おもしろ飼育コラム

水族館の裏側を見学しよう!
  • イベント
  • バックヤード

水族館の裏側を見学しよう!

みなさま こんにちは   当館を楽しむ方法の1つにバックヤードツアーという体験プログラムがあります。   バックヤードツアーとは水族館の裏側を見学するツアーのことで、飼育スタッフが当館の裏側をご案内します。   常設展示を楽しんだ後にバックヤードを見学するも良し、常設展示を見学する前に先に裏側を見学するも良し。楽しみ方はそれぞれなのでどちらでも楽しめますよ。     参加するとどんなことが知れるのかと言いますと、水族館の役割や飼育設備、飼育スタッフの仕事などがわかります。       もう少し具体的に紹介しますと 両生類、は虫類のごはん(コオロギ)を育てている部屋の見学。     コンゴ川の水槽を飼育スタッフの目線で見学。 見学した後は、水槽の魚にごはんをあげる体験も。     予備水槽のコーナーでは当館の繁殖について学び、 バックヤードでしか見られない生き物に出会えるかも。     他にも生息域外保全の場所を見学できるなど内容が濃くとても面白いです。   全部お伝えしたいところですが、あとは参加してからのお楽しみにしてください。   今回紹介した内容は、ツアーの中でも見所です。私のおすすめポイントでもあります。 飼育スタッフと楽しい時間を過ごすことができます。 飼育や生き物について深い話も聞けちゃうかもしれませんよ。     バックヤードツアーのご案内とお申し込みはこちらから みなさまのご参加お待ちしております。

モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!
  • アクア・トトの生き物

モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!

みなさんこんにちは、梅雨入りしてジメジメの蒸し暑い日が続きますね。この時期は苦手な村上です。   さて、そんな季節ではありますが多くの魚が繫殖期を迎えています。   今回は当館で繫殖した魚の稚魚を新しく展示したので紹介したいと思います!   まず1種類目がこちらの魚   1種類目はモツゴの稚魚です。 モツゴは繫殖期を迎えるとオスが石や流木になわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     展示水槽で撮影したモツゴの卵の写真がこちら       よーく観察してみると… 卵の中にモツゴの赤ちゃんがいるのがお分かりいただけるかと思います。まるで卵の中からこちらを見ているかのような目力です。     ちなみに成魚になるとこのような姿になります。         続いて、2種類目に紹介する魚の稚魚がこちら   ゼゼラです。ゼゼラも繫殖期を迎えると、オスが水草の根などになわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     こちらは卵の写真です。丸いつぶつぶがたくさんあるのがお分かりいただけるでしょうか。卵はゼリー状になっていて、粘着性があるため産卵場所にしっかりと付着し、さらに砂や泥がくっついてカモフラージュされます。   そしてゼゼラの成魚がこちら         まだ2種類とも成魚のような模様はなく、成長と共に徐々に模様が現れてきます。現在は動物プランクトンを食べてすくすく成長中です。   そして、稚魚が日々成長していく姿を観察している私自身も勉強になり成長しているはずです、、、。   さあ、そんな2種類の稚魚は水族館3階の「里山の生き物」水槽で展示中です!         ちなみに成魚のモツゴとゼゼラも他の水槽で展示していますよ! モツゴは3階「下流の魚」の水槽         ゼゼラは3階「岐阜県の希少淡水魚」の水槽 で展示しています。今回の展示を機に成魚と稚魚の違いを見比べてみてくださいね!!! 私のコラムいかがだったでしょうか、これからも面白い出来事や発見があればコラムを通してみなさまにお伝えできればと思います。   それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!  

