おもしろ飼育コラム

企画展 第2章はじまるよ~
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企画展 第2章はじまるよ~

パンタナールに行ってきた河合です。   7月13日から始まった、パンタナールを紹介する企画展の第1章が終了しました。 第1章では「澄みわたる泉」と題し、南パンタナールの水源地になっている青く透き通ったプラタ川の環境と魚を紹介しました。   多くの方にブラジルにもこんな清流があることを知っていただけたのではないでしょうか。     12月14日からはこちら ※4月12日まで 第2章「残された森」がスタート!   第1章では水中のパンタナールを。 第2章では陸上のパンタナールを。   視点を変え、7月13日から4月12日までの間、2部構成で、パンタナール大湿原という生き物の楽園を紹介します。   12月8日の閉館後に第1章の展示を撤収し、1週間かけて第2章の展示を設営しました。 ではどんな感じで設営していくのでしょうか? 第2章の展示が出来ていく様子を紹介します。   こんな感じで会場が出来上がっていきました。   第2章の見どころは、魚はもちろんインコやカエル、アルマジロ、トカゲなどいろんな生き物を展示。 どれも見ごたえある生き物ばかりでシンプルに楽しいです。     現地に行ったスタッフのコメントや、フォトコーナー、トト・ラボに展示している思い出話などもあり、見所がいっぱいです。     とにかくこの会場に来て、パンタナール大湿原がどんなところか感じてほしいです!!   何度も足を運んで、パンタナールのことを楽しみながら知っていただけたら嬉しいです。 それでは お待ちしています。       Tweet

水族館での困りごと・・・巻貝駆除
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水族館での困りごと・・・巻貝駆除

時として、展示水槽内に巻貝が爆発的に増えることがあります。 写真のように1匹、2匹ならまだ気にならないのですが、増えすぎるとアクリル全面についています。すると、展示生物が見えにくくなってしまいます。   そこで登場するのが、皆さんご存知の「コイ」です。 「コイ」って巻貝を食べるの?と思うでしょう。 コイは雑食性で水草、貝類、甲殻類、昆虫類、ミミズなどいろいろなものを食べています。コイの口に歯はないですが、喉の奥に咽頭歯という歯があり、硬い貝の殻もこの歯で砕いて食べることができます。   そこで、巻貝を食べてもらうために、巻貝が増えすぎた水槽にコイを投入することにしました。 現在は3階のハリヨの水槽と、2階の草地水溜まりの魚(雨季)、雲南省の魚Ⅱの水槽にコイが入っています。     何度も来館されているお客様には、「この水槽にコイが入っているのはなぜですか?」と質問を受けることもありますので、「巻貝駆除用です」と答えて納得していただいています。 通常これらの水槽にはコイはいないため、「今だけですよ。」の説明ポップもつけています。     この写真のように底砂に口を突っ込んで、底砂の中の巻貝を捕食する姿が見られるかもしれません。そんなコイに注目して観察してみてください。 コイを入れると2~3日で、水槽のアクリル面に巻貝が付くことはなくなります。コイの食欲おそるべしです。巻貝がコイに食べられているのもありますが、コイを避けるように巻貝たちも底砂の中に潜って出てこなくなります。 増えた巻貝を手作業で駆除していたことを考えると、コイの巻貝駆除効果は絶大で、コイ1尾入れただけで水槽から巻貝の姿が無くなります。 今後も巻貝が増えている水槽に、コイを順次移動して駆除していきますので、いつもはいないコイが水槽に入っていたら、「巻貝駆除中!」と思ってください。 Tweet

パンタナール展の気になる魚 その⑤
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パンタナール展の気になる魚 その⑤

いよいよパンタナール展第1章も12月8日で終了! 最後になりますが展示されている魚種で、個人的に好きな魚をピックアップしてみます。   今回は、「プラタ川の小枝と流木」水槽と「石場」水槽にいる魚です。     口は大きく、体は細長い魚・・・パイクシクリッドの仲間です。 現地ではジョアニーニャと呼ばれているようです。 肉食傾向が強い魚で、当館では魚肉の切り身を中心に与えています。     こちらも10周年企画展での調査で、ペルーアマゾンに出向いた時、 アマゾン川流域の至る所で、たくさんのパイクシクリッドたちに出会うことができました。   パイクシクリッドの仲間は94種ほどが確認されているようです。大きなグループですね! 吻先(口の形)が尖っていたり、丸みを帯びたりと、種によっていますが、体色のも微妙に違っているのも特徴的です。 企画展の2種、ペルーアマゾンで捕まえた4種のパイクシクリッド(写真参照)との違いが分かりますか?   是非、見に来てください!   Tweet

