おもしろ飼育コラム

ツチフキは忙しい
  • 日本の淡水魚

ツチフキは忙しい

こんにちは。 いい動画が撮れたので見てください! ツチフキのオスが卵を守っている様子です。     地面に転がっている小さな泥団子が卵です。   オス、忙しそうですね。 卵を転がしたり、泥をブホブホしたりして、うまく言い表せませんが卵を守っているようです。     産みたての時は、卵は1か所にまとまっているのですが、 この通り、オスがせっせとお手入れするので、卵は散らばっていきます。     ほかの個体が近付くと、高速でぴゅーんと追いかけて、追い払います。     20分間撮影したのですが、その間ずっと卵のお手入れにいそしんでいました。 フレームアウトしたのは、ほんの少しの時間。ほかの個体を追い払う時ぐらいでした。   これほどまでに、頑張って卵を守っていたとは…。   今年は梅雨が長く雨量も多かったせいか、 ツチフキにとっては当たり年というか、 ここ数年で1番の産卵回数だったような気がします。     この動画で、卵のお手入れにはげんでいる姿を見たら、 ツチフキってすごくいい魚だな♪ と改めて感じました。     ところで、岐阜県の、というか濃尾平野に今いるツチフキは、 遺伝子を調べた結果では、近畿地方の遺伝子をもつ個体しか見つからないそうです。 つまり、もしかすると国内外来種かもしれないということ。 それについては残念な気持ちもありますが、 こうやってオスが頑張って守ってくれた卵ですから、しっかり育てていきます。     Tweet

企画展便り~ウーパールーパー変態個体について~
  • 両生類
  • 企画展・特別展示

企画展便り~ウーパールーパー変態個体について~

みなさま、こんにちは! 暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?     現在、開催している企画展『もっと知りたいウーパールーパー』の、個人的な見どころのウーパールーパー変態個体について紹介します。     そもそも、変態とは生き物が成長する過程で形態を変えることです。   ウーパールーパーはカエルと同じ両生類です。 両生類は通常、変態してエラなどがなくなります。 しかし、ウーパールーパーは幼形成熟(ネオテニー)といって繁殖ができる成体になっても、幼生の形態(外鰓、矢印)が残ります。     ちなみにですが、ウーパールーパーの成体はエラ呼吸、肺呼吸どちらも行うことができます。     では、本題のウーパールーパーの変態についてです。 ウーパールーパーは野生下では変態することはありませんが、飼育下ではまれに変態することがあります。 変態する要因として、飼育環境の変化や甲状腺ホルモン(サイロキシン)の投与があります。   企画展で展示しているウーパールーパーは、甲状腺ホルモンを投与して、変態させました。 人為的に変態させましたが、健康状態に問題はなく、元気に過ごしています。 それでは、変態する前と後を比較してみましょう。   まずは、外鰓がなくなっているのがわかりやすいですよね。(丸く囲ったところ) また、尾の高さが低くなっています。(黒矢印)     摂餌する様子はこちら。 変態する前と後どちらも、エサに対する反応はとても良く、何でも食べます。         企画展では、ウーパールーパーのエラが少しずつ変化していく様子を映像で流しています。 是非、変態したウーパールーパーにも注目してくださいね!     Tweet

