おもしろ飼育コラム

魚闘病日記パート①
  • 治療

魚闘病日記パート①

みなさん、こんにちは! インフルエンザが流行する時期になりましたが、対策はばっちりでしょうか?   今回は、こちらのホトケドジョウが主役です。   11月某日に展示水槽の中で尾鰭の付け根が赤いホトケドジョウを発見しました。 細菌感染が疑われるため、早速、隔離して抗生物質の薬浴を開始しました。   薬浴とは、薬剤を溶かした水で飼育し治療することで、薬浴を実施する時間は薬剤や症状によって異なります。今回は1時間の薬浴を4日間行いました。     薬浴用の水槽に毎日移動して行っていましたが… 移動がストレスになり、免疫力が低下したことにより、尾鰭に水カビが発生してしまいました…。 ※綿のように白く見えるのが水カビです。   急遽、抗生物質の薬浴を中止し、水カビに対応するために塩水浴に切り替えました。塩水浴とは、塩を溶かした水で飼育し治療することです。 塩水浴のおかげで、水カビの発生は収まったものの、大部分の尾鰭は消失してしまいました…。   その後は、抗生物質を少しずつ追加していく方法に変え、尾鰭の付け根の赤みは無事に消失しました。     現在は、消失した尾鰭の回復を待っているところです。   少しずつ、尾鰭が良くなってきているのがお分かりいただけるでしょうか⁈ 後日、無事に展示水槽に再びデビューしました。   ※写真は、極力、魚にストレスを与えないように遠くから撮影したものを拡大しているため、見えにくいものとなっております。ご了承ください。   Tweet

水生昆虫の冬越し
  • アクア・トトの生き物

水生昆虫の冬越し

急に寒くなってきましたが、皆さんは風邪などひいてないですか?   寒くなると冬眠する生き物といえば、すぐに思いつくのはクマやリスといった哺乳類ではないでしょうか。 昆虫ですとテントウムシやカメムシが、集団で木の皮の間などで越冬しているのを見かけた方もいらっしゃるかもしれません。     そして、水生昆虫も越冬するのですが、どんなふうに冬を越すと思いますか? 自然下では、流れの緩やかな用水路やため池の中などで越冬する水中越冬や、山や田んぼの落ち葉やわらの下などで越冬する陸上越冬が見られます。   当館で展示しているタガメなどの水生昆虫は、館内の空調や水温管理により、冬眠させていませんが、バックヤードで飼育してる予備個体は冬眠させています。 飼育条件を自然環境に近づけることで、冬場の体力を温存させ、翌年の繁殖がうまくいくようにしているのです。 ゲンゴロウは気温が下がっても餌を食べて動き回っているので、冬眠はさせていません。   では、当館における水生昆虫の冬眠方法を紹介します。 まずプラケースにミズゴケを敷き詰めて、その上に水生昆虫を置いておくと、自分たちでミズゴケの中に潜って動かなくなります。       ミズゴケの中に入っている様子   そうなったら屋外に置いておきます。こうしておくと、翌春まですやすやと冬眠します。   春までの期間はミズゴケが乾燥しないように、適度な水分を補充します。 春になると、ミズゴケの中から這い出してきて水場に行こうと動き出し、すぐに餌を食べ始めます。 来春に元気に出てくる姿を楽しみにしつつ、水生昆虫の冬眠を見守っています。     Tweet