すくすく水草成長中 Part 1
  • アクア・トトの生き物

すくすく水草成長中 Part 1

みなさまこんにちは。山下です。   最近の山下は少し水草にハマってきています。 やはり魚をはじめとした、当館で飼育している多くの生き物は、いい感じの水槽レイアウトがあってこそ、その魅力が引き立つと考えます。そのいい感じのレイアウトに欠かせないのが水草だと思います。 これまで当館の水草はけっこう種数が少なく、同じようなものばかりだなぁ、と感じることが多々ありました。そこで、新たに育てられる水草はないかと試行錯誤しているところです。     すくすく水草コラムでは、今のところいい感じに育っている水草をご紹介したく思います。山下、本当に水草初心者です。新規水草に挑戦するためにたびたび勉強しております。学んだことをコラムに備忘録かのように書いていこうかと思いますので、果たしてPart何までいくのか、ご期待ください。     記念すべきPart1の水草はこちら! トチカガミです。秋ごろに会社の先輩が見つけてきてくださったものを、暖かくなってきたので展示に出してみました。   トチカガミはおもにため池や水路などで見られる水草です。浮葉植物といって、地面に根を張ることなく、水面に浮かぶタイプの水草です。葉っぱの裏側には浮嚢というふくらみがあります。 こんな感じです。この浮嚢、よく見ると空気が入った小さな部屋のようなものがいくつもあるような構造になっています。これは水面に浮くわけですね。試しに水中に葉を沈めてみると、一瞬で浮かび上がってきました。   図鑑を読んでみると、どうも葉が多くなりすぎると、空気中へと葉を伸ばし始めるそうです。空気中に出た葉では浮嚢は無駄な構造になるのか、あまり見られなくなるそうです。環境に合わせて変化する葉、面白いですね。     さてそんなトチカガミ、水に浮かべておくと、あれよあれよという間に大きくなっていきます。走出枝という茎のようなものが横へ横へと広がり、途中にできる節から、新たな葉が出てきます。 こちらの写真は新たな葉が出てくる様子を撮影したものです。生命の息吹を感じられてとても良いですね。     では実際にどれくらい成長しているのか、水槽に水草を入れたばかりの頃の写真と、現在の水槽の写真を比べてみましょう。 入れたばかりの頃の様子はこちら。 ちょっと寂しい感じがしますね。頑張って増えてくれ~と思いながら控えめに投入しました。     そして現在はこちら。 かなり葉が増えています!素晴らしい成長ですね。悪くなってきた葉をじゃんじゃん剪定しながらもこの状態です。次々と新しい葉が出てきます。     さらに図鑑を読んでみると、気になる記述がありました。根は根毛が発達するそうです。水槽に入れたトチカガミの根を見てみると… 確かにかなり発達しています!もうフッサフサです。可愛いですね。     水草、細かく見ていくとそれぞれに興味深い特徴があって楽しいです。そんな中で今私が待っているのは、トチカガミの花を見ることです。トチカガミの花期は8~10月だそうです。花が咲いたらSNSに写真をアップしようと思います。みなさまもSNSを楽しみにお待ちください。もちろん当館に実際に足を運んでいただき、トチカガミの成長を一緒に見守っていただけるとより嬉しく思います。   現在トチカガミは里山の生き物水槽でのみ、展示しております。今後も水槽内でどのような成長を見せてくれるのかを楽しみにしながら、日々を過ごしていきたいと思います。   最後までお読みいただき、ありがとうございました。 また次のコラムでお会いしましょう!

プレアクア・スクール
  • イベント

プレアクア・スクール

5月に未就学時児向け学習プログラム プレアクア・スクール「草花あそび」を開催しました。 身近な草花について五感を使った遊びで体験します。     タンポポの種を風に乗って飛ばそう! お決まりかもしれませんが夢中になります。 ※私も吹き飛ばしました   その後はタンポポの茎を使ったシャボン玉飛ばしや、色々な葉っぱでの草笛体験も行いました。     次は、様々な押し花と、花や葉から抽出した自然の絵の具を使った作品づくり。     そのほかにも葉や花にいる虫たちも観察して植物と虫との繋がりも少し勉強しました。     私は初めて運営する内容のプログラムで不安でしたが、あっという間に時間は過ぎてしまい足りないくらいでした。 一緒になって夢中になり幼少期の自分を思い出しました。   ひとつの場所に留まってじっくりと腰を据えてみると、草花だけでこんなにも学びがあるのだと実感しました。   参加者が家に帰ってからもお家の方々と自然に触れ、遊び学ぶきっかけ作りとしてこれからもサポートしていきたいです。 本当にありがとうございました。

夏休みを前に!
  • 企画展・特別展示

夏休みを前に!

こんにちは。体験学習班の大島です。   ただいま梅雨の真っただ中ということで、このところ雨の日が続いていますね。そして梅雨が明ければ、夏がやってきます。 夏といえば、カブトムシとクワガタムシっ! ということで、6月21日から「夏はやっぱりカブトムシ!クワガタムシ!」を開催します。   今、3階では展示準備を進めていますよ。 その様子を一足早くお伝えしますと、こんな感じです。 水槽の設置に、ちょっとアレンジを加えてみました   国産カブトムシ、クワガタムシ用の展示ケースは手作りです       展示種はといいますと… 金色のボディをもつ大迫力のあのカブトムシや   アゴの曲線美がたまらないあのクワガタムシなど     時期的に早いのか国産のカブトムシ、クワガタムシの姿をまだ見ていません…。 国産種については、これから少しずつ数を増やしていく予定です。 夏休みにはたくさん展示できるといいな~と願っております。     また、この展示の開催にちなんで、クルミの殻を材料にした「カブトムシのマグネットを作ろう!」も企画しています。 これまでの当館のワークショップに比べると、少し難易度高めです(汗) 詳しくは、ホームページなどでお知らせします。     楽しみにお待ちくださいね!   さ、設営、設営…。