冬の準備中です
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冬の準備中です

みなさんこんにちは。   あっという間に冬が訪れてしまい、様々な準備でお忙しい方は多いのではないでしょうか。   夏より始まりました企画展はもうすぐ終了しますが、パンタナール展第2章が12月14日より始まります。     夏の第1章では、すべて魚だけでしたが、 第二弾では大きく変わります!     チラ見せしますと、 アクア・トトでは大変珍しく、 このような鮮やかな羽がある鳥が登場したり   鮮やかな足をした亀がいたり   まんまるになってしまう動物も登場します!   もちろん、パンタナールに生息する魚もたくさん登場しますよ!   あとは、トトラボコーナーも模様替えしますので、企画展ブースを通過した後にはぜひチェックしてくださいね。   では冬の企画展第2章もお楽しみに!     Tweet

パンタナールに行った人の情報⑩
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パンタナールに行った人の情報⑩

パンタナールに行った河合です。 10回目の情報です。     どうしても伝えたいことがありまして、今回はこの魚レポリヌスの仲間(現地名ピアーバ)です。 調査したオーリョダグア川のいたる所で、数種のレポリヌスを見ることができました。     水槽で飼育してみると、すごく臆病ですぐに物陰に隠れ、人が見ているとなかなかエサも食べてくれず… 神経質な魚です。 展示が始まってからも水草や石の陰に隠れるため、隠れないようにレイアウトを工夫してもやはりどこかに隠れてしまいます。エサは、配合飼料を与えますがそれほど反応が良いわけでもなく、近くで観察していると警戒してなかなか食べてくれませんでした。   そんな時にふとこれを思い出しました。 それがこの映像です。 巻貝をもぐもぐと口にくわえている。 そしてこの写真   いたるところに巻貝の貝殻が落ちていることを思い出しました。   ひらめいちゃいました!! 「巻貝だ!」と     ピアーバの展示水槽の隣にある「緑のじゅうたん」と題した水槽。ここにいる水草を食べてしまう巻貝に注目したんです。 いつもは水草のトリミングや掃除をするときに駆除していましたが、もしかしたらこれをレポリヌスに与えたら食べるのではないかと!   そこで駆除した巻貝を投入した映像がこちら なっ なんと好反応!!! 今までこんなに積極的にエサを食べることなんてなかった魚が! レポリヌスは、巻貝が好きだったのだと確信しました。 巻貝に対する嗜好性が高かったんですね。     駆除した貝をこんなに積極的に食べてくれるなんて、うれしい限りです。 しかも貝を食べるようになってから、水槽の隅っこにはいるけれど、あまり隠れることなくいつも見える位置にいてくれます。好きなものを食べてメンタルが強くなったのでしょうか?(笑)この個体のメンタルのことはさっぱりわかりませんが…。   飼育するにあたって、生き物が自然の中でどのように暮らしているかを知ることは、とても大切だと改めて感じた瞬間でした。 本や文献だけでなくフィールドでも生き物をよく観察し、あらゆる角度から生き物を知ること、これが大事なんですね。     今回はこれにて   12月14日から第2章が始まります。 第1章は水中をテーマに魚を展示しましたが、第2章は陸上に目を向け、魚類だけでなく哺乳類、鳥類、爬虫類などいろんな生き物を展示する予定です。   第1章と第2章の両方をご覧になればパンタナール大湿原のことがよくわかります。 第1章をまだご覧になっていない方は是非ご来館ください!12月8日までですよ。   それでは     Tweet

パンタナールに行った人の情報⑨
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パンタナールに行った人の情報⑨