パンタナール展~第2章~のいきもの
  • 企画展・特別展示

パンタナール展~第2章~のいきもの

ついに始まりました、パンタナール展第2章。 ひと際大きな水槽に、大きなインコが2羽。   ルリコンゴウインコです。 2羽には名前がついており、「サンゴ」と「ミョン」といいます。     右がサンゴで、左がミョンです。   一見見分けが・・・つきませんね。 見分け方は、顔が大きい方がサンゴ、小さい方がミョン・・・。 あとは、くちばしの形が違っていたり、黒目の大きさが違っていたりします。 性格も違い、サンゴは強気ですが、ミョンはビビりです。   さて、今は環境にも落ち着いていますが、アクア・トトへ来た当初は警戒していたようで、人が通るたびに「ギャー!ギャー!!」と大音量。 飼育スタッフも耳をふさぐほどの鳴き声でした。 展示が始まったら企画展エリアはどうなってしまうのか心配していましたが、どうやら落ち着いてくれたようです。 まだ、掃除のときなどには叫ばれることもありますが、大半は穏やかに過ごしています。   鮮やかな羽根の色に魅了されますが、くちばしの力は強く、挟まれるとペンチでギュッとされた感じの痛さだとか・・・。   簡単な言葉も覚えるようですので、なにか会話できるようになる日がくるといいなぁと思う日々です。   ちなみに、横からのぞける秘密の窓もありますので、こちらからもご覧ください。 運が良ければ、金網にへばりつく脚の裏が見られるかもしれません。     Tweet

2019年生まれのナガレタゴガエル
  • 日本の両生類

2019年生まれのナガレタゴガエル

4Fで展示しているナガレタゴガエル。繁殖期のオスは皮膚がたるんでビロビロになることで有名です。当館では展示水槽内で毎年産卵していますが、ここ数年は未授精でした。   そこで少し環境を変えてあげたところ、今年は受精卵を得ることができました。幼生は餌を与えなくても変態するし、上陸幼体もコオロギの幼生を食べれる大きさだし、最高!と言いたいところですが、1点だけどうしても困ることがあります。   幼体の動きがとても早いのです…。まるで残像が見えるようなレベル! 飼育しているプラケースのフタを開けた刹那、複数個体が四方八方にジャンプして逃げていったときの恐怖といったら。 それ以降、フタを大きく開けて管理作業をするときは、捕獲担当スタッフを配置しています。     さて、展示水槽内のナガレタゴガエルたちの現在はというと、野生個体同様、水中にいることが多いため少し見えにくいのですが、2月くらいになると水槽内でもこのように抱接シーンをご覧いただけると思いますので、ぜひお楽しみに。       Tweet

お尻の穴の話
  • アクア・トトの生き物
  • 企画展・特別展示

お尻の穴の話

開催中の企画展「ブラジルパンタナール大湿原~第2章残された森~」には、大きなハイギョ「レピドシレン・パラドクサ」を展示しています。   ハイギョは、足のように細長く伸びた胸びれと腹びれが特徴です。 ある日このレピドシレンを眺めていたところ、右の腹びれの後ろにピンクのおへそのようなものを発見しました。 これは総排泄口、つまりお尻の穴です。 人間はおしっことウンチが別々の穴から出ますが、魚類や鳥類などでは同じ一つの穴から出ます。この穴が総排泄口です。   それにしても普通、お尻の穴というものは、生き物の体の正中線(真ん中)上にあるものですが、このレピドシレンのは右に偏っていますね。 調べてみると、ハイギョはオスもメスも、写真のように総排泄口が左右どちらかにかたよっているのだそうです。 しかも聞くところによると、右に寄るか左に寄るかは、1匹ずつ違うのだとか!   ものすごく気になったので、バックヤードにいる別のレピドシレン・パラドクサを見てみました。 するとこちらは左寄りでした!   右と左、割合は半々なのか? それとも右が多いとかあるのか?? 地域によって割合に差があったりとかするのか??? もっとたくさん調べてみたくなりました。 本当に個体によって違うのですね。面白いなあ・・・。   みなさんもどこかでハイギョをご覧になったら、お尻の穴をチェックしてみてくださいね。 そして、「どこそこのハイギョの総排泄口は右だった」と私に教えてください。 Tweet

ニューフェイス展示しました!
  • アクア・トトの生き物
  • 新しい展示

ニューフェイス展示しました!