クロベンケイガニを育てる
  • アクア・トトの生き物

クロベンケイガニを育てる

こんにちは。 今回はクロベンケイガニの繁殖のおはなしです。   まず、クロベンケイガニとはこんなカニ。紫色のはさみ脚が特徴です。   川の下流から河口で見られ、岸辺の土手に穴を掘ってくらしています。   当館では「下流の生き物水槽」で展示しています。 隣の「河口の生き物」水槽にいるハマガニとアシハラガニは、去年と一昨年に繁殖できたので、今年はぜひとも下流の生き物水槽のクロベンケイガニ、ベンケイガニ、アカテガニのどれかの繁殖を成功させたいと思っていました。     5月3日、予備槽から母ガニを、安全に幼生を放出できる場所へ移動させました。     その2日後の5月5日に無数のゾエア幼生が産まれました。     ゾエアは海中でプランクトン生活を送りながら、さらに小さな動物プランクトンを食べます。     ゾエア期に4回脱皮をして、その4回目の脱皮でメガロバ幼生に、さらにもう一回脱皮をしてカニの姿になります。   ゾエアⅠ期→ゾエアⅡ期→ゾエアⅢ期→ゾエアⅣ期→メガロパ幼生→稚ガニ   という具合。     孵化から13日後にはメガロパに、 それから8日後にはみごとに稚ガニになりました。     甲長1mmちょっと。すごく小さくてゴマみたいですが、ちゃんとカニの姿をしています。       さて、幼生を放出した母ガニはというと…。 なんと!幼生の放出から数日後にはまたお腹が膨らんでいて卵を抱えていました。 オスがいないのにびっくりです。     クロベンケイガニやその近縁のカニの場合、交尾をしてオスの精子をメスが体内に貯めておき、それを産卵のとき(お腹に卵を抱くとき)に使って受精させるのですが、今回のように2度目の産卵にも、その貯めておいた精子が使えるということは知りませんでした。     クロベンケイガニは珍しいカニではありません。川の下流や河口に行けば必ずといっていいほど姿を見ることができる身近なカニで、これまで長い間当館で飼育していたカニでもあります。それでも、まだまだわたしが知らないことにあふれていて、改めて生き物の偉大さを感じました。     今回育った稚ガニたちはおそらく2年後ぐらいに展示水槽へデビューできる大きさになるかと。それまで大切に育てていきます。    

子育て応援企画『おさかな、いこう♪』がはじまります
  • イベント

子育て応援企画『おさかな、いこう♪』がはじまります

2025年6月10日(火)から、子育て応援企画『おさかな、いこう♪』がはじまります。 毎年2~3月の寒い時期と、6~7月の梅雨時期に開催していて、今回が第6弾となります。     そもそも… 当館は公園の一角に位置することもあり、平日には1~3歳くらいの小さなお子様と親子で遊びに来てくださるお客様を多く見かけます。   水族館のイベントは休日が中心です。平日に「なにか楽しんでいただくことはできないかな」、「気軽に何度でもお越しいただけないかな」そんな思いからこの企画はうまれました。     さて、第6弾となる子育て応援企画『おさかな、いこう♪』。 イベントの内容はこちらのページでご覧ください。   このコラムは、前回2月にご紹介した内容と重複する部分もありますが、初めて水族館にお越しいただく方に向けて、少しだけ役立てば良いなという情報をご紹介します。担当者の私見ですのであしからず…。   ベビーカーで行けるの? 館内はエレベーターで4階まで上がり、3階、2階、1階へはすべてスロープで降りる構造になっています。 4階、2階の一部を除き、ほとんどの床はカーペット敷きになっているので、ベビーカーでもガタガタ感はありません。 歩くことができるお子様には、格好のお散歩スポットです。 ちなみに、水族館の入り口から最も近い駐車場は、一般道の中央駐車場です。     こどものトイレやオムツ替えは? 1階のミュージアムショップ横(入館前)、館内1階(カピバラの近く)、館内2階(メコン川淡水環境研究所)にトイレがあり、男女とも各トイレにオムツ替えの台を設置しています。 また同じ場所に多目的トイレもあり、こちらにも設置しています。 4階~3階にはトイレがありませんので、オムツがパンパンかも?という場合は、入館前にミュージアムショップ横のトイレをご利用ください。   こども用の便座シートは、各多目的トイレに設置しています。     こども用のトイレは、館内1階(カピバラの近く)の女性用トイレ内に2か所あります。   大人がトイレに行くときは? 各所のトイレの個室に、男女とも各1部屋ベビーキープを設置しています。 たくさんの個室が並んでいる場合は、一番手前の個室をご確認ください。 個室内は広くないため、ベビーカーの持ち込みは難しいと思います。     授乳室は? 1階のミュージアムショップ横に授乳室があります。女性のみがご利用いただけるお部屋になっており、部屋内はカーテンにより2ブースに仕切られています。 あまり広くないので、大型のベビーカーの持ち込みは難しいかもしれません。 お湯の設置はありませんので、通路を挟んだレストランでお声がけください。 尚、こちらが使用中の場合は、公園内の授乳室もご利用ください。 水族館の目の前にある観覧車の下、岐阜おみやげ川島店店内、ひだまりホール、自然発見館に設置されています。     ベビーカーのレンタルは? 7か月~2歳のお子様用のベビーカーを無料で貸し出し可能です。ただし数に限りがありますので、いつも乗るお子様なら持参いただく方がおすすめです。     雨が心配なこの時期。「おさかな、いこう♪」とお出かけしてみてはいかがでしょうか。 それでは、水族館でお待ちしています!  