パンタナールに行った河合です。 9回目の情報です。前回に続き、展示している魚たちの現地の様子です。   まずは 現地名:ジョアニーニャ 訳すと「テントウムシ」という意味らしいです。 どこがテントウムシなのかさっぱりわかりませんが、至る所で見ましたよ。 Crenicichla lepidota   レピドータ(Crenicichla lepidota)とビッタータ(Crenicichla vittata)の2種が生息していました。どちらもジョアニーニャと呼びます。偶然ですが、大きくて色がきれいなレピドータの動画を撮り、帰国してからじっくり映像をチェックするとなんと子育て中でした。   貴重な映像をご覧ください!   現地名:サイア ブランカ 直訳すると「白いスカート」   白いスカートは、なんとなく分からなくもないような気はします。 銀色のボディですが光が当たれば白くも見え、体形も丸く広がる感じがスカートなのかも? 日本ではシルバーダラーという名で、この仲間が販売されています。シルバーダラーとはアメリカの1ドル硬貨のことで、これは体形から容易に想像できます。わかりやすい名前ですね。この魚は現地で調査したメンバーの中で唯一僕が見つけた魚。思い出の魚です。     現地名:ムスン 直訳しても意味は分かりませんが、日本ではタウナギと呼ばれる魚です。   タウナギと聞けば、知っている人もいるのではないでしょうか? この魚は夜行性で、僕は現地の水族館でしか見ていません。   ナイトダイビングをした大島が、たくさんみたと言っていました。昼間は石の下などに隠れているのでしょう。調査区間は規則が厳しいので石をひっくり返すような行為は固く禁止されていて、夜じゃないとみられない貴重な魚です。     現地名:ペイシ カショーホ 直訳すると「犬の魚」 発音の問題ですがペイシェ・カショーロと表記されることもあります。 犬のような牙を持つ魚という意味です。日本ではカショーロというと別の魚をイメージする人もいるでしょう。国内ではパイクカラシンという名前で流通しています。 これはスクリ川で見ました。プラタ川では確認できなかった種です。     現地名:カラムージョ ド バニャード 直訳すると「水たまりのカタツムリ」   同行した生物学者のホセに聞いたところ、ブラジル全域ではアンプラリアと呼ぶのが一般的みたいです。これはリンゴガイの仲間で、日本ではスクミリンゴガイとかラプラタリンゴガイと呼ばれ、田んぼや用水路にピンク色の卵を産む外来種です。 ブラジルにはネイルカイト(オオクロノスリ)というリンゴガイを食べる鳥がいます。   天敵がいない日本では、リンゴガイがどんどん増えるのですね。     おまけ 水辺で出合った昆虫たちです。 トンボやイトトンボの仲間   バッタの仲間   カメムシの仲間   ドロムシの仲間でしょうか?     次回もお楽しみに!     Tweet

波乗りモトロ
  • アクア・トトの生き物
  • アマゾンの生き物

波乗りモトロ

1階、アマゾンの水槽には淡水エイの仲間、モトロがいます。   シックな水玉模様のかわいいヤツなのですが、実はこのモトロについて、もう何年も前からずっと気になっていたことがあります。   この水槽の一番左端、ぎりぎり見えるか見えないかのところにエアストーンが設置してあるんですが、ここで時々、1匹のモトロがまるで波乗りをするかのように泳いでいるのです。   そこはエアストーンの真上なので、泡がぼこぼこ吹き出して水面が波立っています。その泡をおなかに受け、荒波を乗りこなすサーファーのように泳ぎ続けるモトロ。 毎日ではありませんが、でも一度始めるとしばらくやっています。       ・・・楽しいのかな?     何のためなのかはさっぱり分かりません。流れが少ない水槽の中で、たまには思い切り泳いでみたい気分になるのかもしれませんね。     Tweet