今回は「アマゾンの魚Ⅰ」水槽に新しく展示した魚を紹介します。 名前はブリコンといいます ぶり大根とは違いますよ   夏から第1章、12月からは第2章とロングランで開催中のパンタナールの企画展の中で、映像や写真にも登場してきた、ピラプタンガという魚がいますが、ピラプタンガは現地名であり、ブリコン属(Brycon)というグループになります。 ブリコンの仲間は40種ほどが確認されているようです。けっこう種類がいますね。 今回は、アマゾン川水系のコロンビア産のピラプタンガが仲間入りしました。   実はこの魚、数か月も前からバックヤードで養生してきたのです。 予備水槽に搬入されてからというもの餌をまったく食べず、驚いて水槽の壁面に突進することもありました。 遊泳力がとても強く、水槽内の空間把握などができていないようです・・・ 人影に驚かないよう黒いシートを貼り、突進の衝撃を抑えるために水槽の隅を柔らかい板で覆い、飼育を続けました。     このような環境で光や音、人影にも少しずつ馴れ、摂餌もするようになってきたのです・・・。 いよいよ展示水槽にお目見えの日・・アロワナのいる1階「アマゾンの魚Ⅰ」水槽にデビューです。 網から放たれると戸惑いを感じながらも徐々に馴れ隅々まで遊泳します。 バックヤードの300リットルの水槽から30トンの水槽に放たれた姿はまさに水を得た魚であります。         是非、見に来てくださいね!       Tweet

ニューカマー
  • 新しい展示

ニューカマー

今回は、最近新たに「コンゴ川の河口」水槽へ仲間入りした生き物をご紹介したいと思います。   まずは2Fのニシアフリカコガタワニがいる水槽。 ポリプテルス・オルナティピンニスを展示しました。水槽の底あたりに注目です。 展示した個体は大きいもので全長50~60㎝くらいあり、かなり見ごたえがあります。カメラを向けると寄って来たり、呼吸のために水面に上がったりと、意外とアクティブで見ていて飽きません。   展示水槽に移動させたら、動画のようにイイ感じになっていましたので、うまくいけば繁殖するかもしれません。   オルナティピンニスを写真におさめようとカメラを向けると、セバエ達が邪魔しにくるのは、この水槽のあるある。     次は1Fの水槽ですが、ロココヒキガエルからアマゾンツノガエルに展示替えしました。この水槽でツノガエルを展示するのは、かれこれ13年ぶりくらいになります。 ちなみに、今年の春の企画展「美しきカエルの世界」で展示していた個体です。結構大きくなりました。   バックヤードでは写真のようにイイ感じでしたが、展示水槽にいれたら抱接をやめてしまいました。残念。 ちなみに以前展示していたロココヒキガエルはバックヤードで元気にしていますよ。     Tweet

カピバラのゆず風呂タイム!
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カピバラのゆず風呂タイム!

皆さん、こんにちは!   今年も本格的に寒くなってきましたね。 この時期は家から出たくないと毎日のように思っています。。。   さて、今回紹介する生き物はこちら。カピバラです。       12月22日は冬至でした。 冬至にはゆず風呂に入る習慣があります。 ということで! カピバラ達にもゆず風呂をプレゼント!   ゆず湯はもともと、運を呼び込む前に厄払いのための禊(みそぎ)として行われていたそうです。 ゆず風呂には、冷え性を緩和したり、美肌効果もあるそうで。。。 冷え性なのでぜひとも、私も入りたい。。。 あわよくば美肌も。。。なんて思ってしまいます。   実はこのイベント去年も行っています。 その様子がこちら。 気持ちよさそうですね。 お湯が冷めてしまうまで浸かっていました。   今年もやるぞ!ということで なんと、ゆず風呂、、、、 バージョンアップしました! 去年までは専用の樽を用意して、お湯をはっていましたが、今年は、大きいプールにお湯がはれるようになりました!   ついに!!   去年をご覧になった方のなかで、もしかしたら、「この大きいプール使わないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。。。   お待たせしました! 今年からは大きいプールで気持ちよさそうにゆず風呂に入るカピバラをご覧いただけます。   カピバラのゆず風呂イベントは先週の12月21日(土)・22日(日)からスタートしています。 次は12月28日(土)・29日(日)の2日間のみの開催となっておりますので、皆さんぜひ可愛いカピバラ達に会いに来てくださいね。   では、最後に!!! 先週のカピバラゆず風呂イベント終了後に動物担当者で撮影した、28日(土)・29日(日)にむけた予告動画をどうぞ!!! (※音声が流れます)   それでは、 お待ちしております!!!! (先週のゆず風呂イベントの写真です)     Tweet