いきものそっくり大変身!
  • 企画展・特別展示

いきものそっくり大変身!

みなさまこんにちは。 4月19日から始まった企画展「そっくりないきもの」も早いもので折り返し地点を迎えます。 今回は、企画展連動イベントとして、参加者自身が様々な生き物そっくりになっていただく、先日実施した生き物の着ぐるみ体験イベントの様子を少しですが紹介したいと思います。   まずは、この着ぐるみを見てください。   これはすべて手作りの一点物です。 「すごくないですか!?」 初めて見た時はそのクオリティーに驚きました。 私にはこんなすごいものを作ることはできませんので、今回は福島県にあるアクアマリンいなわしろカワセミ水族館さまから特別にお借りしてイベントを行うことができました。 この場を借りてお礼申し上げます。 どれも生き物を再現する精度が高くて、細かなところまでこだわりが詰まっています。スタッフで告知用の写真を撮るときも思わず時間を忘れてはしゃいでしまいました。     私自身着ぐるみ体験のイベントを行うのが初めてだったので、準備や当日の流れなどに不安な部分もありましたが、実際に体験された方の楽しそうな様子を見てほっとしました。     貴重な着ぐるみという事もあり、いつ来ても体験できるわけではないのが心苦しいですが、今後は6月14日(土)と7月5日(土)の11:00-12:30に予定しています。 有料(1着100円)イベントにはなりますが、気になる方はこの機会にぜひアクア・トト ぎふに遊びに来てくださいね。   イベントについて詳しくはこちら

そっくりないきもの展 見どころその3
  • 企画展・特別展示

そっくりないきもの展 見どころその3

みなさまこんにちは。 企画展「そっくりないきもの」も、あっという間に開始からひと月がたちました。 過去の飼育コラムで紹介した見どころに続いて、今回は海でみられるそっくりないきものたちを紹介します。     まずは、こちらの写真をご覧ください。   水面近くで横たわっているのはマツダイという魚です。幼魚のうちは海の表層を漂う枯れ葉や、ホンダワラなどの流れ藻に紛れて生活しています。 行動が面白いのでぜひ紹介したい種でしたが、なかなか入手が出来ずに展示できないかも…となかばあきらめていたところ、伊勢シーパラダイスさまよりお借りすることができて展示することができました。 展示ではごはんの時間以外は横たわっているので、見るたびにちゃんと生きているのか不安になります。     あとは、石のようにじっと動かずに獲物を待ち伏せするオニダルマオコゼ、体の一部を使って小魚をおびきよせるイロカエルアンコウもいます。     海には毒を持つ危険な生き物にそっくりないきものもいます。現在は有毒のシマキンチャクフグにそっくりなノコギリハギと、毒のトゲを持つミナミゴンズイにそっくりなコンビクトブレニーを展示しています。   このミナミゴンズイにはなかなか苦戦しました。ゴンズイ玉と呼ばれる群れを作るくらいの全長5㎝ほどの個体を飼育していますが、以前飼育した先輩からは「とにかくごはんはしっかりあげること!!」と聞かされていました。他の魚たちよりも回数を多く給餌して対応していましたが、それでもやせる個体がでてきて「これはマズイ…」と回数をさらに増やし、他の魚たちのごはんとして使用している冷凍アユが卵を持っていた場合にはそれをあげたりして、なんとか展示を維持することができています。   そんなミナミゴンズイたちの展示も6月中に別の生き物に更新しようかと考えています。コンビクトブレニーがミナミゴンズイに似ているのは幼魚の間だけで、成長して模様が変化してきたので、そろそろ選手交代です。どんな魚か気になる方はお早めにお越しくださいね。

