開催中の企画展 『世界のハイギョ』 では、 世界中のハイギョをなんと全種類!展示しています。 ハイギョはアフリカに4種、南米に1種、オーストラリアに1種、 全部で6種いるのですが、それぞれおもしろい特徴があります。 ということで、6種のハイギョたちについて 少しずつブログでご紹介していきたいと思います。 今回の主役はこちら。 南米アマゾン川などに生息している、「レピドシレン・パラドクサ」 です。このハイギョは南米大陸の広い範囲に分布しています。 かつて北米や南米にはハイギョが数多く生息していましたが、 生息環境の変化や外敵の出現などで絶滅してしまい、 今ではこの一種のみとなってしまいました。 南米ハイギョは他のハイギョに比べて極端にヒレが短く、 成熟したオスの腹ビレ(胸ビレにもあるという説も...)には このような 糸状の突起があらわれるといわれています。 ところで、この聞きなれない名前「レピドシレン・パラドクサ」には 『 レピド=鱗、 シレン(サイレン)=両生類の仲間、 パラドックス=矛盾 』 つまり、 “鱗がある両生類” という意味があります。 その名前が意味するとおり、 当時は両生類の仲間なのか、魚類の仲間なのかわかっていませんでした。 他のハイギョもそうですが、実際に観察してみると 水の中で生活していて鱗があるけど、 ヒレは手足みたいになんともいえない形だし、 魚なら顔の外側にあるはずの鼻も見当たらない。 さらには人間と同じように水中では呼吸できず、 定期的に息つぎをしている! ...と、魚だとわかっても、不思議な生き物だと感じます。 南米のハイギョは、飼育をしてみると更に不思議です。 他の種類のハイギョは比較的水槽の中でじっとしていて 動かないことが多いのですが、 このハイギョは昼でも夜でも結構活発に泳ぐのです。 飼育下で慣れただけなのかな?と思い、 現地アマゾンでハイギョを捕まえたことがある おひげの立派な飼育スタッフ国崎さんに聞いてみたところ、 「ぬるぬるしてて、よく動いたよ。」と言っていました! 国崎さんによると、現地ではこのような 沼地の植物などが繁茂する環境にすんでいるそうです。 その様子を再現し、展示の水槽は 水面が隠れるほどのたくさんの浮草をレイアウトしました。 繁茂する浮草をかきわけ呼吸をする姿は躍動感があり、 水面にでてきた吻先(ふんさき)は、なかなかわいらしいですよ。 こちらの水槽とは別に ハイギョを真上から観察できる水槽も用意しました。 呼吸する瞬間はなかなか見ることはできませんが、 粘って見ることができたら、この気持ちを共感して貰えるかもしれません。 いろんなお話をしてしまいましたが、 少しハイギョに興味を持っていただけたでしょうか。 まだまだ、ハイギョの魅力はいっぱいあります...! 次のハイギョ紹介ブログをお楽しみに。 ツイート