センターポジション
  • アクア・トトの生き物

センターポジション

みなさんこんにちは。 じめじめとした梅雨が終わり、セミの鳴き声が聞こえ始め、真夏の匂いがし始めました。   今回はよくよく考えると少し変わった行動なのに、飼育スタッフとしてはナイス!と思う行動をする、そんな個体をご紹介します。     それはこちら   2F「コンゴ川下流の魚」水槽にて展示しているテトラオドン・ムブです!     アフリカのコンゴ川やタンガニーカ湖などにすんでいるフグの仲間で、淡水のフグの仲間としては、特に大きい種類で最大67cmという記載があります。   まず目につくのは体の模様でしょうか。   「体にある網目模様で、迷路をしてしまうよね」とお子様たちと話したこともあります。     この個体ならではの行動が、   良く見えるポジションにいつもいる!です。   それは(もうここのセンターポジションはゆずらないぞ)と言わんばかりです。   こちらの水槽は奥行きがある形をしているので、奥側にはかなりのスペースがあるのですがそちらへ移動することは全くないんです。     砂の中にずっと潜ってしまって見えないという飼育スタッフ泣かせの生き物たちがいる一方で、常によく見える位置にいるムブには、ついついナイス!と思ってしまいます。   さらに、このムブのいるガラス面はほとんど毎日潜水清掃を行うので、どちらかというと居座り辛いはずなのですが、ムブはこのポジションから離れません。   奥側にムブが嫌がる何かがあるということはなく、ムブを追いかけて攻撃するような魚もいないので不思議です。   このセンターポジションをキープしつつ、まだまだ大きく成長して様に存在をアピールしていって欲しいですね!   Tweet

なかなか再開できないアシカショー
  • アシカショー

なかなか再開できないアシカショー

本来ならば、春休みから新ショーに変わるはずだったアシカショー 今だに再開できず、ついに、夏休みの時期に突入してしましました。   1か月ほど前にブログでも紹介しました、アシカショーの練習ですが、現在も続けております。準備万端過ぎるくらい練習しています!!   「なかなか再開できないアシカショー」です。笑   アンケートでも、「アシカショーが見たい」「早く再開してほしい」というメッセージをくださる方がたくさんいらっしゃいます。楽しみにしてくれているお客様がいると思うと、私たちスタッフもとてもうれしい気持ちになります。それと同時に、やはり、早く再開してみなさまにショーを見て、楽しんでもらいたいというもどかしい気持ちも湧いてきます。   ですが、安全第一に考えると、、 再開には、もう少し時間がかかりそうです。 残念です。   そこで、今回のブログでは、再開を楽しみにしてくれている方にアシカショーの様子を少しお届けしたいと思います!!     まず、今年のショーのテーマは「お菓子作り」 ということで、マリンと一緒にお菓子作りにチャレンジします。   ステージのセットは、こんな感じ。   今回のショーのためにつくった道具がたくさんあります。   まずは、手洗いうがいをします。     今の時期、特に大切ですよね!     そして、使う材料は・・・ スポンジに 生クリーム   なんとなく、作るお菓子がわかります。   そして、トッピングとして、 イチゴ   魚   お菓子らしからぬ材料が入ってきましたが、まあ、気にせずに進みましょう。   そして、生クリームをまぜて     それを、スポンジにぬって   完成したのがこちら!!   ・・・と、ここからは実際に見てからのお楽しみにしておきましょうか。     再開時期は未定のままですが、みなさまに楽しんでもらえるよう練習を続けて、最高の状態でご覧いただけるよう私たちもがんばります!!   それまでは、ブログでアシカたちの様子をお伝えできるようにしますので、ブログのチェックもよろしくお願いします。   ちなみに、次のアシカブログの時期も未定です・・・ 近々・・・と、いうことで。 お楽しみに!!!!!!!       Tweet

ある日のゾウガメ
  • 爬虫類

ある日のゾウガメ

雨上がりのある日。 ゾウガメたちがすみっこの泥んこスペースでくつろいでいました。   夕方、おうちに帰る時間になりましたが、誰も動こうとしません。   そこでスタッフが持ってきたのは桑の葉っぱ。ゾウガメに歩いてもらうための秘密兵器です。 「ほら、桑の葉っぱだよー」 一口食べたゾウガメが振り向きます。 もっと欲しいみたいですね。 「食べたかったら、こっちにおいで」 ゾウガメが、ゆっくり歩きはじめました。   「ほら、こっちだよ」     のし、のし、と桑の葉につられて歩いたゾウガメは、ようやくおうちに入りました。   「やれやれ、やっと帰ってくれた。あと2頭・・・」     Tweet