あの有名なカエルが…!?
  • 日本の両生類

あの有名なカエルが…!?

みなさまこんにちは。展示飼育部の山下です。 今は2025年5月です。2025!?時が進むのが早すぎます。体感2024年の5月です。入社してはや1年が経過したのですね…。     さて気を取り直して2025年5月。暖かな日が増え、雨が降るとカエルの鳴く声が聞こえてくる季節になりました。みなさま、カエルについては昨年12月にとあるトピックがあったのをご存じでしょうか。実はみなさんもよくご存じの生き物が2種類に分けられたので、ご紹介しようと思います。その生き物とはこちら! Dryophytes japonicus ニホンアマガエルです!     これまで、日本全国に広くニホンアマガエルが分布するとされていましたが、実はニホンアマガエルという種類は遺伝的に異なる2集団に分けられる、ということがわかっていました。 そして先日、愛知教育大と京都大学の研究グループにより、ニホンアマガエルとは異なる集団がDryophytes leopardus 新標準和名ヒガシニホンアマガエルとして新種記載されました。     ニホンアマガエルは近畿地方の辺りを境にして、日本の南西部と韓国などに分布し、ヒガシニホンアマガエルは日本の北東部とサハリンなどに分布するそうです。岐阜の個体はニホンアマガエルではなく、ヒガシニホンアマガエルの集団に含まれることになります。当館の種名板も今回の記載を受けて更新しました。   「なんで岐阜が含まれる集団の名前が変わったんだ!岐阜が含まれる集団はニホンアマガエルのままで、南西の集団をニシニホンアマガエルにしたらいいじゃないか!そうしたらわざわざ水族館の種名板を更新しなくてもいいじゃないか!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ところがそうもいかないんです。     新種を記載する際には、その生物のここがほかの生物と違うんですよ、という特徴を保証するためのタイプ標本というものを指定する必要があります。ニホンアマガエルという種類を記載する際に指定されていた標本の特徴は、南西の集団でよく見られる特徴と合致することがわかりました。 そのため、真のDryophytes japonicus ニホンアマガエルはおそらく南西の集団のことであり、北東の集団に新しく学名を付ける必要がある、ということになりました。 そのため、北東の集団にDryophytes leopardus ヒガシニホンアマガエルという名前が付けられたのです。このあたりの話はけっこう複雑ですので詳細は省きますが、気になる方はぜひご自分で調べてみてください。     「じゃあその特徴ってのはなんなんだ!」という方もいらっしゃると思うので、これからご紹介します。 どうやらヒガシニホンアマガエルは太ももの裏側にヒョウ柄模様が見られる場合が多いようです。当館で展示している個体を確認してみると… 確かに、白と黒のまだら模様がなんとなくヒョウ柄のように見えます。 ヒガシニホンアマガエルではこのヒョウ柄模様が見られる場合が多いため、ヒョウを意味するleopardus という種小名が付けられました。 ニホンアマガエルではあまりまだら模様にならず、一様な模様になることが多いようです。 ただ、この特徴だけで完璧に2種を区別することは難しく、中にはヒョウ柄模様のあるニホンアマガエルがみられる可能性があるそうなので、注意が必要です。 ぜひみなさんも、家の近所のアマガエルを見てみてください。めちゃくちゃヒョウみたいな模様してる!みたいな発見があるかもしれません。     今回のコラムはいかがでしたでしょうか。なんとなくニホンアマガエルがどうなったのか、理解していただけましたでしょうか。私はこのコラムを書いてみて、簡単に説明することの難しさを痛感しております。 ヒガシニホンアマガエルの記載論文は、調べたら誰でも読むことができます。気になる方は読んでみてください。このコラムでは記載論文のほんの一部しか紹介できておりません…。   それではまた次のコラムでお会いしましょう!

2ページ(全153ページ)

本日の開館時間

9:30-19:00

最終入館 18:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

年間パスポート
のご案内