クリスマスイブの夜に
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クリスマスイブの夜に

当直です。   みなさまこんばんわ。 今夜は雲一つない、星のきれいなクリスマスイブの夜です(これを書いている日)。 空を見上げたらサンタとトナカイも見れちゃいそうな澄んだ空。   私の目線の先には、カピバラです。 けっこう”ぽちゃり”なので、空を駆け上がっていくトナカイにはなれそうにありません。   当直は生き物や、水槽の設備などに異常がないか見回りをしつつ、スタッフの制服やタオル類などの洗濯、あとはこうしてパソコンに向かって何かしらやっています。   今日はブログを書く日!それでは、先ほど見回りをしながら生き物の様子をいろいろ撮ってきましたので、ご紹介していきます。 見回りの時も、生き物を驚かせないように、暗めの懐中電灯を使います。 間近でライトをあてないように注意を払っていますので、少し見えづらい画像ばかりになりますがお許しを…。   まずは長良川上流エリアから。 アカザです。 アカザのアルビノ(生まれつき黒色色素をもたない)個体。 1匹だけですが、2018年9月から展示しています。 昼間は石の下に隠れていて、尾だけとかヒゲだけしか見えないことが多いのですが、夜はご覧の通り全身丸見え。 この個体はエサ食いがとてもよく、1年ちょっとでずいぶん体格がよくなったような気がします。     隣の水槽には無防備なアジメドジョウたち。 昼間は砂にもぐっていることが多いのですが、夜はわらわらと地表にあらわれて、じっとしています。 光を当てても全く動じない。昼と夜とで、様子が全然ちがうアジメドジョウです。     続いて希少淡水魚コーナーです。 夜のホトケドジョウ。 こちらも夜は丸見えです。 ケガや病気をしている個体はいないかどうか、夜に観察するようにしています。     河口の水槽ではアシハラガニがお食事中。 石についたコケかなにかを器用にハサミあしでつまんで、口元に持っていきます。 アシハラガニは夜行性ですから、夜は堂々としていて活動的!魅力的!     こちらのアシハラガニは…何をしているのかな? 楽しそうですし、気持ちよさそうですね。     最後にバックヤードのビリンゴ繁殖水槽から。 現在はこんな感じです。あのかっこいい婚姻色(※1)はまだ出ていませんが、良い状態で真冬を迎えることができたので、春にはまた産卵がみられるかもしれません。期待できそうです。     みなさまいかがでしたか?夜の水族館は。 毎日見ているわたしでも、生き物の昼と夜のちがいはおもしろいので、この場で少しだけですが紹介できてよかったです。   さて、今年も残すところあとわずかとなりました。 1年間本当にありがとうございました。 来年も、清々しい雰囲気で、家族で楽しめて、生き物を尊く感じられる、そんな水族館を目指してがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。     Tweet

季節はクリスマス
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季節はクリスマス

クリスマスが間近に迫ってきたこともあり、クリスマス特別水槽のご紹介。 例年通り、エントランスのテーマ水槽は、デンキウナギ。 デンキウナギの発電に反応してツリーのライトを光らせます。     さらに、入館してすぐのところには、クリスマス特別水槽を設置しています。 今年は「雪降る街」と「いちごのクリスマスケーキ」と「赤鼻のトナカイ」をモチーフに展示しています。 カラフルなエビたちがツリーを装飾します。     甘党の私には欠かせない、クリスマスケーキ。     クリスマスソングと言えば、赤鼻のトナカイ。   今年もホワイトクリスマスになりますように。       Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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