みなさまこんにちは。 新学期が始まったな。と思ったら、早くもゴールデンウィーク! 当館ではGW特別イベントを実施します。お楽しみに。 さて、現在は田んぼや用水路の生き物エリアの季節水槽にて、 タナゴの仲間のシロヒレタビラと、イシガイ目二枚貝についてご紹介しています。 これまでにも、例えば、子どもの日に関する企画展示などで、シロヒレタビラの稚魚をご紹介してきました。なので、「前にも見たな~」とがっかりされるかもしれないな。とも思いましたが、今、国内のタナゴ類は相当まずい状況にあるようなので、その情報をお伝えするべく、展示することに決めました。 タナゴ類をとり巻くまずい状況のなかで、特に最近話題となるのがタナゴの放流問題。 飼いきれなくなったから川に捨てるとか、自分だけの理想の釣り場を作ろうとか、そういった身勝手な理由で放流されたであろうタナゴ類が各地で見つかっています。 在来のタナゴ類は国内に16種類いて、それぞれに自然の分布域があります。 放流したタナゴ類が、もともとそこにすんでいるタナゴ類のエサやすみ家を奪ったり、繁殖を邪魔したり…。 また、16種類といっても遺伝的に近い場合は容易に交雑してしまいます。 外国産はもちろんのこと、国内のタナゴであっても、もともといた場所とは別の場所に放された場合には外来種であり、在来個体群に与える影響は大きい上に複雑です。 つい先日、環境省の中国四国地方環境事務所のHPに、この問題についての注意喚起が掲載されましたので、ぜひ読んでみてください。 中国四国地方環境事務所_あなたが飼っている魚を放流しないでください また、タナゴ類が卵を産みつけるイシガイ目二枚貝も、生息環境の悪化や乱獲などで数が激減しています。 昨年の秋にはヌートリア(国外外来種)により食べられたであろう残骸が、当館近くの木曽川にたくさん落ちていました。 二枚貝がいなくなってしまっては、タナゴは子孫を残すことができません。 今回の展示では、このような現状をしっかりとご紹介していますので、ぜひ読んでいただければと思います。 温かくなり、そろそろ野外でもタナゴ類の稚魚がみられる季節です。 シロヒレタビラ ↓ アブラボテ ↓ スイゲンゼニタナゴ ↓ イタセンパラ ↓ 特に稚魚期はよく似ていますが、どれも違う種です。 多様なタナゴ類がこれから先もずっと存続できるように。 水族館の飼育スタッフとしてできることは、まずは展示を通してみなさまに、現状を知っていただくことだと思っています。魚を愛する飼育スタッフとして、多くの人が来館されるこの時期に、この展示を計画したのはそういった理由からです。 展示期間は5月10日までです。ぜひご覧ください。 Tweet