ニューフェイス
  • アクア・トトの生き物

ニューフェイス

みなさん こんにちは。     さて、実はちょっと前に3階にある『下流の魚』水槽に カルガモ2羽が仲間入りしました!     カルガモは、国内で繁殖しているカモの仲間で、以前から展示はしていましたが、この度、大阪市の天王寺動物園から2羽を新たに搬入しました。 その搬入の様子、ちらっとお見せしますね!     受け取り当日、朝から車を走らせ大阪へ。   道中、土砂降りの雨に降られながらも大阪に到着し、カルガモを受け取って岐阜に帰ってきました。   着いてまず、体重測定や、健康状態のチェックなどを行います。     ひと通り確認も終えて、いよいよ展示水槽にデビュー!!・・・と言いたいところですが、新しい場所に来てまだ慣れていないので、展示水槽には出さず、一晩、展示水槽内にある隔離小屋にて過ごしました。     そして翌朝、正式に展示水槽デビューです! 初めは、植栽の茂みに隠れていましたが、最近では、前に出てくることも多くなってきました。   ちなみに、それぞれ黄色と黄緑色のバンドを足につけていますので、ぜひこの水槽の前を通った際には探してみてくださいね!   では!     Tweet

ヒダサンショウウオ幼生の常設展示開始
  • 両生類

ヒダサンショウウオ幼生の常設展示開始

4Fから3Fへ下りるスロープにある通称スロープ水槽。 この一番上の水槽にヒダサンショウウオの幼生を展示しました! 第一弾として7匹の幼生を展示しています。 この個体たちは当館で今年繁殖した個体になります。   卵嚢から出てきてすぐの頃はこのように外鰓が羽のようで何とも儚い感じでしたが、約1か月でずいぶんしっかりした体型になりました。   できるだけ長い間展示したいのですが、水槽の構造上、変態したら展示終了となります。野生下では幼生のまま越冬する個体もいますので、越冬幼生がでてくれることを祈りたいと思います。 (水温をしっかりと下げたりできれば変態時期を遅らせることは可能なのですが、いかんせん水温操作ができない水槽なので…、祈るのみ。)   もともとこの水槽には、ハコネサンショウウオの幼生も展示しています。 岐阜県内の渓流でも目にすることの多いヒダ幼生とハコネ幼生。同じサンショウウオの幼生とはいえ、姿かたちはかなり違っていて、見比べるととても面白いですよ。   Tweet ;

カワムツの作戦
  • 日本の淡水魚

カワムツの作戦

営業再開からしばらくの間、ふれあい水槽のエサやり体験はお休み。 その間、魚たちのエサは、スタッフが毎朝開館前に与えていました。   私はエサやりの前に水槽の掃除をしているのですが、掃除道具を水槽に入れてごしごししていると、手にカワムツが当たることが何度もありました。   最初はうっかりぶつけてしまったのかと思い、 「ごめん、当たっちゃった?大丈夫?」 と気を付けていたのですが、繰り返しぶつかってきます。   そもそもカワムツは泳ぎが遅いわけではなく、人間の手の動きを避けることなど朝飯前です。 よく見てみると、カワムツはわざと私の手をつついているようでした。     これは・・・エサくれって言ってるのかな? 更に観察を続けると、どうやらいつも同じ1匹の個体が寄って来ているみたいです。   以前はこんなことは一度もありませんでした。掃除のとき魚は遠くに逃げてしまい、こちらに近づいてこなかったのに。     エサやりをするとき、体の大きなウグイが優先的にエサを取り、小さなカワムツたちはその合間を縫ってこぼれたエサを拾っています。 掃除のときウグイは近寄ってきませんので、このカワムツは「ウグイのいないところでゆっくりエサをもらいたい!」と思っているのかもしれませんね。     それにしても、私の手にくるくるまとわりついてくるカワムツは可愛いです。 ので、掃除のときはエサを少し持って行って、ウグイに見つからないよう、こっそり手渡しであげています。カワムツの作戦勝ちですね。       Tweet

婚姻色コンテスト!
  • 日本の淡水魚

婚姻色コンテスト!

