 おいでの際はぜひ、これに触ってみてくださいね。   ツイート

春を感じて
  • アクア・トトの生き物

春を感じて

 皆さんこんにちは。   GWに入り、水族館も多くのお客さまで賑わっています。 今年の4月は例年より寒く、穏やかな春、という感じではなかったですね。 でも水族館の魚たちは、確実に春を感じているようです。 以前のブログでもご紹介した「追星(オイボシ)」について またお話したいと思います。 コイ科などのオスでは、繁殖期を迎えると 吻先に皮膚の一部が角質化して硬くなった 追星と呼ばれるものが現れます。 これを見て私たちは、「おっ、春を迎えて繁殖期」になったなぁと実感するのです。 ヌマムツではこのような感じに     拡大してみると       カワヒガイでは       イチモンジタナゴでは       シロヒレタビラでは       ヤリタナゴでは     ヤリタナゴを正面から見ると       そして個人的に好きなアブラボテでは     このアブラボテを正面から見ると       ムニッ。 どうですか!この正面からの感じが最高です。 この「ムニッ」を見ると春を感じますね。 可愛らしい姿、皆さんも見つけてみて下さい。     ツイート

オタマジャクシいっぱい
  • アクア・トトの生き物

オタマジャクシいっぱい

こんにちは。いよいよゴールデンウィークですね。 いつもこの時期は、カエルの繁殖とゴールデンウィークイベントの準備が重なって、 バタバタバタっとなってしまいます。 バタバタバタっとしながらも、ちゃっかりオタマジャクシ水槽を設置しました。 今年は、ナガレヒキガエルとカジカガエルとニホンアカガエルの3種類を展示しています。 全部バックヤードで繁殖したものです。 「オタマジャクシなんか、どれも同じじゃないか!」 と思われた方…。ちがうんですよ~。 ナガレヒキガエルのオタマジャクシは、渓流に卵が産みつけられるため、 流されないように、口が吸盤症だし、 カジカガエルのオタマジャクシは、水の抵抗を減らすため、流線形というか頭部が平べったくなっています。 写真では分かりにくいですが、体にはシマ模様が入りますし。   あ、こちらカジカガエルの卵です。プリップリでした。 水族館に入って、すぐのところに展示していますので、カピバラを眺めつつ、 オタマジャクシも見てやってください。   ところで、ゴールデンウィーク期間中は、飼育係がお気に入りの生き物やアイテムを紹介する 「トトワゴン」というイベントを開催しています。 先日、よく来てくださるお客様から「堀江さんは今年もカエルでしょ~?」って言われましたが、 No!!! 今年はなんとカワウソです。サツキ(享年7才)と一緒にみなさまをお出迎え致します。 スケジュールはコチラをご覧ください。 では、みなさま、よいゴールデンウィークを♪         ツイート

★GWイベント★ ふれあい水族館 『ポイントガイド』
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★GWイベント★ ふれあい水族館 『ポイントガイド』

みなさんこんにちは。 明日からゴールデンウィーク突入ですね!    アクア・トト ぎふは、明日からの準備で大忙しです。 こちらはポイントガイドのGW用看板。   毎日開催しているポイントガイドですが、GW期間中はパワーアップ! いつも見れないエサやりシーンや、ハンズオンも交えて行います。   それから、先日ご紹介したトトワゴンの練習風景。   なんだかおもしろそうですねえ~! こちらは、各日登場するスタッフとテーマが変わりますので、 お目当てのスタッフやテーマがある方は、タイムテーブルをご覧の上お越しください♪          ■ トトワゴン タイムテーブルはこちらをクリック! ■   アクア・トト ぎふのGWイベントは他にも、 人気のバックヤードツアーを回数を増やして開催したり、 アルダブラゾウガメのエサやり体験がスタートしたりと、ふれあいイベント盛りだくさん! 楽しいGWが過ごせるよう、スタッフ一同はりきって準備してお待ちしております!   それでは、また!       ツイート

こどもは天才!
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こどもは天才!

みなさんこんにちは。    最近、よく館内でこんな風景を見かけます。   はい、こちらただ今開催中の「第9回 春の写生大会」の為に 作品を描いてくださっているんですね。    お母さんにお話を伺ったところ、 年間パスポートを購入して、作品を描くために何度か水族館に来てくださってるそうです。 この写生大会なんですが、 優秀作品に選ばれると なんと、アクア・トト ぎふの館内に掲示されるんです! し・か・も! 今年はなんと、岐阜県図書館にも掲示されることが決まりました!    こちらは昨年の入選作品。        ほーんと!みなさん上手に、アクア・トト ぎふの生き物たちを描いてくださっています。 画力のまるでない私にはもちろん、大人ではマネできない 元気いっぱいでいきいきとした作品が集まりました。 今年も、たくさんのご応募を楽しみにしています。   締切は5月12日と、まだまだありますので、 ぜひ皆さまのお子さんも、ご参加してみてください!   それでは、また!     ツイート

★GWイベント★ 教えて!飼育員さん『トトワゴン』
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★GWイベント★ 教えて!飼育員さん『トトワゴン』

みなさん、こんにちは。 まだ、寒さが残る4月ですが来週末にはもうゴールデンウィーク!   お出かけの予定は決まりましたか?    もちろん!アクア・トト ぎふは、今年もイベントをたくさんご用意しております! そこで、今日はGWの一押しイベント「トトワゴン」について、ご紹介したいと思います。              飼育スタッフが気に入った生き物やアイテムを間近で紹介する「トトワゴン」。 誰が、どんなものを紹介するんでしょう??      【魚類チーム】  大島 (おおしま) すげ~魚卵~ンニング 「聞き流すだけでいいんです。」 魚の卵についてあれこれ。   波多野 (はたの) 緊急指令!スジエビを探せ いろんな種類がいる川エビの中から、スジエビを見つけよう!   国崎 (くにさき) キャットフィッシュのリーフな世界 まるで落葉みたいなナマズの仲間たちの世界へようこそ。    真田 (さなだ) のぞいてみよう!川の底 ~川虫と封入標本~ 川底にすんでいる生き物たちから、いろんなことが分かるんです。   【動物チーム】 堀江(俊) (ほりえ(しゅん)) 蛇の道はヘビ  ヘビって嫌われることが多いですが、実はとっても興味深い生き物ですよ。   田上 (たがみ) カメトーーク! ~トトワゴン編~ ぼくたちは…カメ大好き(学)芸員です!   堀江(真) (ほりえ(ちか)) カワウソってこんなふう 今回はカワウソに一肌脱いでもらいました。4頭の見分け方も紹介します。   尾崎 (おざき) アカハライモリにタッチング! ~ついでにイモリとヤモリの違いも覚えよう!~ イモリとヤモリ。どっちが両生類でどっちが爬虫類だっけ?確認してみよう!   立川 (たちかわ) 骨から学ぼう、生き物の神秘 骨をよく見てみよう。生き物の不思議や進化など、そのまま教えてくれるよ。   岩本 麻未 (いわもと まみ) 鳥とめのない話 水鳥の羽を使った鳥とめのない実験を行います。過度の期待は禁物です。    お子様でも分かりやすいよう、スタッフが工夫を凝らしてお待ちしております! また、時間や日にちによって、登場するスタッフが変わりますので、 このスタッフの、これが見たい! という方は、下のスケジュールをご確認ください♪           ■ トトワゴン タイムテーブルはこちらをクリック! ■    それでは、また!      ツイート

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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

年間パスポート
のご案内