アクア・トトのリユース計画
  • バックヤード
  • 新しい展示

アクア・トトのリユース計画

アクア・トトでは様々な材料をできるだけ再利用しています。今回はそのひとつとして、写真パネルの再利用のご紹介です。 倉庫の奥で眠っていた、カピバラの写真パネルを引っ張り出してきました。 この写真パネルを覚えていらっしゃる方は、かなりアクア・トトマニアな方ですね。 このパネルは2016年の企画展「カピバラ展」で活躍してくれた写真パネルです。 写真パネルって専門の業者が作ってくれるんじゃないの?と思われた方もいるでしょうが、アクア・トトでは職員の手作りなんです。 埃をかぶっていますが、破損もないのでリユースできそうです。   どんな変化をとげて、再びデビューできるのでしょうか。   ①パネルを土台から外します。 ②きれいに埃を洗い流します。   ③新たな写真パネルの準備をします。 写真パネルの外枠を印刷してもらい、切り抜いてコンパネに貼り付けます。 マジックで外枠をコンパネに写していきます。   ④次にジグソーという工具でコンパネをライン通りに切断していきます。 (シルエットでどんな写真パネルになるか想像してみて下さいね。) ジグソーという工具は、木材を曲線で切っていく道具なのですが、慣れないと残念な仕上がりになってしまいます。工作の大好きな私にかかれば、サクサクと切断出来ちゃいます。   ⑤ライン通りに切断出来たら、切り口のささくれを紙やすりで整えていきます。 やすりがけは地味な作業ですが、お客様のケガにもつながりますので、丁寧に掛けていきます。   ⑥できたものを土台にビス止めして、黒いペンキを塗ったら完成まであと少しです。 表側には印刷された写真パネルが貼り付けられて、企画展の晴れ舞台に登場します。 どんな写真が貼り付けられているかは、企画展を見てのお楽しみということで!     Tweet

パンタナール展の気になる魚 その④
  • 企画展・特別展示

パンタナール展の気になる魚 その④

現在のパンタナール展は12月8日で終了! 展示されている魚種で個人的に好きな魚を、今月もピックアップしてみます。   今回は、きれいなスクリ川水槽です。 この水槽に魚は1種類だけ。海水魚のカマスのような魚・・・パイクカラシンの仲間です。 現地ではペイシ カショーホ(犬の魚、犬のような牙を持つ魚)と呼ばれているようです。   こちらも10周年企画展の調査でペルーアマゾンに出向いた時、 アマゾン川流域の至る所で、たくさんのパイクカラシンたちに出会うことができました。   どれもまさに犬の牙ですね! パイクカラシンはピラニアに代表されるようなカラシンというグループに入ります。 アゴと歯がよく発達しているため、肉食性であれば犬歯が、草食性傾向が強ければ、噛み砕いてすり潰すような歯がよく発達しています。噛む力もとても強いです。   是非、ご覧ください!     Tweet

秋の河口へ
  • 日本の淡水魚

秋の河口へ

こんにちは。10月の終わりに河口の生きものに会いに行ってきました。   秋といえば、モクズガニ! 山や平野部の用水路にいたモクズガニも、秋は繁殖のために河口におりてきます。 (興味のある方は、1年前に書いた「モクズガニの秋」をご覧ください。)   今回は、ちょっとびっくりなモクズガニをみつけました。 こちらです↓ つぶつぶが苦手な人は無理かも…。   どうでしょう?体にフジツボ。見事に全身についています。   他にも何匹かモクズガニを見つけましたが、こんなふうになっているのはこの個体だけでした。 モクズガニにとってはいいカモフラージュになっているのか? それとも迷惑しているのか…?どちらなんでしょうね。   モクズガニwithフジツボ以外にも、秋の河口にはいろいろな生きものがいました。 わたしの好きなハゼもいろいろ。   たとえばこちら↓   小さなトビハゼです。秋ならではのこのサイズ。 指にのせてみるといかに小さいかお分かりいただけますね。全長は1.5cmほどです。   トビハゼの繁殖期は夏で、ふ化した仔魚は水中で浮遊生活を送り、 約1.5cmに成長すると親と同じように陸上で生活するようになります。 大きさからすると、この個体は今まさに、陸に上がってきたばかり。 寒い冬を乗り越えられるよう、少しでも大きくならなきゃいけない時期です。   モクズガニは「繁殖の秋」 トビハゼは「上陸の秋」 ですね。   季節がめぐり、冬になれば、ビリンゴやスミウキゴリに婚姻色が現れ、 繁殖に備えた体つきになっています。 そして、そのビリンゴには、二枚貝の幼生(グロキディウム)が寄生していることも…。   年が明けた、初春には、遡上を始めるアユカケの稚魚や、 イシガレイのちびっこもみられるようになります。   こんなふうに河口はいつ訪れても、違う様相を見せてくれるおもしろい場所です。   「河口?そんなところいけやしないよ!」という方は、 ぜひアクア・トトまで!     Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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