こんにちは。 毎日暑いですね~…。 魚のように水中で暮らせないかと思う今日この頃です…。(笑)     さて、当館の魚たちはというと、あちこちで恋の季節を迎えています。 日本産淡水魚のオスの多くには、繁殖期になると美しい婚姻色が現れます。 今回は、私の一押しの婚姻色がキレイな魚たちをご紹介♪ ハリヨ   ヌマムツ     オイカワ     どうでしょうか…♪ 普段は地味な色合いの魚たちがこのようにイメージチェンジ!!   日本産淡水魚=地味な魚というイメージが強いですが、繁殖期を迎えると、このように美しくなります…♪ この魅力がたくさんの人々に伝わりますように…。   Tweet

モトロ、ちょっと成長
  • バックヤード

モトロ、ちょっと成長

こんにちは。 今日は「やっと会えた」の続報です。 4月17日に産まれたモトロの赤ちゃんは、2匹とも元気にしています。 毎日、こんなにも食べるんか!!と思うほど、たくさんエサを食べます。   先日、少し広い水槽へ引っ越したのですが、その時に体盤の大きさをはかってみました。 産まれた時には10cmだったのが、14cmになっていました。 体には厚みが出て、力強く感じられます。模様もくっきり。   2匹のドットの数は全然違いますね。   トレードマークともいえる尾の毒トゲも、ばっちり生えました。 (出生時は毒トゲはありません。)       さて、魚なのに赤ちゃんを産むってどういうこと?!と疑問に思われた方もいらっしゃるようなので、少し説明します。   まず、エイはサメと同じ板鰓(ばんさい)類というグループになります。 共通の特徴として、エラ孔(あな)がスリット状をしています。 このエラ孔がお腹側にあるとエイ! このエラ孔が背中側にあるとサメ! となります。     では、繁殖についてです。 板鰓類のオスには、クラスパーというおちんちんがあります。   しかも2本あります。   これを、メスの体内に挿入して体内受精させます。     ここからが色々なんです。   大きくは、卵生(卵を産む種)と胎生(赤ちゃんを産む)に分けられます。 胎生はさらに、 ①卵黄依存型 ②卵食・共食い型 ③組織栄養型 ④胎盤型 というふうに、お腹の中で胎仔が何を栄養にして育つのかで分けられます。   ①は、卵内にたっぷり栄養があり、それを吸収して育つ。 ②は、お腹の中でお母さんが排卵した栄養卵を食べたり、胎仔同士が共食いしたりして育つ。 ③は、子宮内壁から分泌された栄養を摂取して育つ。 ④は、子宮内に形成された胎盤から、へその緒を通じて栄養をもらって育つ。   と、多様です。 しかも①→②、③→②と、組み合わせるものもいます。   モトロは、これの③にあたり、その中でも、子宮内の絨毛(じゅうもう)から分泌される子宮ミルクを飲んで育つ「子宮ミルク型」になります。   モトロの繁殖の仕組み、お分かりいただけましたでしょうか? これは、今、私の手元にある本を参考にしていますが、 板鰓類の繁殖様式については、どんどん新しいことが分かってきていますし、 研究者によっては、分け方が違う場合もあります。     それにしても、魚なのに体内でミルクを与えて赤ちゃんを育てて出産するって…。 奥が深いですね。   産んだお母さんはそれからどうしているのかというと…、おそらくまた妊娠していますよ!   次も元気な赤ちゃん産んでくれるといいなぁ。   モトロの赤ちゃんの展示は、今のところ未定ですが、いつか必ず…。 それまでは動画でお楽しみください。   Tweet ;

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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